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唯一の願い  作者: 京極
10/14

鬼狩りの子もまた鬼狩りなり

 

 ~ 飯 綱 自 宅 前 ~


 二時間程森の中を歩きへとへとになっている大人組にもう少しです頑張って下さいと励まし続けてやっと我が家に到着した


 さぁ、久しぶりの我が家です


「ここです」


 《[[ 二階建て!? ]]》


 お、おお、皆さん元気ですね

 お疲れでない様で何よりです


「中へどうぞ」


 《[[ 地下まで有る!? ]]》


 元気が有り余っているご様子(・ω・;)


「お好きなところでおくつろぎください」


 《[[ 部屋ひろッ!? ]]》


「父さん達は、打ち合わせでもしてたのか?」


 [いや、そんな事してないよ]


「さっきから揃いすぎてて怖いぞ」


 先程から大人組が仲良く同じ様に疲れは、何処に行ったのですかと聞きたくなる程大きな声で驚いている


 仲が宜しい様で何よりですよ

 ささ、お客様方をおもてなしせねばです


「お食事のご用意を致します具材を取りに行きますので少しお時間を戴きます」


 [なら僕達にも手伝わせておくれ]


「いえ、お客様のお手を煩わせるわけには、参りません」


「俺も手伝いたいぞ!」


「危険ですので家の中に居て下さい」


 《[[ 危険って何だ ]]》


「そのままの意味ですよ」


 先程から皆様息を揃えて楽しそうですね


[ぐ、具体的に何が危ない……?]


「現在この森の動物方は、気が立って居られるようで他種族の来客を好んでない様です」


 まさか熊さんがあんなに大荒れしているとは思いも寄りませんでしたよ


 家に向かっている道中で熊さんが大暴れしながらうちの子から離れやがれと叫びこちらに向かって来たため私は、反射的に熊さんを投げ飛ばし何が起こったのか解らず眼を丸くしている間に事の顛末を話し落ち着いて洞穴にお帰り頂いた


 その事もあり可能であれば家にいて貰いたい


「ですので恐らく獣道で他種族の方を見掛けたら全力で狩りに掛かって来られるかと」


[例外は、無いのか?]


「ここまで歩いてきた舗装された道か私の私物をお持ちであれば基本的には、大丈夫です」


 少し前までは、皆さん穏やかだったのですけれど何があったのでしょう?


「ですがお野菜を取りに畑まで獣道を通るので背の高い方だと一瞬で首が飛びます」


[……すまん、伊織達と話がある]


「ごゆるりとどうぞ。私は、畑に行ってきます」


 さてさて裏口からの方が畑に近いですね


「それでも俺は、手伝いたい」


「……解りました。私の髪紐をお渡ししますので着けてください。それと絶対に私の側を離れては、いけません。宜しいですね?」


 絶対に手伝うんだと真っ直ぐな青い瞳が語っておりこれは、何を言っても聞いてくれそうもないなと此方が折れてしまった


 あの時の立端の大きい御二人もこんな気持ちだったのでしょうか……


「あぁ」


「では、参りましょう」


 ~ 二 時 間 後 ~


 何事もなく畑で作物を収穫しその帰りに落ち着いたであろう熊さんや他の動物達に声をかける自宅に向かう


 さて、熊さん達に帰宅の報告もお野菜の収穫も終わりましたしこのまま何事もなく帰れると良いのですが


『やっぱりここに戻って来てたなぁ、あの糞ボケ大隊長共もいねぇみたいだし餓鬼ももう一匹居るときた、こらなんたる僥倖だろうなぁ』


 はぁ…

 そう言うわけにも行かないようです


『おらっ、餓鬼共さっさとこい!』


「なんで付いてかなきゃいけないんだよ」


『あ?。んだとゴラぁ!』


 噎せ返るような妖気と地肉の臭いをこびりつかせている隊長に付いてこいと言われ蒼邪が何故だと食って掛かると大人げなく怒鳴り付ける


 はぁ、面倒なことになりました

 家の方は、大丈夫でしょうか?

 何事も起こってないと良いのですが


『お前を連れ戻すためだけに何で砦が壊滅まで追い込まれにゃならん!。だがお前らを殺せば俺は、万能薬で人間に戻れる筈だ!』


「おっさん、何の話してんだよ!」


 砦から逃げ出せばまた罪の無い兵士を巻き込んで森に乗り込み犠牲が出ると思いあの砦から出ようとは、しなかったが隊長自ら鍵を外したのでやっと飽きたとばかり思っていたのだがこの隊長は、少々執念深いようだ


『お前は、何れだけの兵を肉壁にしてここに来たと思ってるだよ!』


「肉壁って……」 


 あぁ、何故ここまで来れたのでしょうかと思っておりましたがそういう事でしたか

 もう人の利を踏み外しておられる様ですね


 随分な怨霊を背負い飲み込まれ

 妖と成られましたか


『兵を俺の回りに配置して死んだ奴は、他の奴に持たせてさらに壁にした。首が飛ぼうが四肢がもげようが盾には、なるからなッ!』


「……蒼邪さん、目と耳をふさぎ後ろを向いてしゃがんで居て下さい」


「なん……。いや、わかった」


 四の五の言わずにお願いしますと圧をかけ蒼邪をうしろに下がらせ何かあっても良いように頑丈な結界を蒼邪の回りに張る


 よし…、飛び散った物が掛かる心配は、なくなりましたね

 ですが念のため結界を張りましてっ

 これでもう心配ないですね


 さ て さ て 始 め ま し ょ う


「鬼狩りと言う種族をご存知ですか?」


『し、知る分けねぇだろぉが!!』


 目の前の人成らざる物は、知るわけがないと言いながら風を切るようにブンブンと薙刀で切りかかってくる


 おっと、いきなりですか

 相変わらず物騒な方です


「鬼狩りは、番が亡くなると灰となり消え、番の元で彼岸の花を咲かせる」


『何で彼岸花が目当でお前の両親を殺ったって知ってッんだよ!!」


 

 私は、父上方を殺めたのは、貴方とは、言っていないのですけれど

何故知らないとお思いなのでしょうか?


 そんなことよりも薙刀の使い方を学んで来られては、どうですかね


『さっさと死にやがれッ!!』


 先程から当てる気があるのかと聞きたくなる振り方をしており人成らざる物は、薙刀を降るたびに身をよろめかせに遊ばれている


 薙刀をブンブンと降るだけで当たるとでも?


 無益な殺生は、好みませんが人成らざる妖が相手となれば鬼狩りの仕事で御座います


「鬼狩りは、悪戯の過ぎる鬼や妖を刈る者」


『何で何で何で何で何で何で!』


「鬼狩りの子もまた鬼狩りなり」


『はぁ、ハァっ!?。お前何なんだよ!!』


「申し遅れました」


『クソケソクソクソ!!』


「飯綱 紅葉、鬼狩りで御座います」


『がッ、』

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