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魅惑の【ヴァンデッタ】

ようやく魔女カナンを追い詰め、戦闘不能にまで追い込むことに成功した

マルティーナ一行は安堵していた、所がそんな一行に更なる存在が・・

                その76





「い、痛い……痛いよぉ……! あちきが……この夜の離宮の警邏官長 、カナン様が……! どうして、ただの木偶でくども相手に、こんな酷い目に遭わなきゃならないんだい……!」

地面に打ち付けられ、傷つき動けなくなったカナンは、痛みと屈辱に呻き声を上げていた。その無様な姿に、冷たく、そして絶対的な威圧感を伴う声が、頭上から降り注いだ。

「それは、あんたが木偶以下の役立たずだったからよ、カナン。……まったく、この失態、テネブレス様にどう報告すればいいのかしらね。これ以上、私の顔に泥を塗るわけにはいかないわ。……カナン、もうあんたは用済みなのよ。……消えなさい」

その声は、まるでゴミを処分するかのように淡々としていた。

ヴェンデッタがそう宣告すると、カナンの体が、見えざる力によって空高く打ち上げられた。そして、次の瞬間、夜空に咲く花火のように、大きな音を立てて爆発四散する! 肉片が周囲に飛び散り、跡形もなく消滅してしまった。

突然の爆発音に、マルティーナ達は「今の音は!?」と空を見上げたが、広大な赤い荒野で、小さな老婆が空で爆発し、肉塊となって消え去ったなど、彼らに知る由もなかった。

カナンへの冷酷な制裁が終わると、あの特徴的な、狂気を孕んだ甲高い笑い声と共に、『それ』はマルティーナ達の前にゆっくりと姿を現す。

「キャハハハハハハハ♪」

カナンが召喚した棘付きの蔦は全て消え、ベラクレスの呪いもマルティーナの聖域によって和らぎつつあり、一行がほんの僅かな安堵を感じていた、まさにその時だった。

空間に、まるで蜃気楼のように、その存在がゆらりと現れる。細長い魔杖の上に、まるで寝椅子に横たわるかのように優雅な姿勢で宙に浮く、燃えるような赤い髪と、深紅のドレスを纏った絶世の美女――ヴァンデッタ。

その姿を視認した瞬間、マルティーナ達の体は、再び硬直した。魂を直接鷲掴みにされるような、抗いがたい感覚。そして同時に、あまりの美しさと、そこから放たれる神々しさにも似たオーラに、心が激しく揺さぶられる。

(なんと……美しく……神々しい……。まるで、女神が降臨なされたかのようだ……)

そんな畏敬の念と共に、胸が高鳴り、心臓がドクドクと高揚するのを感じる。

その姿を見た瞬間から、例外なく、周囲の者達は再び強烈な『魅了』のオーラに晒され始めていた。

マルティーナは、聖域を展開し、セティアへの信仰心によってかろうじて自我を保っていたが、それでも意識は混濁し始めている。ベラクレスは、咄嗟に大剣【パイログレード】を強く握りしめ、その武具が放つ力によって、かろうじて魅惑のオーラに耐えていたが、立っているのがやっとの状態だ。

最初に襲われた時と同様、聖域の中にいるにも関わらず、先ほど正気を取り戻したはずの兵士達が、再び「グルルル……」と獣のような唸り声を上げ、目が充血し、様子がおかしくなっていく。

「おい! しっかりしろ!」

ベラクレスは、自らも魅了に抗いながら、兵士達の方へ向かって怒声を張り上げ、その動きを制止しようとする。

オクターブも、再び意識が混濁しかけていたが、寸でのところで踏みとどまった。彼は、自らの唇を強く噛みしめ、流れ落ちる血の痛みによって、かろうじて魅惑の力に抵抗しているようだった。その形相は凄まじい。

だが、シャナは……違った。彼女の様子は明らかにおかしく、体はブルブルと小刻みに震え、やがて「ケラケラケラ……」と、乾いた笑い声を上げ始めたのだ。そして、ゆっくりと地上近くまで降下してきたヴァンデッタの方へ、まるで吸い寄せられるかのように、全力疾走で駆け出してしまった!

「待ちなさい、シャナ!」

マルティーナは、シャナの異常な行動を止めようと叫んだが、彼女自身もまた、ヴァンデッタの強大な魅了の力に抗うので精一杯だった。意識を乗っ取ろうとする甘美で危険な力に対し、聖なる光の意識が必死に抵抗している。だが、ヴァンデッタが放つ魅惑のオーラは、先ほどまでのそれとは比較にならないほど強力で、その浸食力は圧倒的だった。もはやシャナに構っている余裕などなく、今にも完全に意識を奪われそうになっているマルティーナは、再び両手を強く組み、女神セティアに祈りを捧げることで、かろうじて自我を保とうと必死に踏ん張っていた。

その間にも、おかしくなった王国兵士達が再び動き出そうとしていた。ベラクレスは、マルティーナを守るため、そしてこれ以上の混乱を防ぐため、やむなく兵士達のもとへ駆け寄り、手加減しつつも的確な打撃で一人一人を気絶させていった。そして、マルティーナの元へと戻る。傍らでは、オクターブが自らの太腿に剣を突き刺し、その激痛で魅了に耐えようとしていた。


