恋愛上級12
先生とキスの練習なんかしてたから・・・その気になった?
もしこのまま圭太とキスしたら、その後かなり気まずくなる。
もう、会えなくなるかもしれない・・・
ほんの数秒の間にいろんなことが、頭を過った。
“ベチッ“
「いたぁ~い」
おでこに衝撃が!
キスされるんじゃないかとドキドキしたのに・・・
まさかのデコべチだなんて
「いくらゆうにいが相手でも、もう二度と練習相手とかするなよ。」
今度は、頭に優しく手をのせて少し寂しそうな顔を覗かせた。
これって、もしかしてヤキモチ?
先生の相手をしてたのは、兎のミミちゃんと圭太だと思うのだけれど。
私は、圭太の目を見て頷くだけで精一杯。すぐに視線を反らせた。
「クレープ食べに行こうか?」
クレープ?何故急にクレープなのか、分からないけれどこのまま
二人っきりでいるよりは、ましかも。
「どこのクレープ屋さん?」
「ここに来る前に公園の前で、割引券もらった。
移動クレープ店だけど行ってみないか?」
「行く」
圭太に誘われるの初めてかもしれない。
このまま気まずい雰囲気より外に行った方が、いいものね。
「尾田さんに連絡入れるだろ?」
「大丈夫。圭太が守ってくれるんでしょ?」
「迷子にならない程度に見ててやってもいいけど」
こんなご近所で、迷子になるわけないじゃない!
そんなに子供だとお思いですか?
二人で、公園に向かう。こんな風に異性と出かけるなんて
初めて。ご近所を歩くのは、久しぶりいつも車から見る風景だから
なんだか新鮮。
移動クレープ車を見つけて、クレープと飲み物を注文した。
公園のベンチに座って、クレープを食べることにした。
圭太の注文したクレープは、太巻きの様。これは、イケメン特典
というやつなのかしら?圭太は、何も気にしてなさそうだけれど・・・
一口クレープを食べた。
これ食べてみたかったやつだ~軟らかい生地も好きだけど
パリパリサクサクした生地も美味しい。
「美味し~い」
「だろ?」
圭太は、甘い物が好きみたい。
「お前さ。今までこんな風に自由に過ごしたことってある?」
そう言われるといつも、誰か大人と一緒だけど。それを不自由に
感じたことはない。
「そうね~今日みたいに外で、友達と何かするなら
あの辺りの木の影から誰かが、見守ってくれてるかな」
誰かが、傍にいた方が安心するし。もしかして、私の事可哀想
とか思ってる?
「圭太には、ありえない事かもしれないけれど・・・
私は、誰かいてくれた方が安心するから。」
一人で、出かけると心配させてしまう。もう二度とあんな
思いは、させたくないし。したくない。