恋愛上級10
「は~ぁ」
「・・・」
何?久しぶりに家に来たかと思えば、この聞いてくれオーラ
出しまくりな男
彼女と倦怠期を迎えた?最近忙しそうだから・・・もしかして
別れを切り出されたとか?
「先生。何かあった?って聞いて欲しい?」
「師匠~」
待ってましたと言わんばかりに私に手を合わせる先生。
私は、神や仏じゃないよ。
「まぁ師匠に聞いたところで、経験ないから分からないだろうけど
一応女の子だし・・・」
何さりげな~く私の価値下げてるのよ。
「キスするときって、してもいいか聞くものなのかな?」
えっ?キス?そんなの好きにすればいいじゃない!
でも、先生はかなり真剣に悩んでいる様子。笑っちゃいけない。
聞かれても、困るけど・・・彼女純情そうだしね。
「自然とそうなるもんじゃないの?聞かなくても、怒られないと
思うよ。」
そこが、難しいとか言われても私だって経験ないし。~だったらこうとか
参考にするものでもないでしょ?
「これも、練習しておいた方がいいよな?師匠」
いつになく真剣な表情。練習ってまさか?
「ちょっと先生。ダメだって・・・そんな」
「だ~か~らいきなり押し倒してどうするのよ!」
バン。大きな音と共にドアが開いた。
「ゆうにい。何やってるんだよ!彼女の気持ち考えろよ!
こいつこの前までランドセル・・・」
圭太は、入って来るなり焦った様子で、先生に怒鳴った。
しばらくして、先生と私があやしい行為をしている訳ではないと
気づいた様だ。
「ゆうにい。何してる?」
そりゃ聞きたくもなるよね。ベッドの上で、兎のぬいぐるみ相手に
キスの練習中の大学生を見れば。
それは、そうとランドセルとか言ってなかった?ランドセルなんて
とっくに卒業してます。
私が、ランドセルなら圭太だってランドセルじゃないか。
カシャ。先生のキモ写が、また1枚増えた。
「圭太。いいところにお前だったら、経験豊富そうだし
キスの誘い方とか分かるだろ?俺にレクチャーしてくれ」
「えっ?マジ言ってんの?」
私は、圭太の肩を優しく叩きながらつぶやいた。
「マジです」
何だか、面白くなりそうな予感。