第158話 平和への道
ゴブリンがいる。オークがいる。リザードマンもいる。少数ながら、トロルやミノタウルスの姿も見られる。
人型ではない者たちもいた。グリフォン、バジリスク、ヘルハウンド。
この森は彼らにとって、良い隠れ家となっているようであった。
鬱蒼と生い茂りながら、幽気のような霧を漂わせる森。そのあちこちに、人間ではない様々な生き物たちが、いささか肩身狭そうに身を潜めている。
そして、亡き帝王の血を受け継ぐ者を見つめながら息を呑んでいる。
「お……おお……」
「竜の、御子……」
「我らの、新たなる帝王様……」
勝手に決めるな、とガイエル・ケスナーは思わず言ってしまいそうになったが言わず、別のことを言った。
「よくもまあ……ここまで、掻き集めたものだ」
「集めてはおりませぬ。この者たちは、自ら馳せ参じたのでございますよ」
傍らで、老いたゴブリンが応えた。
「竜の御子よ、貴方様を主としてお迎えするために」
「迷惑なのだがなあ」
正直な事を、ガイエルは言ってしまった。
怪物たちの視線が、全身に押し寄せて来る。
強固な筋肉を包む、真紅の鱗と甲殻に。マントのような、皮膜の翼に。赤い大蛇の如き尻尾に。刃のヒレを広げた、凶悪なる四肢に。人ならざる者たちの、崇拝と憧憬の眼差しが注がれる。
実に、落ち着かなかった。これが敵意・殺意の視線であれば楽なのだが、とガイエルは思う。
そう言えば、あのヴァスケリア北部の民も、この怪物たちのような眼差しで、赤き魔人ガイエル・ケスナーを熱っぽく見つめていたものだ。
貴方は唯一神の化身だ、などと言い出す者まで現れたので、ガイエルは逃げた。
結果、地ならしが足りず、唯一神教ローエン派にくだらぬ台頭をさせる事となってしまった。
「皆……人間の方々との、良き共存を願っております」
老ゴブリンが言った。
「その理想を……偉大なる帝王とレフィーネ・リアンフェネット様との間に生を受けられた、貴方様に」
「デーモンロード様がお亡くなりになって、もはや怖いもの無しと言わんばかりに……おバカが大量に湧いて出るものですわねえ」
この森の主が、呆れ果てている。
ひらひらと黒いドレスに細身を包んだ、美しい少女。
この場にいる何者よりも、人間に近い外見ではある。
人外の度合いは、しかしオークやトロルといった生き物たちよりも遥かに上だ、とガイエルは思っている。
「魔物と人間が仲良くするなんて……元々人間だったローラに言わせればね、人間を滅ぼすよりも難しい事でしてよ?」
「まずは我らをここに匿って下された事、深謝いたします。バンパイアロード様」
老ゴブリンが、少女に向かって恭しく片膝をつき、こうべを垂れる。
バンパイアロード……ブラックローラ・プリズナ。
デーモンロードとの戦いに敗れ、1度は肉体の原型を失った怪物が、美しい少女の外見をようやく取り戻したところである。
ここは、彼女の支配する領域。
ヴァスケリア王国サン・ローデル地方西部森林地帯……黒薔薇夫人の森、と呼ばれる場所である。
森の支配者に向かって、老ゴブリンがなおも言った。
「竜の御子が現在、人間たちと良好な関係を保っておられますゆえ……」
「魔族と人間の共存共栄は、だから決して不可能ではないとでも?」
ブラックローラが、呆れている。
「いつの時代も……平和主義者の頭の中には、お花畑が咲き乱れておりますのね」
「そう言うな。俺は、こやつらと約束をしたのだ。魔族と人間との共存、そのために力を尽くすとな」
バルムガルドで消息を絶ったティアンナ・エルベットの捜索に、このゴブリンたちは力を貸してくれた。その際の、口約束である。
再会したティアンナとは、しかし結局は決別する事となった。彼女とは、いずれ何らかの形で決着をつけなければならない。
