表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
my dream  作者: きなこ
7/21

第六章





「・・・おい? 」

横からかかった低い声に、はっとして上を向いたルナは、不思議そうな顔でこっちを見ていたティムと目が合った。いつの間にか立ち止まっていたらしい。

「大丈夫か?」

もう一度かけられた声に、小さくうなずいて、「はい・・・」と、答えた。自分の出した声の小ささに驚いたルナは、

(“蚊の鳴くような声”って、こういうのをいうのかな・・・?)

と思った。「そう。」といって、また歩き出したティムの歩調に合わせて歩きながら、静かに言った。

「あまり、変わらないであげてくださいね。」

「・・・ん?なんか言った?」

「いいえ!何でもありません!」

ニコッとなつっこい笑顔を見せて、ちょっと頬を紅く染めたルナは、広場の先を見て言った。

「あれ・・・?誰でしょう?」

目線の先にはあの女がいた。

どこか気品の漂う雰囲気で、静かに“そこにいる”それでもなんだか目を引かれる。ルナとティムはその女に近づいていった。だんだん女の顔がはっきりしてきて、ティムは足を止めた。

「アレイ!?アレイじゃないか!?」

いつもなら考えられないティムの大声にびっくりしたルナは、さっきまできつく自分の肩を締め付けていた手からの望まぬ開放とともに、そこにいるのは自分が変えてしまったティムではないことがわかった。

「キールさま!!!」

アレイと呼ばれた女は呼んだ。『キール』と。ティムに向かって。

「キール・・・・?」

何が起こったのかわからずに、ルナはただ立ち尽くすことしかできなかった。

「アレイ!!どうしたんだ?・・・それに、どうやって・・・」

よく見れば、彼女の服は、ところどころ汚れていた。

「そんなことより、だっ、旦那さまが!!」

その瞬間、ティム―――キールは凍りついたように動かなくなってしまった。

「旦那さまが・・・『また』・・・今度は、今日中に。と・・・」


・・・・・・・・・


長い沈黙の時が流れた。

「ティム・・・?」

その小さな声に、キールはびくっとして振り向いた。

「誰・・・なんですか?その方。それに、『キール』って・・・?」

キールは何も言えなかった。

(・・・誰?キールって。そこにいるのは、ティムでしょう?)

ルナはただ戸惑っていた。



























ルナが悪者みたいだね(殴

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