恋愛初級21
「先生? 先生ってばぁ!ちょっと先生!」
あまりの出来事に思考回路が、停止していた。
俺は、もうこの小悪魔の下部なのだ。
「ねぇ・・・もしかして、さっき言ったこと本気にしてる?
保存してないから、安心していいよ」
保存してない?冗談にしては、キツイよ。
「じゃぁ・・・なんで、こんな高い物俺にくれるんだよ。」
何もないわけないじゃないか・・・
何かある。絶対何かあるはずだ。
「デートには、お金が必要でしょ?そのフィギアは、ママが
間違えて予約したやつなの。お礼なら、ママに言ってあ・・・」
「まりさ~ん!!!」
結衣の部屋から、勢いよく飛び出るゆきと。
「ちょっとぉ~まだ私の話し途中なのよ!」
それに普通子供の前で、ママの名前叫ぶ?男って、ほんとバカ。
結衣は、ゆきとの黒歴史写真を保存して、ニヤリと笑った。
「まりさん本当ありがとうございます。」
「ゆきとくんに喜んでもらえて、私も嬉しいわ
ゆきとくんが、来てくれて結衣もなんだか楽しそうなの」
そりゃぁ楽しいよね~!?俺をおもちゃにしているんだから。
こんなに素敵な母親から、あんな小悪魔が誕生するなんて・・・
まぁ。良い子なんだけど・・・
「ゆきとくん今日うちのパパ遅いから、ご飯食べて帰ってよ。
いいでしょ?打ち合わせもしたいし」
まりさんのごはん美味しいからなぁ~でも、今日は・・・
「まりさんすみません。打ち合わせは、また明日にでも
会社の方に伺います。今日は、予定があるので」
「残念。また明日ね。」
予定などなかったけれど・・・打ち合わせは、結衣の前では出来ない。
俺は、再び結衣の部屋に戻り買って来た少女漫画を渡した。
「はい。じゃぁ先生これ読んで来てね。」
買ったばかりの漫画が、俺の元に。何で?
「これが、彼女の好みのイケメンキャラなわけよ。
読んでおくべきよ」
成程。この漫画で、また会話もできるしいいかもしれない。
「映画は、いつ行くの?早く決めた方がいいよ。日が空くと
熱も冷めるから。」
結衣は、まるで上司の様に的確な指示を俺に下した。
「映画行ったら、また報告してよね。楽しみにしてるわ」
「わかった。いろいろありがとう。連絡するよ。来週までに
問題集終わらせといて」
「は~い」
フィギアを袋に入れてもらい、結衣の家を出た。
家に帰ったら、城崎さんにメールしよう!送信するまでに、かなりの時間が
かかりそうだ。
何て、書こう・・・下書きが、必要だ。
めんどくさいメールも、こんなに楽しいなんて・・・
頭の中は、フィギアより城崎さんのことで一杯だった。