それは、しかし魔族と人間の共存云々とは、別のところにあるものだ。
何かが、よちよちと足元に近寄って来る。
ガイエルは見下ろした。小さな生き物たちと、目が合った。
ヘルハウンドの仔犬と、ワイヴァーンの幼獣。
小さな尻尾を振り、クゥンと鼻面を鳴らしながら可愛らしく炎を吐く仔犬を、ガイエルは片手で抱き上げた。
「貴様たちまで、俺を……魔族の帝王、などと持ち上げるのか? ふん、鬱陶しい奴らだ」
小さな炎が、ガイエルの耳元をくすぐる。
一方ワイヴァーンの幼獣は、未発達の翼をぱたぱたと忙しく動かして一生懸命、宙に浮き上がっている。
魔獣の仔犬を右腕で抱き上げたまま、ガイエルは軽く左腕を掲げた。
「どうした、ここまで飛んで見せろ」
声をかける。
ワイヴァーンの幼獣が発奮し、なおも激しく羽ばたいて重力に逆らい続けた。
まるで空気中で溺れているかのような様を晒しながらパタパタと、忙しなく少しずつ高度を上げて行く小さな魔獣を、ガイエルは少しだけ身を屈めて左腕に止まらせてやった。
ヘルハウンドやワイヴァーン、だけではない。
直立した仔豚のような生き物たちが、おずおずと群がって来る。
オークの子供たちであった。
皆、赤き魔人の禍々しい姿を、熱っぽく見上げている。そして口々に言う。
「……ていおう……さま……」
「おらたち……にんげんと、ともだち……なりたい……」
「そんな事はな、俺に言われても困るのだぞ」
怪物の幼獣2匹を抱いたまま、ガイエルは片膝を折った。オークの子供たちと、目の高さを近付けた。
「お前たちが人間に一切、危害を加えない……まず、それが出来なければ話にならん。人間から奪わず、人間の肉を喰らわずに、お前たちが命を繋いでゆけるかどうかだ」
自分はどの口で言っているのだ、とガイエルは思った。
今この場にいる、どの怪物よりも、自分は人間を殺している。
そして、ブレン・バイアスを喰らった。美味かった。
考えれば考えるほど……否、考えるまでもない事であった。
魔族の帝王として人間との和平に臨むなど、自分の任ではない。
「ここにいる者たちは、ローラ以外は皆そうですわよ。人間からは何も奪わず、野の獣などを食べて慎ましく暮らしておりますわ」
ブラックローラが、嘲笑うように言った。
「魔族としては、落ちこぼれ……ですわね。そんな者どもが、こうして竜の御子様に拝謁を願うなど身の程知らずもいいところ。ねえ御子様、皆殺しにしては駄目ですかしら?」
「まあ、今はやめておけ。皆殺しにしたくなったら、俺がする」
ガイエルは答え、立ち上がった。
ブラックローラが、老ゴブリンをちらりと睨む。
「その子たちは大丈夫ですの? 大きくなったら、人間の若い娘を襲ったりするのではなくて?」
「この子供たちを御覧になれば、おわかりでしょう。オークも、トロルもゴブリンも大半の者は、普通に同種族の雌雄で子を生しておりますよ」
老ゴブリンが答えた。
「他種族の女性に狼藉を働くのは、ごく一部の特殊な趣味の者どものみ。そういった輩が、あまりにも活発に過ぎるがゆえ……種族全体が、そのように見られてしまうのです」
「風評被害を被っている、というわけですのね」
ブラックローラが、美しく禍々しく微笑んだ。
「ローラは駄目。同じ吸血鬼の男なんて、子を生すどころか生命力を吸ってあげる気にもなりませんわ。やはり人間の殿方でないと……ああんリムレオン・エルベット様! ひとしずくの、芳醇な生命をお持ちの方」
「リムレオン・エルベットか……」
岩窟魔宮における、あの戦いを、ガイエルは思い返した。
