表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/71

恋愛中級5

  奴と出会ったのは、中2の秋だった。

 突然パパが、必要もないのに家庭教師を連れて来たのだ。


 大学3年生。私から見れば、十分大人だ。小学校・中学校と異性との

 交流なんて、無いに等しかった日常。戸惑わない方がおかしい!!


 毎週土曜日に奴は、やって来た。

 物静かで、穏やかな男だった。ぎこちない会話も、徐々に自然な

 会話になろうとしていたとき奴から提案があった。


 「結衣ちゃん君が、20歳になったら僕と結婚してくれないか?」


 はっ?良い人だとは、思うけど・・・突然結婚だなんて、正直

 ドン引きしかない。

 どんだけロリコンなのよ!


 「先生・・・」


 お断りします!とはっきり言うつもりだったのに

 奴が、私の右手を取り跪いた。


 「大人になるまで、待っています。ゆっくり考えて」


  そう言って、手の甲に優しく口づけをした。


  何このシチュエーション!王子様???

 

  「驚かせてごめん。まだ言うつもりじゃなかったんだけど・・・

   大学の方が、忙しくなるからしばらく来れなくなりそうなんだ。」


  だからって、普通プロポーズする?中学生だよ。中学生。


  「私・・・そういうのまだ、よく分からないから・・・」


  「うん。そうだね。でも、僕と結衣ちゃんはきっと・・・

   いや。今は、やめておくよ。また今度」


  きっと何?きっと結ばれる運命とか、言いだすんじゃ・・・

 誰か、誰か助けて~洗脳されちゃう。


  でも、その提案以外変なことを言ってくることはなかった。

 後は、何事もなかった様にいつも通り過ごした。


 それが、返って気になってしかたなかった。これも奴の作戦なのか?

どうして、突然プロポーズ?まだまだ先の話なのに・・・

 奴と私の間に何かあった?共通の話題さえないのに・・・

 奴の目的は、何?

 もしかしたら、パパが政略結婚させようとしているとか?


 考えだしたら、きりがない。

 しばらく会うこともないのだから・・・

 奴は、月に1・2回家庭教師として勉強を見てくれた。


 月日は、流れ奴の提案もなかったことの様になっていった。

 けれど、思いもよらず奴の目的を知ってしまった。


  私のことを利用しようとしていたなんて!!

  


  

  


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