第62話 非関税障壁
「春二郎議員は、消費税を廃止すればあの国と有利な交渉ができるとお考えですか。」
「あの国は日本には消費税を廃止する気概なんて、絶対無いと思ってますよ。
エネルギー、武器、コメ等の輸入拡大と更なる投資拡大を少しずつ組み合わせて日本は交渉してくると思っているでしょう。
しかしそれでは日本は何も変わりません。
永遠に大国の狭間で、ゆらゆらさ迷い続け、いずれはどこかの完全な属国になるでしょう。
今日本が消費税の廃止を打ち出し、メイドインジャパン、日本農業の再興、内需拡大、国民を豊かに日本を強くする方向に舵を切ったら驚くとともに本音は困るでしょうね。他の戦勝国も同じです。
もともと日本は、輸出依存度が極めて低い世界有数の内需大国なんです。
消費税は、ここ30年以上日本が強い内需を背景に、強靭な体力をつけるのを抑止してきました。
おっ、最近日本調子乗ってるな。ここらでもうちょっと消費税上げさせて頭冷やしておくかって感じです。
だから、日本に消費税をもっと上げたい政治家や官僚がいることが、私には全く理解出来ません。
そして今あの大統領は、消費税は非関税障壁だ、不公平だと強く非難してるんです。
今なら胸を張って言えますよ。
非関税障壁、それは大変失礼しました。
すぐに消費税を廃止するので関税を下げてくれと。
交渉事ですから結果はわかりませんが、これが十分なカードであることは確かです。
消費税廃止は、あの大統領が実質的に撤廃を要求している今がチャンスなんです。
この機会を逃したら、消費税は廃止どころか更に上がり続け、永遠に日本人を苦しめ国が強くなるのを抑制し続けるでしょう。
この国を変える最後のチャンスかも知れません。
私は、国民の声が大きな力となり、消費税という固く厚い壁を打ち破ることができると信じています。」