「ブレン・バイアスを殺して喰らった俺を……あやつ、さぞかし憎んでいるであろうな。その憎しみで、いくらかは強くなってくれれば楽しいのだが」
「うふふ。あの方は今、心が折れていらっしゃいますわ」
ブラックローラが、嬉しそうにしている。
「ローラね、こっそり様子を見に行きましたのよ。竜の御子様を憎んで強くなるなんて、あれではとても無理ですわねえ。うっふふふふ、綺麗な殿方が心折れていらっしゃる様……とっても、そそるものがありますわ」
「ブレン・バイアスに死なれて……仇を憎む以前に、心が折れたか」
大切な誰かに死なれて、おかしくなってしまった男なら、ガイエルも1人は知っている。
「あれよりは、ましなのかも知れんが……心が折れては、いかんなあ。活を入れてやらねばなるまい」
エルベット家は、失脚はしたものの滅びたわけではない。
クラバー・ルマン大司教殺害の首謀者として扱われていた当主カルゴ・エルベット侯爵は、1度は投獄されたものの今はヴァスケリア国王ディン・ザナード4世の側近として、発言力を行使している。
エルベット家の所領であるメルクト及びサン・ローデルには、それぞれ1名ずつ領主代理の執政官が派遣された。共にエルベット家の類縁者で、彼らに事細かく指示を与えているのが、カルゴの妻であるヴァレリア・エルベット侯爵夫人だ。
メルクト地方もサン・ローデル地方も、今は彼女1人によって統治されていると言っても過言ではない。
領民の暮らしは、安定している。
ヴァレリア侯爵夫人の子息であるリムレオン・エルベットが、この地を治めていた時と同様にだ。
「リムレオン様……」
小さな墓石の前で跪き、両手を握り合わせながら、エミリィ・レアは呟いてしまった。
両親の墓前でありながら、両親とは全く無関係な、1人の少年の名を。
「ごめんなさい、お父さんお母さん……あなたたちの娘は、本当に駄目な女です……」
エミリィは溜め息をついた。
リムレオン・エルベットは、ブレン・バイアス及びセレナ・ジェンキムを伴ってバルムガルド王国へと向かい、消息を絶ったままである。国外逃亡、あるいは亡命に近い。
「こんな所で、溜め息ばっかりついている……くらいなら」
何故あの時、自分も一緒に行くと言い出せなかったのか。
その思いが、あれからずっとエミリィの胸の内で渦巻いている。
「リムレオン様……シェファさんと、仲直り出来ましたか……?」
この場にいない少年に、問いかけてみる。
足音が聞こえた。
エミリィは腰を浮かせ、逃げの体勢に入った。
相手が姿を見せる前に、立ち去るべきか。
ゲドン家が支配していた頃と比べて、ここサン・ローデルの治安は格段に向上している。前領主リムレオン・エルベットの手腕によるものだ。
それでも油断はするべきではない。
ここへ来る度に、何かが起こる。そんな事が、ずいぶんと続いたものだ。
足音の主は、すでに姿を見せていた。
旅用のマントと、粗末な下級司祭の法衣に身を包んだ、若い男。唯一神教関係者である。
懐かしい顔が、エミリィに向かって優しく微笑んだ。
「久しぶりだね……ここへ来れば、君に会えるかなとは思っていたよ」
「……アレン・ネッド?」
かつて両親の弔いを執り行ってくれた4人の聖職者。
レイニー・ウェイルは、ここサン・ローデルで地方教会の司教となった。
マディック・ラザンは魔法の鎧の装着者となり、シェファと共にバルムガルドへと赴いた。リムレオンやブレン兵長とは合流出来たようである。
残る2名、クオル・デーヴィとアレン・ネッドは、かの聖女アマリア・カストゥールの下で働いている、はずであった。
「アレン、無事だったのね! 北は今、大変な事になっていると聞いたけれど」
エミリィは、駆け寄って行った。
