恋愛中級13
「これで、分かったでしょ?私は、先生の味方で、奴が手に入れたい物は
この問題集VOL1~3ってことよ」
大まかにでは、あるけれどこれまでの経緯は話した。
これで、圭太の私への疑いは晴れたよね?
でも、先生は何故ハニートラップなんかに掛けられたのだろう?
「ねぇ・・・もしかして・・・」
「俺も、引っかかってることがある」
奴は、裏で他にも何かやってるに違いない!優秀な生徒を大学側は
欲しいはず。より良い大学進学は、高校にとっても宣伝効果は計り知れない。
裏取引が、行われていたとしたら?
奴は、先生を思いのままに動かしてきたって言うの?
「お前にまだ話してないことが、ある。ゆうにいは、柏木が自分が
作った問題集を勝手に出版していることを知ってる。」
えええっ!何それ?知ってて利用されてるってこと?
「あの罠から、救ってくれたのが柏木だったんだよ。でも、その罠を仕掛けた
のが柏木本人だと知ってしまったとしたら?」
「それよ!それ!先生は、柏木のしたことに気付いたんだわ。
だから、問題集を作らなくなったのよ!」
先生は、うちのママに相談したんだわ。だから、先手を打って柏木に
騙されたフリをしているってことね。
次に狙われているのは、パパの会社ってとこかしら?
パパのことだから、売り込みにきた柏木を私で試したんだわ
と言う事は、パパもママも珍しく手を組んだってことね。
「ゆうにいに彼女を作らそうとしてるのは、ハニートラップを
掛けさせない様にする為なのか?」
圭太君。まだまだ甘いわね~!
「そんなことしたら、奴と同類になっちゃうじゃない!先生に本当の
恋愛をして貰う為よ。そうして、防具を脱ぎ捨ててもらうの」
私達の目的は、先生を救うこと。柏木を罠に掛けるには、あの
メガネとリュックは、邪魔なのよ。
そう言えば、そろそろ映画終わった頃じゃないかしら?




