恋愛中級19
ピンポーン
ドタドタ・バタバタ
誰?と聞かなくても、誰が訪ねて来たかすぐ分かった。
勢いよく開くドアと同時に入って来た男。
「師匠! 奇跡が起きたんだ。」
でしょうね。
良い知らせだと言うことは、先生の顔を見れば、一目瞭然。
「先生おめでとう。 よかったね。」
まぁ私のアドバイスで、成功しない訳ないよね!?
本当に嬉しそうだね。こっちまで嬉しくなる。
「圭太先生なら、帰ったよ。」
それどころじゃないか。圭太のことは、頭にない様だ。
さて本題は、いつ話そう・・・今は、まだそのときじゃないよね。
こんなに幸せの絶頂なときに言えない。
私も、そこまで鬼じゃないし。
「師匠のおかげだよ。何かお礼しないとな。」
お礼だなんて~さすが私の弟子。でも、今は要求できない
どうしよう。
「はい これ観てきなよ。」
手渡されたのは、映画の鑑賞券。
「好きな子と行って来ればいいよ。あっ師匠は、彼氏いないんだっけ」
ほ~早速そうきたか。
これだから、脳内お花畑の浮かれ男子は困る。自分に彼女が、できたからって!
「彼氏いないんじゃなくて、受験生は恋愛しないの彼女と行けば
いいでしょ。もっといいもの要求するんだから。覚悟しておいてよね!」
今日だけは、無礼も許してやろう。
「あっもちろん俺達も行くよ。彼女が、用意してくれてるから。
師匠のとこ大学付属だろ?恋愛ぐらいしても大丈夫
恋って、いいよ~。」
恋愛ぐらいとな・・・私だって、映画に誘える男子ぐらいいるわい。
ふつふつと湧き上がる怒りを抑え鑑賞券は、頂くことにした。
この後延々と今日の出来事を聞かされるという嫌な予感は、的中する。
私が、恋愛に嫌悪感を覚えたなら先生のせいだ。
恋って、恐ろしい。