恋愛上級6
ラブリ~ン・ラブリ~ン
圭太の頭の中は、今正に教会の鐘ならぬラブリンの鐘の音が
響き渡っていることだろう。
「先生止めてよ!只の噂でしょ?圭太の思考回路停まってるよ。」
「えっ?噂?」
正気に戻った圭太。こんなにも、騙されやすいだなんて以外。
「いや~圭太からかうと面白いから、つい。
でも、この写真すごくよく撮れてたから奇跡も起きるかな
なんて話てたんだ。」
先生の手から、スマホを取り上げる。
何これ?そこには、ラブリンクラゲと私達がはっきりと
写し出されていた。
ピッピッ。速攻削除。
「ちょ結衣ちゃん今削除しなかった?」
黒歴史になんかするもんですか。
「いくら、削除しても入手できるからかまいませんけどね~」
何あの勝ち誇った態度。
悔し~い。キモフィギヤ写真の仕返しのつもり!
私が、弱みを握られるなんてありえない。
「どこで、入手したのよ。」
「知らなかった?ラブリンクラゲを見た客には、写真のデータ
をPC・スマホに送ってくれるサービスがあるの」
知らなかったし。そんな説明無かった。そもそも、人の写真のデータが
送信されるってどういうこと?
まさか?
「その写真送って来たのって、尾田さんだったりする?」
「なんだ、もうバレタカ」
やっぱり~尾田さんならこんなこと楽勝じゃない。
先生に送るってところがまた・・・
やられた。
何のことか、理解できてない圭太と城崎美緒に説明する。
「尾田さんは、この水族館の名誉館長だから写真のデータ
の入手も可能なの。」
「何で、そんな人がお前ん家の運転手なんかしてるんだよ。」
「趣味で。」
趣味って言ったところで、納得出来ないだろうけれど。本当に
趣味で、運転手してくれてるのだからしょうがない。
変わり者の館長なのだから。