恋愛上級2
何か、思っていたより人が多い。
入館チケット買うだけでも、行列。これじゃ圭太の機嫌が
悪くなる一方。圭太の顔を恐る恐る窺う。
「今日何か、イベントとかあるのかな?」
「こんなもんだろ。」
セーフ怒ってないよね!?いつものマイペースな喋りに
何故か、安堵した。
「チケットは、誘った私が買うから」
「子供に金出せなんて言わないから、安心しろ」
そう言って、圭太はチケットを2枚購入した。
私が、無理やり連れて来たのに。
「はい。子供用」
圭太が、嬉しそうにチケットを手渡して来た。
俺は、大人用だけどね。と言わなくてもそのドヤ顔
を見れば分かる。
入り口は、混み合っていたけれど中は流石に広いから
ゆっくりと魚を眺めることができそう。
水族館って、海の中にいるみたいで好き。
「旨そう。」
圭太が、つぶやく。確かに美味しそうでは、あるわね。
鯛だし。鯛ダシ。鯛出汁。
「もお~旨そうとか言わないでよ~!食用にしか見えなく
なるじゃない!」
何しに来たと思ってるのよ。あっそうだ先生達カップルは?
まぁこんなに人が多いと捜す気にもならない。
「あのさ、どうして俺のこと連れ出した?」
いや。なんかそんな真面目に聞かれると答え辛い。
「もちろん先生追跡が、1番の目的だけど。最近みんな
イライラしてるから」
この数ヵ月私の周りの人達は、みんなイライラしてる。
先生も、デートとは別で何か忙しくしてるし
圭太も、イライラMAXぽかった。
「あぁ。悪い。それは・・・」
「あれ?瀬戸じゃない?」
圭太の声を誰かが遮った。
一瞬で、数人の男女のグループに囲まれてしまった。
あなたたちは、何方ですか?
圭太の知り合いなんだろうけど。
「圭太の用事って、デートかよ。
彼女?紹介してよ。」
これは、まずい状況なのでは?中学生とだなんて変な噂が広まったら
女子達の冷やかな視線が、痛い。私のせいで圭太の高校生活が・・・
ここは、私がなんとかしなくちゃね。
「せんせ・・・」
「まだ彼女じゃないけど、これからそうなる予定だから
お前ら邪魔すんなよ。じゃ。」
そう言い放つと私の手を取り、別のフロアへ。