恋愛上級4
クラゲの展示室は、他とは違って幻想的。暗い部屋の中円柱の水槽のクラゲが
ライトアップされている。色とりどりの水槽。沢山の種類のクラゲ
時間を忘れることが出来るこの空間が、私は子供の頃から好きだ。
この癒し空間を見せたかったって言ったら、信じる?
今日は、やけにカップルが多い気がする。いつの間にこんな人気スポットに
なったんだろう?
「クラゲ館へようこそ。大変お待たせ致しました。只今よりラブリンクラゲの
水槽を順番に一組3分の制限付きで、ご覧頂けます。クラゲのラブ君とリンちゃんは
大変デリケートな時期ですので、水槽を叩いたり大きな声を出さない様お気をつけ下さい。」
突然スタッフの声が、館内に響いた。
そうか、ラブリンクラゲ忘れてた。カップル多い訳だよね~。
圭太は、ラブリンクラゲ知ってるのかしら?
私と一緒じゃ、見たくないよね。
「ラブリンクラゲ?クラゲのカップルとか?」
間違っては、いない。
カップルで見ると幸せになれるとか・・・都市伝説みたいな。
「圭太に彼女が出来たら、一緒に見に来たらいいんじゃない?」
「何で?別にクラゲのカップルと俺達関係ないし」
まぁ友達や家族と見ても言い訳だし。関係ないと言えばその通り。
徐々に順番が、近づいて来る。
ええい。ラブ君でもリンちゃんでも、何だって見るわよ!
「一組3分です。足元にお気をつけて行ってらっしゃ~い。」
とうとう順番が、来てしまった。まさか、圭太とラブリンクラゲを
見ることになるとは。
「電気クラゲの触手が、触れ合ってハートの形に見えるんだって
滅多に見れないから、見ることができたら幸せになれるって噂だよ。」
圭太は、私の説明なんて耳に入ってない様だ。目の前のクラゲカップルに
目が釘付けだ。
めっちゃ可愛い。本当に癒される。ラブリンポーズ見せて
くれないのかなぁ!?
「おい。あれ」
圭太の視線に目を向けると、そこには、ラブリンポーズのラブ&リンが!
こんなにあっさりと見てしまっていいのだろうか?
思わずこちらも、小さく圭太とラブリンポーズ。
「可愛い~!!」
3分なんて、あっと言う間の出来事なのにかなりテンションが上がる。
「おめでとうございます。あんなに完璧なポーズ珍しいんですよ。
こちら、記念品です。」
スタッフから、ラブ君とリンちゃんのキーホルダーをもらった。
二つを近づけると磁石でくっつく仕組みだ。
圭太には、かなりのツボだったらしい。
「圭太にリンちゃんあげるよ。」
「これは、俺とお前の記念の品だからそれは、お前の。」
圭太が、喜ぶと思ったんだけどなぁ~
記念の品悪くないかもね。