あとがき
はじめまして&こんにちわ。この小説を書いた、雪宮鉄馬です。このたびは、拙作「流星速度14400km/h」をお読みいただき、皆様のお目を汚してしまったことを深くお詫びするとともに、本当にありがとうございました。最後まで書き上げられたのも、最後までお読みくださった皆様が居てくれたおかげと存じております。
もしも、先にこの「あとがき」をお読みになられているとしたら、まことに勝手ながら、是非とも本編も読んでいただけますよう、お願い申し上げます。
皆さんは、星って好きですか? わたしは大好きです。と言っても、それほど知識があるわけではないため、夜空を見上げても見つけられる星座はせいぜい、数えるくらい。それでも、キラキラしている星を見上げると、何だか神秘的な気分になれるので、わたしは星が大好きです。
宇宙への憧れと言うのは、小さい頃からありました。死ぬまでに一度でいいから、いってみたい場所は宇宙です。でも、わたしは運動音痴であわてんぼう、さらに数字を使った学問が大嫌いなので、宇宙飛行士にはなれません。せめて出来ることは、宇宙への思いをはせながら、小説を書くことくらいです(それさえも、才能がないので、駄作しか生み出せませんが)
そんな今回の小説は、わたしにとって「星空シリーズ(勝手にシリーズ化!?)」とでも呼ぶべき位置づけにあります。もちろん、第一作目は「宇宙のピコピコ」、第二作目は「シリウスの子」。
そして、第三作目となる今回はもう一歩踏み込み、「星空」「恋愛」「世界の終わり=終末」という三本の柱をコンセプトとして書かせていただきました。
前作で、もう一度「恋愛小説」に挑戦すると言ったとおり、今回も基本は恋愛小説なのですが、やっぱり難しかったというのが、書き終わった後の感想です。
前作「千年の約束を君に」に比べると、圧倒的に恋愛にページも描写も割きました。ですが、読んでくださった皆様が「これは恋愛小説だ」と言ってくださるかどうかは、自信がありません。その原因は、一重に「世界の終わり」という要素です。
ただの恋愛小説なら、駄文しか書けないようなわたしが書くよりも、素晴らしい作品がたくさんあります。きっとそれらを読んだ方が、楽しいと思います。なので、やはり、ここは自分なりのエッセンスを持ち込みたい。そこで、流星→終末という割とオーソドックスな「世界の終わり」を物語の中に、投入してみました。
しかし、まさかこれが自分の首を絞めることになろうとは……。
世界の終わりと一口に言っても、本当にそんな状況になった場合の世の中なんて、想像もつきません。それでも、なんとかして苦慮して「創造」した結果が「世界の終わりに対して何にも出来ない世の中」でした。そして、世界はどんどん混沌としていくワケですが、ここで第二の問題がっ! 恋愛をどう絡めたらいいのか分からないっ!
この部分に関しては、まず前半は恋愛のディテールを書き連ね、その端々に「世界の終わり」に繋がる種をばら撒く。後半は「世界の終わり」について書きながら、「恋愛」を挟み込むというようにして、ラストでその両方の結末を書くようにしました。
文章全体としては、前半は理沙の冗談なんかを交えながら、明るめに調整し、後半は理沙の心理を中心にシリアス方面に持っていくようにしました。本来高校生が使いそうにない語彙も、その場の雰囲気に合わせて使っていきました。
なかなか自分の中で、理沙やそのほかのキャラクターのイメージがつかめず、ずいぶん苦労しました。その分、今までのキャラクターより、愛着があったりします。手のかかる子ほど可愛いってやつです。
そんなキャラクターには、今回も、最近恒例となっている名前の法則があります。メインキャラクターは、北上理沙、河瀬数馬、英有里香、英紘之、武藤社、国木田亮、の六人です。気づきました? 全員の名前に「英国数理社」という高校生の主要五教科の名前が入っています。
あ、いつもながら、深い意味はありません。キャラクターの管理のために、そうしているだけです。
ちなみに、上記の六人以外のサブキャラクターの苗字にも、ある共通点があります。気づいた方は、こっそり教えてください。何も賞品は出ませんけどね(笑)
わたしの精進がまだまだ足りないため、今作は読みづらいところもたくさんあったと思います。また、構成自体を細部まで煮詰めていなかったため、苦心した部分もたくさんあります。当初、六万字程度の「中篇小説」とするつもりが、十万字越え(原稿用紙換算にして355枚分!)の長編となってしまいました。それでも、最後まで読んでいただいた方、お気に入りに登録してくださった方、感想を書いていただいた方、皆さまに、大変感謝しています。皆さまが居なかったら、たぶんラストまで書けなかったと思います。
いつまでもご意見・ご感想は受け付けています。何か思うところがあれば、是非気軽に感想欄に書き込んでやってください。よろしくお願いします。
ちなみに、次回作はいくつか候補案を考えては居ます。何を書くかは決まっていませんが、いつかまた、皆様とお会いできる日を楽しみに、今回はこのくらいで。
最後にもう一度、本当にありがとうございました。でわでわ、またいつか。
雪宮鉄馬 2010/5/1