「貴方は、その……あんまり強くないのに無茶をするから、しなくてもいい怪我をしているんじゃないかって……心配してたのよ?」
かつてダルーハ軍の残党に捕われそうになったエミリィを、アレン・ネッドは身体を張って助けようとしてくれた。ダルーハ軍残党の荒くれ男たちに、袋叩きにされた。
そこで助けに入ってくれたのが、ガイエル・ケスナーである。
「もう、あんな無茶はしないよ。私もずいぶんと世渡りが上手くなったからね」
アレンが笑う。
「危ないところは避けながら……上手く、逃げ出して来たんだ。アマリア・カストゥールには、やはりもう、ついて行けない。だから、左遷も同然にバルムガルドへ飛ばされたのを機会にね」
「バルムガルドへ?」
「ひどいものさ。魔物たちの暴虐で疲弊しきったバルムガルド王国を、あの聖女殿は……困窮につけ込んで、火事場泥棒的に併呑しようとしていた。私は、その手先にされてしまったんだ」
アレンが、ちらりと視線を動かす。
そこでエミリィは気付いた。もう1人、旅人がいる事に。
「だから私は逃げ出した。その道中、ある人たちに出会ってね……彼を、預けられたんだ。メルクトまで無事に送り届けて欲しいと」
エミリィとそれほど年齢の違わぬ少年である。マントに細身を包んだ、その姿は、幽霊にも見えてしまう。
それほどに存在感の希薄な、頼りなく弱々しい少年であった。
「一人旅などさせたら、途中で自殺してしまいかねないからね。彼は……大切な人を失ったばかり、であるらしい」
「…………リムレオン様……?」
こんな所にいるはずのない少年の名を、エミリィは口にしていた。
俯いていた少年が、顔を上げた。
「…………やあ……」
女装でもさせたらエミリィより美しくなってしまいかねない顔が、儚げに微笑む。
間違いない。
サン・ローデル地方前領主リムレオン・エルベットが、まるで消滅寸前の幻影のように佇んでいた。
「リムレオン様、どうして……えっ? 一体、何が……」
一体、何があったのか。リムレオン本人の口から聞き出す事は、出来そうにない。
誰かに、何かを語る。今のリムレオンには、それさえも困難であろう。見ただけで、エミリィにもわかる。
アレンに、訊いてみるしかなかった。
「どうしてリムレオン様が……アレンと、一緒に?」
「偶然さ。バルムガルドで偶然、彼らと出会ったんだ」
アレンが答えた。
「まさか、そんなはずはないと思ったけどね……行方をくらませていた元女王陛下が、同じく失踪中のサン・ローデル侯と、バルムガルド国内で行動を共にしているなんて。しかも大領主ラウデン・ゼビル侯爵まで一緒だった。他に2人、女の子がいたけど」
シェファ・ランティとセレナ・ジェンキム、であろうか。
「旅を続ける気力を失ってしまった、こちらの若君を、その全員で持て余しているところだった。自分など放っておいて先に行け、などと言って……あの方々を、困らせておられたよね? リムレオン・エルベット殿」
「貴方も……僕など、放っておいてくれれば良かった……」
リムレオンが、辛うじて聞き取れる声を発した。
「自分に、どれほど価値がないのか……僕は、思い知らされたばかりなんだ……」
「リムレオン様……」
大切な人を失った。アレンは、そんな事を言っていた。
リムレオンは、誰を失ったのか。誰に、死なれてしまったのか。
あの時、リムレオンと共にバルムガルドへと向かった、1人の男。
彼が今、ここにいない。リムレオンの傍にいない。それは何を意味するのか。
エミリィは意を決し、問いを発した。
「あの、リムレオン様……ブレン兵長は今、どちらに?」
「…………」
リムレオンは答えない。
その沈黙が、しかし全ての答えだった。
