恋愛中級11
命をかけるほどのことでは、無い気がするけど・・・
真剣さは、伝わって来た。
きっとこの依頼が、成功したら見習から昇格するのは見え見えだけど
江口にしか出来ない仕事を上手く導き出した関所長は、なかなかの
やり手の様だ。
「でも・・・私にしかできないことって、どんな事なの?」
奴に復讐したいから、協力は惜しまないつもりだけど・・・
リスクが高い様なら、考えちゃう。だってまだ中学生なんだもの。
「ほな。結衣ちゃん協力してくれるんやな~!」
江口は、瞳を輝かせ私の右手を両手で、包んだ。
私の手を握るだなんて!!100万年早くってよ!
なぁ~んて、叫ぶのは我慢して無言の微笑みを送りながら
素早く手を払いの除けた。
「結衣ちゃん・・・?何か俺すごく傷ついたんやけど・・・
その軽蔑の眼差し止めてくれる?」
水掛けられなかっただけでも、感謝して欲しいものだわ。
「やって貰いたいことは、3つ。1つ目は、柏木の罠に掛かったフリを
すること。2つ目は、瀬戸志人から問題集を受け取ること。
3つ目は、瀬戸に彼女を作らせること。」
へ~そんな事かぁ・・・2つ目までは、納得できるけど・・・
3つ目の彼女を作らせるとか、大まか過ぎて意味分からない。
そもそも、彼女を作ることが瀬戸さんを救うことになるの?
「江口さん・・・もう少し。いえ。かなり詳しく説明してもらわないと
協力出来ないかもよ。」
「そんなん分かってるがなぁ~詳しくは、追々。ちゃんと指示を出すから
心配せんでも、ええからな。俺に任せといてよ!」
すごい自信だけど、本当に大丈夫?
「まず手始めに、結衣ちゃんは、成績落としてな。もちろん下がった
ふりをするだけやけど。柏木は、結衣ちゃんの成績を下げようと
してるはずや。柏木は、必ず自分から家庭教師を辞める。
そこで、奴の代わりに家庭教師をするのがこの瀬戸くんやがな」
私の成績を下げるですって~結婚詐欺だけならまだ許せたかもしれないのに
いいわよ。いいわ。上等よ。その罠に掛かってあげようじゃないの!
「江口さんこの私が、中山家の全総力を注いで瀬戸さんを奴の魔の手
から、救うことにしたわ。もちろん貴方も全面協力してちょうだい!」
「・・・・もちろんです。」