木の実と囚われと
主人公が育ち少しだけその場の説明がございます
それでは、行ってらっしゃい
あれから一年
鼬の姉様に育てていただき確りとした
言語を話し読み書きも出来る様になりました
〔紅葉、熊に木の実を届けてくれる?〕
「はい、姉様。行って参ります」
〔行ってらっしゃい〕
鼬の姉様の言う通りに籠一杯の木の実を持って穴蔵に向かう道中様々な動物達とすれ違い回りを見渡せば木々が青々として爽やかなそよ風が吹いている
えっと
ここを曲がってまっすぐ丘をふたつ登った先
に熊さんの洞穴があるはずです
「熊さーん、お荷物でーす」
穴蔵に到着し熊さんに声をかけるも何なの返事もなく自身のこだまが帰ってくる
おや?お留守でしょうか
熊さんは、のんびりさんですのでまた、外で日向ぼっこをなさってるでしょうか?
〔んー?、紅葉どうしたの~〕
「あ、熊さん。木の実を配達に参りました」
〔そっかぁ、ありがとねぇ〕
寝ぐらの回りを調べてみようかと後ろを振り返ると丁度よく熊さんが此方に向かってきていた
相変わらずのんびりさんですね
さあ、そろそろ戻らねばです
「では、私は、もどりますね」
〔うん、わざわざ、ありがとぉ〕
さてとお家に………?、
あれは、人間?
さて用事も終わったし帰ろうかとトボトボと歩いていると少し遠くの方に人間が見え私は、様子を伺う
林に身を潜めている人間が数名
此方を見ている………
何故このような場所に?
それにあの方は、見覚えが………
『居たぞ。彼奴だ、捕まえろ』
『お前を軍の兵器とすることが決まった大人しく付いてこい』
随分と身勝手なこと言うこの方々をどうやって穏便に尚且つ安全に森から出せるか考えると同時によく森の動物達に襲われずここまで来れたものだと頭に浮かぶ
この方は、いったい何を………?
いえ、そんなことよりこの方々を速やかに森の外へ出さなければ命が危ないです
『反抗すればこの森を燃やす』
「……解りました」
お帰んなさいまし
登場人物
喋る動物達
壮絶の彼岸花とは、
・番が亡くなると鬼狩りが灰となり番と己が子の回りに寄り添うように彼岸花が咲く
そのため番の墓は、彼岸花で埋め尽くされる
・一度咲くと枯れることは、なく徐々に増えて行くまた、誰かに摘み取られると一定の時期に一等大切にされている番の墓に花を咲かせる
・壮絶の彼岸花は、鬼狩りのトレードカラーと同じ色が咲く
・壮絶の彼岸花は、とても美しく煎じ方さえ知っていればどんな病でも治す万能薬になるため闇取引と墓荒らしが後を絶えない
だが一つでも煎じ方を間違えれば猛毒となりそれを飲めばこの世の物とは、思えない程の苦しみを味わいながら絶命する
また何処かでぇ(*´∀`)