「リムレオン殿……私は、事情を何も存じ上げてはいない。私はただエル・ザナード1世陛下より、貴方を無事にメルクト地方へと送り届けるよう仰せつかっただけだからね」
アレンが、にわかには信じられない人名を口にした。
「そんな私からも1つだけ、言える事がある。貴方の心は、まだ折れてはいない。何故なら貴方は、メルクトへ帰る事を拒んだ。生まれ育った故郷を、逃げ込み引き籠る場所にはしたくないからでしょう?」
「僕はただ……どこへも行けず、貴方に連れ回されているだけだよ。アレン司祭……」
リムレオンが言った。たおやかな顔立ちにふさわしく、弱々しい口調で。
「僕はもう、どこへも行けない……何も、出来ないんだ……」
「どこかへ行こうと、何かをしようと、貴方はもがいておられる。私には、そう見えるよ」
無理だ、とエミリィは思った。
アレンが聖職者らしく何やら説教をしようとしているようだが、彼が何を言ったところで、もはやリムレオンが立ち直る事はないだろう。
ブレン・バイアスが、本当に死んだのであれば。
「リムレオン殿、貴方は何かをしたいと願っておられる。その心がある限り……貴方には、出来る事が必ずあると私は思う。それを探しもしないうちから、自分には価値がないなどと言うべきではない」
「僕に……出来る事なんて、何もない。行く場所なんて、どこにも……」
「ならば我々が導いてあげよう、サン・ローデル侯リムレオン・エルベット殿」
声がした。
エミリィにとっては、アレンと同じく懐かしい声、ではある。
旅装をした聖職者が1人、木陰から姿を現したところだった。
「共に来たまえ。そして聖女アマリアに尽くすのだ」
「クオル……クオル・デーヴィ……」
呼びかけるエミリィに、クオルが険しい視線を向ける。
「気安くしないでもらおう。私は今や君とは違う、本物の聖女に仕える身だ」
聖職者とは思えない、険しい視線と口調。
思わず後退りをするエミリィを庇うように、アレンが進み出た。
「クオル、君は……アマリア・カストゥールに、完全に取り込まれてしまったんだな」
「気安くするな、と言っているんだ。君のような下層聖職者や、あの破戒者マディック・ラザンと一時期でも親しかったせいで……私がどれだけ苦労をしたか、わかっているのか」
「クオル……」
エミリィは絶句した。
視線、口調と同様に険しく禍々しく光るものが、クオルの右手の中指に巻き付いているからだ。
蛇の、指輪であった。
それを誇示するかのように、クオルが拳を握り、突き出した。
「これは私が聖女より賜った、聖なる力の証……さあリムレオン・エルベット、君も聖女の力となれ。我らと、共にだ」
同じく司祭の法衣をまとった男が、クオルに続いて3人、ゆらりと姿を現した。
その瞬間。リムレオンの弱々しい眼差しが、口調が、緊張を帯びた。
「……貴方たちは……」
「ふん……わかるようだな」
新たに現れた司祭の1人が、笑った。
その笑顔がメキッ……と痙攣する。
人間の表情筋では決して起こり得ない痙攣。
自分も、この男たちを知っている。エミリィは、そう思った。
彼ら個々人に関しては無論、知らない。だが彼らが、いかなる生き物に成り果てているのかはわかる。
同じ種の生き物たちを、自分は何体も目の当たりにしている。
「そうとも、我らは……」
「ふふ、魔獣人間……ではないぞ?」
司祭の法衣が3人分、破けて飛び散った。
鈍色の金属外皮が、禍々しく輝きながら盛り上がって来る。
「我らは……強化魔獣人間……」
司祭3名は、法衣もろとも、人間の皮を脱ぎ捨てていた。
「さあ、我らと共に来いリムレオン・エルベット……貴様の持つ、魔法の鎧の力が必要なのだ」
「滅びをもたらす、赤き魔人……ガイエル・ケスナーを、討ち滅ぼすためにな」