恋愛上級17
尾田さんに会って、今までのこと謝って・・・
それから?もし、尾田さんに言ったら、海外に行っちゃう。
もう今までみたいに会えない。
冷静になって考えたら、この選択でいいの?と頭の中で葛藤が起こった。
もちろんこのままじゃいけないって、分かってる。尾田さんの人生は、
尾田さんのものなのだから・・・
「ねぇ。圭太・・・私ちゃんと尾田さんに言えるのかな?」
「尾田さんいなくなっちゃう。」
もう二度と会えない訳じゃないって、分かってるよ。分かってるでも。
「それでも、尾田さんの背中押せるのはお前しかいない!」
そうだよね・・・きっと過去のしがらみから、解き放ってあげられる
のは、私とママだけなんだよね!?ママは、既に伝えてると思うし。
後は、私だけなんだ。
「そうだよね。私これから、尾田さんのところへ行ってくる!」
再び立ち上がるとまた圭太に腕を掴まれた。
「俺も、行ってやる。午後の予定は、空けてるから」
泣きそうな私を心配してくれてるのかな?圭太に弱いとこ
みせちゃダメだ!!でも、一人より心強い。
「江口さんちゃんと報告するから!またね。」
「ほい。ほい。期待してるで~。」
また尾行して来ない様に何度も、振り返りながら、公園を後に
した。江口の笑顔は、見る度に引きつっている様に見えた。
「で、尾田さん今どこに居るか分かってんの?」
もちろん!私を誰だと思ってるの。尾田さんのスケジュールは、
把握済み何故なら、尾田さんの講義の無い日や奥さんが仕事の日じゃないと
家に呼ばない様にしているから!
それに、今日は土曜日。家に居ないなら、水族館に行ってるだろうし。
今からなら、どちらに行っても夕方には間に合うはず。
「とりあえず尾田さん家に行ってみる。」
私達は、尾田さんの家に向かって歩き始めた。
家に居てね尾田さん。
突然行かないと逃げられてしまう気がした。
あやふやにしたまま、また何年も過ごしてしまうパターンに
なりかねない!
私が、逃げ出しそうになったらきっと圭太が止めてくれる。
止めてくれるよね?信じていいよね?
ズルイかもしれないけれど、私も誰かに背中を押してもらわないと無理。