恋愛上級16
「君ら、いつから付き合ってんの?俺の情報にはなかってんけど・・・」
本題ってそれ?先生関係ないじゃない!もしかして、クレープ
食べさせあいしてたの見てたから・・・でもあれは、圭太の作戦だった
様な気がする。隠れてる監視委員Bの目的を探る為だったんじゃないかと。
「付き合ってませんよ。それより俺に聞きたいことがあって
尾行してきたんですよね?」
そうね。付き合ってなんていないわよね。でも、何かはっきり
言われるとモヤモヤする。
江口さんの狙いは、やっぱり圭太の方か。
「例の問題集の件なんやけど・・・出版決まったみたいやねん。
それも、結衣ちゃんパパのとこからやないんやで!」
嘘・・・どういうこと?まだ最後まで先生から問題集受け取ってないのに?
それに出版社が違うだなんて、ありえない!
「それって・・・どういうこと?」
「俺も、今調べてるとこや。でもな社長から、もうこの件は追わなくて
ええって言われてん。せっかく本採用になったとこやのに。」
戦力外にされちゃったってこと?
「俺なこう見えて中途半端は、嫌いやねん。納得がいくまでは
調べんと情報屋の名が廃る!で、瀬戸君に聞きに来たちゅう訳。」
「すみません。俺の口からは、まだ言えません。」
まだってことは、圭太知ってるのね~!
「そうかぁ・・・やっぱユツキーか、結衣ちゃんオカンに聞かな
あかんのや。」
落ち込む江口さん。私も、真相を確かめたい。でも、ママもパパも
何も言って来ない。私が、子供だから?
「ゆうにいが・・・ゆうにいの口からちゃんと説明できる様に
なるまで、待ってもらってもいいですか?」
先生も問題集出版に承諾済みってことね。
「どうする結衣ちゃん?」
「江口さん私からもお願い!先生今すごく忙しいみたいだし
落ち着いたら、きっと話してくれると思うの。分かったら
ちゃんと報告するから。」
今は、キスのことで頭がいっぱいそうだけど・・・ずっと忙しいみたい
だったし。問題集だけのこととは、思えない。
先生も、圭太も周りの大人達も、何か隠してるってことだけは理解できた。
「結衣ちゃんは、ほんまにええ子やなぁ~報告待ってるで!
ついでに、尾田さんのことも報告してや。」
はっ。そうだ!尾田さんのことすっかり忘れてた。
私も、これから忙しくなりそう。
尾田さんに会いにいかなくちゃ。