表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

エッセイっぽいなにか

インストラクターに『腕前は2級くらいだね』と言われたスキーヤーの話

 どうも、たまにエッセイを書く人です。

 今回はスキーの話になります。


 私は北国生まれということもあって、小さいころからスキーを滑っていました。

 体育の授業でスキー科目があったりするので、雪国育ちの方にとってはスキーは身近なウィンタースポーツだったりします。


 で、このスキー授業は実際のスキー場(ゲレンデ)で行われることもあります。

 そうすると生徒の腕前を基準としてクラス分けがされるんです。


 大雑把に分けると、先生の指導無しで頂上まで行って好き勝手滑ってもいいAクラス。

 先生の指導ありで中間まで行けるリフトに乗って練習するBクラス。

 リフトには乗らず、先生と一緒にゲレンデの麓で基礎からみっちり練習するCクラスに分けられます。


 ちなみに私はAクラスだったので、若いころは好き勝手に滑っていたわけです。


 さて本題。 

 インストラクターという資格はスキー連盟の会員となり、スキー1級の資格を持っている方が試験を受けることで初めて取得できます。

 連盟はいくつかありますね。

 インストラクターという資格は正式名称スキー指導員、またはスキー準指導員といいます。


 で、大人となった私は結構前にスキーのインストラクターの方と知り合いました。そこでご縁が出来てスキーの指導をしてもらったわけです。

 そしてインストラクターの方は私の滑りを見てこう言いました。


「腕前は2級くらいだね」


 このスキー2級という資格を持った人の技術がどの程度かというと、板をハの字(ブルークボーゲン)にしてきちんと滑れるレベルです。

 最初は割とショックを受けました。常に冬だけは体育の成績が良かった自分でも、基礎から学ばなきゃいけないレベルなんだ。そう思ったわけです。


 ということでインストラクターさんの指導のもと、ブルークボーゲンの練習から始めました。

 で、これがきつい。めっちゃ足と上半身、視線を活用するように指導されました。


 スキーの板というものは足元の板を無理やり曲げるのではなく、視線と谷側の腕に追従する形で板が曲がったりします。

 厳密に言うと体を伸ばして重心を谷側に落として減速しながら曲がりはじめ、カーブの終わりでは膝を曲げながら後ろに重心を掛けて加速しながら次のターンの準備をしたりします。

 そうなんです。谷に落ちるように重心を掛けるとスキーって減速するんです。最初は怖かった。


 そしてシュテムターンというハの字から入ってニの字でターンを終える技術を学び終えたところで本番が始まります。


 そう、1級レベルの練習です。


 1級の種目は大回りと小回り、不整地、横滑りに分けられます。

 大回りというのはオリンピックとかでやっている大回転みたいなものです。

 小回りというのはパラレルという技術を使い、リズムよくターンを繰り返すものです。

 不整地は凸凹したコブゾーンを滑ります。

 横滑りというのは『ずらし』という技術が出来るかどうかを見る種目になります。


 で、私は横滑りの真似事をしたわけです。

 そうしたらインストラクターの方に笑われました。『そうじゃない笑』と。


 なぜずらしができないかというと、これは近年のスキーの板の性質が関係していたりするのです。

 現在主流のスキー板は『カービングスキー』という板で、エッジと呼ばれるスキー板の両サイドの部分が湾曲した形をしています。

 そしてそのエッジを立てて曲がり、斜面を降りていくわけです。


 そのカービングスキーの普及と共に、エッジを立てた滑り方が流行しました。弊害として、昔流行っていた『ずらし』を主体とした滑り方は廃れました。

 つまり、ずらしというのはエッジを立てずに板をスライドさせる技術です。


 これが出来ないものだから、とりあえず横滑りの件は保留となりました。

 で、いきなり不整地(凸凹)に行ったわけです。


 この不整地が曲者で、一度制動を失敗すると詰みます。おしりいたい。

 そしてインストラクターの方はその不整地の滑り方を教えてくれました。コブの間の凹に目掛けていくのではなく、凸と凹の間のちょっとしたところを滑るといいらしいです。


 ということでいざ実演。するとすんなりと凸凹コースを無事滑り終えました。教え方うめぇ……って思いました。


 それを終えた後、大回りの練習を始めたわけです。

 その基礎的な部分は2級でやったブルークボーゲンと一緒でした。ニの字で重心の操作をしながら減速から入って板を制動し、後半は加速してゲレンデに綺麗な2本線を残しながら加速するわけです。

 その練習は小回りの基礎となるらしいので、みっちりと教わりました。


 練習は続き、出来るだけ低速で大回転することもあれば、ゴーグル無しでは速すぎて涙が出るほどの速度で滑ることもありました。

 これらはインストラクターさんの教えのお陰で、板を制御できるようになったからできたわけです。


 しかし、ここで事件が起こる――。


 私はある日、腰をやらかしました。

 スキーが原因ではないので、インストラクターさんに申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

 ということでそのシーズンはスキーをお休みして、体調を良くすることを優先しました。


 で、今シーズン。

 冬になったら久しぶりにスキー場に行くつもりです。

 前のようにシーズン券を買ってびっちり滑るというわけにはいきませんが……。


 そんな感じのお話でした。

 ご清聴ありがとうございました。



 ※余談

 レーリング(レールターンかも?)という技術も教わりました。

 これが面白い。エッジを立ててくねくね曲がるんです。カービングとはまた違った技術になります。

 緩斜面でやると、回りすぎて180度回転して山側に登るくらい回ります。面白い。

 コツはエッジを立てることと、谷側の腕を前に出すことです。


 早く雪降らないかな?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