恋愛中級7
2月14日
練習チョコを持って、奴の家へ向かう。
生まれて初めて、男の人にチョコを渡す。
告白するわけでもないのに・・・何故か緊張する。
奴の家は、確かこの辺り。家から2駅離れた住宅地。立地条件は、
なかなかね。大学生が、住むには高級過ぎる気もするけど。
この角を曲げれば、偶然出会ったりとかしちゃう?
お約束的出会いとかあるかも。
瞳を閉じて深呼吸。高級マンションの入り口が、見えるまさかあのマンション?
そう・・・お約束の様に私の視界には、奴の姿。隣には、大人っぽい
女の人が、奴と腕を組んでいる!
どういう事?お姉さん?いくら、恋愛経験が、無い私でも分かる。
男女の関係だわ!!これは、乗り込むべき!?恋を飛ばして修羅場から
だなんて・・・なんてハードな恋愛ごっこ
マンションのエントランス前で、立ち止まる。
さて、これから何をするべきか?
考えても、しかたない。まずは、この扉を開けてもらわなくちゃね。
奴の部屋の番号は、貰った名刺に書いてある。
さぁ覚悟しなさい!インターホンを押そうとしたそのとき
「ちょっと待ったぁ~お嬢ちゃん」
突然右手を掴まれた。誰?
右手に焼きそばパンを持った、サングラスにトレンチコートの
いかにも、怪しい男だ。
「いや~間に合って、よかったぁ。今どきのJCって、ファイターなんやな」
ファイターって、私が殴り込みにでも行くと思ってるの?
修羅場にりそうな予感は、するけど。
「今乗り込んでも、上手くあしらわれるだけやで・・・まぁ落ち着きや
あそこの店で、ゆっくり話ししよか?」
私は、落ち着いてるわ!いくら、CAFEでも見ず知らずの貴方と
行くと思ってるの?
「貴方何者?」
「別に怪しい者じゃないで。柏木大和のことが、知りたかったら
ついておいで」
怪しくない人は、自分で怪しい者じゃないなんて言わないと思うけど。
奴。柏木大和のことを何か、知っていることは間違いなさそうね。