恋愛中級18
タイムリミットは、5分だと思い込んでいたけど
駅から5分は、実は15分・・・
夢を見ているんじゃないかと隣を歩く彼女を見つめてしまう。
夢じゃないのは、手のぬくもりと彼女の笑顔で確認済みなのに
楽しい時間は、すぐに過ぎてしまう。
彼女の家は、確かこの辺り
「瀬戸くん? 家ここなんだけど・・・もう少し一緒に
歩きませんか?」
ハイ!喜んで!
頷くことしかできない、ダメな俺。しばらく無言で歩く。
「この辺り夕日が、すごく綺麗なの 瀬戸君にも見てほしくて」
夕日って、こんなに綺麗だったっけ?町中の空き地から見る夕日
隣には、大好きな君がいて。こんなに幸せな気持ちになるなんて
「城崎さん。こんなに綺麗な夕日見たことないよ。」
城崎さんは、嬉しそうに俺を見上げた。
こんなに告白に適した場所は、他にない。
言うなら今だ!今しかない。
大きく深呼吸。
「城崎美緒さんこんなオタクな俺ですが、君の為に・・・
君に相応しい男になるから、俺と付き合って下さい。」
言った。ちゃんと伝えたよな?返事がない・・・
しばらく続く沈黙。
「瀬戸くんは、このままでいいんだよ。変わらないで!」
震えてるのは、俺?城崎さん?
「私。瀬戸くんのことずっと好きだったの」
師匠。奇跡が起きたよ。