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独立防衛隊 「SMELLS」 加齢臭でエイリアンから日本を守る男達と変態?美人隊長の戦い  作者: 宮本海人


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第38話 ハッピーメリークリスマス2

「春にいちゃんに素敵なお友達が出来たぁぁ。クリスマスの奇跡だわゎゎ。」

夏子がびぇんびぇん泣いている。


子供たちも帰って片付けも終わり、親方も合流してちゃんこ鍋を囲んでクリスマスパーティーが始まっていた。


夏子は泣き上戸なのだ。

「春にいちゃん、勉強出来ないのに頭いいふりして、バカなのに偉そうにして。どんどん変な方向に向かってるから心配してたの。最近春にいちゃんには相談する友達もいなそうだし。」

「夏ちゃん。もう心配はいらんぞ。バカは友を呼ぶと言うしな。アレな者同士不思議と分かり合えるらしい。わしには良く分からんがの。」

「それに、春二郎はただのバカではないかもしれないぞ。最近、ひょっとしてこ奴、実は大うつけなのかも知れぬと、思ったり思わなかったり。」

「えっ。春二郎には、あの武将のように大胆不敵な戦略や革新的な戦術、人の心を掌握するリーダーシップが隠されていると。」

「わからんが、1%位はあるやも知れぬな。常人には簡単には見破れぬところに、むしろあの武将に通じる底知れぬ可能性を感じるぞ。なあ、春二郎。」


「確かに、俺ずっと可能性の男と言われてきました。底知れぬ可能性の男、春二郎。なんかあの武将みたいでかっこいいかも。」


「底知れぬ可能性の男、春二郎。あの武将を思わせる無限のポテンシャルを感じますね。」


「もう、春にいちゃんを、あの武将、とかあんまりおだてないでくださいよ。すぐ調子乗るから。」


春二郎は、みんなが話しているあの武将とは誰なのかさっぱり見当がつかなかった。

本当は、あの武将って誰?と聞いてみたかったが、ここは知ったかぶりを決め込むことにしたのだった。



原田は幸子に、パラサイトと部隊に関わること以外すべて包み隠さず話していた。

原田はまだあちこち麻痺が残っていて、歩くことは出来ず車椅子に座っている。


「本当にあなたが消えなくて良かった。

たすけさんありがとう。私の大切な人を助けてくれた人みんなありがとう。」

幸子は大粒の涙を流していた。


「幸子、こんな不思議な話を、たすけのことを信じてくれるのか。」

「信じるも信じないも当たり前じゃない。あなたが嘘つくと目を見たらすぐ分かるわ。何年一緒にいたと思ってるの。」

「死んでも一緒の場所には行けないな。」

「いいじゃない。ここ何年かほとんど一緒の時間なんて無かったじゃない。

死んだ後の事なんて考えても仕方ないでしょ。あなたの罪が消えないなら、これから良い行いをどれだけ積み上げられるか、二人でやってみましょうよ。」



「そうだ。今日はクリスマスイブ。ちょっといいかな。」

原田はイルミネーションのスイッチを入れた。

クリスマスイルミネーションの雲の上に、東京タワーがふんわり浮かんでいる。

東京タワーの上には、かわいい女神が舞っている。


「わっ、とってもきれい。

こんな素敵な景色をまた二人で見ることができるなんて。」

「かわいい女神様!あれってもしかして香水の神様かしら。

。。。華子さんありがとう。」

幸子は、やさしい香水の香りが少しだけする古びたリュックをぎゃっと抱きしめた。


「二人で東京タワーを見るなんてあれ以来かしら。」

「全然約束を守れてなくて、ごめん。」

「今度約束を破ったら、火の玉攻撃よ。」


「お酒はないけど、乾杯しようか。」

原田は震える手でグラスにスパークリングウォーターを注ごうとしたがうまくいかない。しかし、幸子がやさしく手を添えると、原田の指先の震えは何故かきれいに収まった。


「幸子さん。私の命をかけて幸せにします。ずっと一緒に歩いて頂けますか。」


「喜んで。きいちろうさん。」


二人はただ静かに乾杯した。


「そうだ、二人でリハビリして動けるようになったら行きたい所があるの。」

「いいね。さて、どこかな。」


「浅草よ。ありがとう雷神さま。」




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