恋愛上級1
ピンポ~ン
鳴り響くチャイムの音
しばらく何も聞こえない。
ノックと同時に男が、入って来た。
一応レディの部屋なんですけれどね!
「今日は、早かったのね。」
男は、かなり困った様子
無理もない。久しぶりの訪問で、加代ちゃんに質問攻め
にでもされたのだろう。比較的すぐに解放されたのが、
せめてもの救いかしら。
「先生最近忙しいみたいね。」
「まぁ。大学生だしいろいろあるんだろ」
彼女が出来て以来メールだ何だとやたら
惚気ていたのに。すっかり落ち着いた模様。
「でも・・・今日デートなんでしょ。
いいなぁ~私も・・・」
そうだ!私も、出かけよう。弟子の成長を見守るのは
師匠の役目。
「圭太。水族館に行こう。」
「何で?勉強は?」
露骨に嫌そうな顔をする圭太
「私、この前の学力テスト成績良かったから
ご褒美に。ねっ いいでしょう?」
圭太に反対されようと行くって決めたから。
「俺達が、家庭教師してるんだから成績がよくて
当たり前だろ。なんだよご褒美って」
家庭教師なんていなくても、十分いい成績なのよ!
と言いたいところだけれど我慢我慢。
「じゃぁ いい成績を取らせてもらった
お礼ってことで、いいわよね。」
早速車の手配。尾田さんは、OK
「10分したら、出発よ。」
諦めた様子の圭太。勝った。
シーパラなんて久しぶり。先生達驚くかしら?
「結衣様ご機嫌ですね~」
「尾田さんさすがね~!水族館なんて久しぶりだから」
圭太は、楽しそうじゃない。強引過ぎたかも。
1時間程で、目的地に着いた。
「瀬戸先生。結衣様をよろしくお願いします。」
圭太は、尾田さんに軽く会釈した。