恋愛上級13
「私のせいで、みんなに迷惑かけちゃったから・・・
心配かけたくないの。」
一人でも、大丈夫ってなるまでは誰かの目の届くところで
見守りと言う名の監視があっても、平気。
「そっか・・・それ一口いい?」
いいよ。なんて返事を返す間も無く圭太は、私のクレープを
食べた。
先生が、経験豊富とか言ってたよね!?本当に女慣れしてるの?
「俺のも食うか?」
ストロベリーチョコクレープの誘惑攻撃ですか?
これ拒否したら、気まずくなる?そもそも、圭太は、私を女性として
意識してない?
間接キスとか言って、舞い上がったりしないわよ!
平常心。平常心。どうってことないわ。だって、間接だもの。
「頂きます。」
う~んストロベリーチョコクレープも、美味しい!!
いや違う。こんなのまるで、恋人同士じゃない!
「圭太は、経験豊富って本当なの?」
「えっ?」
いつになく動揺している様に見えるけど・・・
「ひ・み・つ」
そう言って、圭太はイタズラに笑った。
ズルイ。
クレープも、完食したし。家に帰るとしますか。
ベンチから、立ち上がると圭太が私の手首を掴んだ。
今度は、何よ~。
「あのさぁ・・・俺なりに考えたんだけど。お前ら
みんな間違えてるよ。」
はぁ?一体全体なんの事?
「ちょっと話さないか?」
再びベンチに座ることにした。
「お前が、誘拐されそうになって全てが変わったって
思ってるだろ?俺は、違う気がする。」
知ってたんだ。誘拐未遂のこと。さては、尾田さん辺りのリーク?
「お前も、麻里華さんも尾田さんも、みんな間違えてると
思うんだ。」
だから、何を間違えてると言いたいの?
「お前も、尾田さんも誘拐未遂が原因で、麻里華さんが絵を
描かなくなったと思ってる。でも、違うんだよ。」
違うの?じゃぁ何故あんなに好きだった絵を描かなくなったの。
「麻里華さんは・・・スランプだったんだ。天才故の。
お前の事件と重なっただけなんだよ。」
でも、ママの描く絵が私に似てたからって・・・
「犯人は、麻里華さんの挿絵なんて見たこと無かった
んだよ。」
そうなんだ。私のせいじゃなかったんだ。
「尾田さんは、とっくに気づいてたよ。でも、自分の責任だと
思い込んでる。ずっと麻里華さんのことが、好きだったから」
そうそう。尾田さんが、ママを・・・ママのことを好きですって~!