第十四章
「はぁ〜あ・・・」
広場の端っこで、ノアはため息をついていた。
「なんで言えなかったんだろ・・・」
ガンッッ
色々なことを考えてボーっとしていたノアの頭上に、拳が落ちた。
「いってぇ!誰だよ!?」
「誰だよ!?ではない!!何をボーっとしている!!この腑抜けが!」
ノアが文句を言いながら振り返ると、そこには拳を握り締めたままのノーガがいた。
「うっさいなぁ!俺だってかんがえることぐらいあるっつの!!!」
「ほう?お前のようなばか者にもかんがえることなどあったのか・・・」
挑発的な口調に、ノアも食って掛かる。
「うっせえっつってんだろ!!ばか者はよけいだっつの!」
「それではただの能天気か。」
「〜〜〜〜〜っだから!!!!!!」
「まぁまぁ・・・2人とも落ち着いて。」
ノアが言い返そうとした時に、横から止めが入った。
「ティっ・・・ティム!?!?」
先ほどの事もあり、ノアは激しく動揺した。
ちゃっかりルナは、私は関係ないとばかりに飲み物をとりに行ってしまったようだ。
((あ。ルナ居ないと思ったらあんなところでお茶買ってるし。))
『ノーガじぃ!!!こっちどうやるのぉ〜〜!?!?』
短い沈黙の後、最初に聞こえたのは数人の子供の声だった。
「おぉ、おぉ!今行くぞぉ〜」
ノーガは人が変わったように明るい声で答え、広場の真ん中まで歩いていった。
「あんのくそ爺〜〜〜っっ」
「まぁ落ち着けって。あれでもとりあえず長なんだから。」
「ティムはいいよな。」
「へ?」
いきなり言われて、ティムは間抜けな声を出した。
「爺に気に入られてるから嫌味言われることもないし〜」
(俺と結婚しちゃえば気に入られるかもな〜…って!!何考えてんだ俺はっっ)
「………////」
ティムは考えて、すぐに頭を横に振った。
「な、なにやってんだ?///」
ティムの顔は少し赤く、その顔でさっきの事を思い出したノアまで赤くなった。
二人とも顔を赤くしたまま、気まずい沈黙が流れた。
「「・・・あのさ・・・」」
二人の声が重なり、目を見合わせる。
「「先言って。」」
また重なる。今度はなんとなくそらしてしまう。
「「…………………さっきは悪ぃ!!」」
見事に最後まで重なっていた声に、二人は同時に噴出す。
「ふっはははははっ」
「あははははっ」
笑い声まで、かぶっているようだった。
「まったく、仲良いなぁ…」
遠くでその様子を見物していたルナは、自分でもわからないくらい静かに一筋の涙を流していた。
あ。別にルナの涙はティムへの気持ちとかそんなんじゃないからww