恋愛中級15
「城崎さん!城崎さん・・・?」
青白かった彼女の頬が、みるみる赤くなっていった。
「瀬戸くんありがとう・・・もう大丈夫だから・・・」
恥ずかしそうに俯く城崎さん。何故?
でも、大事に至らなくてよかった。今日具合悪かったのかもしれないな
無理させて、しまったのかも・・・俺が、浮かれてないでちゃんと気づいて
いればよかったのに。
「城崎さんごめん!具合悪かったんじゃ?無理させてほんとごめん!」
謝ることしかできない。情けないな俺。
「違うの!違うの!瀬戸くんのせいじゃなくて・・・」
『ギュルル~』
いいタイミングで、瀬戸さんのお腹の音が聞こえてきた。
ますます顔を赤らめる彼女
「もう嫌~!!瀬戸くん何か食べたいです」
お腹空いてたんだ。そういえば、ポップコーンも食べて無かったよな
ポテトにするべきだったのか?選択ミスったぁ。
映画館近くのファストフード店に入った。
城崎さんは、余程お腹が空いていたみたいだ。パクパクモグモグ
美味しそうにハンバーガ―&ポテトを食べ進めた。
「何だか、緊張しちゃって昨日からあんまり食べてなくて・・・」
昨日から?今日の映画そんなに楽しみにしてたんだ。
「さっきの瀬戸くんカッコよかったね。王子様みたいで、緊張しちゃった。
お腹の音聞かれたからかな?何か楽になっちゃって」
王子様みたい?俺が??城崎さんにカッコいいなんて言われるなんて
思ってもみなかった。不謹慎だけど・・・城崎さんにそんな風に思って
貰えるなんて、なんて役得なんだ。
「ごめんね!ほんと最悪。瀬戸くん映画楽しみにしてたんでしょ?
あぁ~もう私ったら、最低だったよね。私といて恥ずかしかったよね」
そんなに落ち込むことじゃないと思うけど・・・城崎さんにとって今日は
最低最悪の1日になってしまったのか・・・
「本当にごめんなさい!!」
「城崎さんが、悪いわけじゃないよ。気にし過ぎだから」
「でも、私がちゃんと食事してたら・・・こんな最悪な状態には、
ならなかったんだよ。瀬戸くんにも迷惑掛けちゃったし」
迷惑だなんて、少しも思ってない。城崎さんとの距離が近づいたみたいで
嬉しいんだけどな。
今日の感想会は、またにして早めに城崎さんを家に送ろう。きっとまた
無理するに決まっているから