「おいっ、オクターブ! 大丈夫なのか!」

ベラクレスが声をかける。見開かれたオクターブの目は真っ赤に充血し、もはや正気を保つのが限界であることは明らかだった。必死の形相で、彼はベラクレスに懇願する。

「……も、もう……限界です……持ちません……! べ、ベラクレス殿……! お、俺を……〆(し)め落として……ください……!」

これ以上、自我を失い、仲間や主君に刃を向けることだけは避けたい、という悲痛な叫びだった。

ベラクレスは、その覚悟を受け止め、黙って頷くと、オクターブの後ろへ素早く回り込み、その首に腕を回して頸動脈を圧迫する。

「……ぐふっ……」

オクターブは短い呻き声を上げ、意識を失って崩れ落ちた。ベラクレスは、気を失ったオクターブをそっとその場に横たえると、再びマルティーナの元へと戻った。

マルティーナは、必死に祈りを捧げ続けていたが、その表情は苦痛に歪んでいる。

(……まさか、マルティーナ様にまで、これほどの影響が……!)

ベラクレスは、この強烈な魅了の力に自分がかろうじて耐えられているのは、偏にこの【パイログレード】のおかげであることを改めて実感し、この剣の尋常ならざる力を再認識した。

必死に祈りを捧げ、魅了と戦っていたマルティーナは、ベラクレスが戻ってきたことに気づくと、一瞬だけ祈りを中断し、懇願するように頼み始めた。

「……シャナを……! シャナを、お願いします……!」

それだけ言うと、彼女は再び祈りに没頭した。ベラクレスは、その必死なマルティーナの言葉を受け止め、力強く頷き。

「……分かりました、マルティーナ様。必ず、シャナ殿を連れ戻します」

その声が聞こえたのかどうか。マルティーナの顔に、一瞬だけ、うっすらと安堵の微笑みが浮かんだように、ベラクレスには感じられた。

それに力づけられ、ベラクレスは全身に力を漲らせ、再び闘気を纏うと、シャナを連れ去った赤いドレスの女…ヴァンデッタへと向かって、一直線に突進を開始!



【場面転換:シャナの変貌】

一方、シャナは、マルティーナが展開した聖域の結界から飛び出すと、完全にヴァンデッタの魅了の支配下に落ちていた。宙に浮かぶ細い魔杖に寝そべり、手で頭を支え、蠱惑的(こわくてき)な笑みを浮かべる赤いドレスの美女…ヴァンデッタの元へと、まるで忠実な下僕のように歩み寄っていた。

「いらっしゃい、私の可愛い子猫ちゃん♡」

ヴァンデッタが甘い声で呼びかけると、シャナは何の抵抗も見せず、素直にその側へと近づいていく。

「キヒヒヒヒヒ♪ もっとよ、もっとこっちへ……」

ヴァンデッタが手招きすると、シャナは言われるがままに、ヴァンデッタの手が届く距離まで近づいた。

ヴァンデッタは、シャナの手を取り、その体を強く引き寄せ、抱きしめた。そして、まるで恋人同士のように、深く、長く、唇を重ね合わせる。ヴァンデッタの舌がシャナの口内に入り込み、二人の唾液が交じり合う。

しばらくの間、その妖しい抱擁は続いた。そして、十分な量のヴァンデッタの唾液…あるいは魔力が、シャナの体内に注ぎ込まれ終わると、シャナの体に、恐ろしい変化が起こり始める。


戦いの邪魔にならないよう短く切り揃えられていたシャナの金髪が、急速に色を変え、伸び始めたのだ! まるで生命を得たかのように、みるみるうちに長く伸び、ヴァンデッタと同じ、燃えるような真紅のロングヘアへと変貌していく。

さらに変化は止まらない。シャナの背中からは、皮膜を持つ蝙蝠のような漆黒の翼が突き破るように生え始め、額からは、悪魔を思わせる二本の捻じれた角が突き出した!

生え終わった翼をバサバサと動かし、力強く広げて見せるシャナの姿を見て、ヴァンデッタは満足そうに微笑んだ。

「あらあら、とっても素敵になったじゃないのぉ~♡ 素晴らしいわよ、シャナ♡ さあ、あそこにいる邪魔な虫けら共を、始末してらっしゃい。……分かっているわよねぇ?」

ヴァンデッタが、変貌したシャナに命じる。シャナは、もはや以前の面影のない、赤い瞳で、ベラクレス達の方を睨みつける。

そこへ、ベラクレスが猛然と駆けて来た。

シャナは、ベラクレスのことを認識はしたが、もはやかつての仲間という意識はない。ただ、主であるヴァンデッタの命令を阻む『敵』だと認識しているだけだ。彼女は、懐から小さく折り畳んであった愛用の槍を取り出すと、それを一振りして戦闘態勢に適した長さに伸ばし、構える。

「シャナ! おい、しっかりしろ! 何を操られているんだ!」

駆けてきたベラクレスは、シャナの変わり果てた姿に愕然としながらも、必死に呼びかける。

だが、その言葉は、もはやシャナには届かない。彼女の心は、最愛の主であるヴァンデッタの言葉しか受け付けなくなっていたのだ。

ボッ!

シャナの全身から、禍々しくも妖艶なオーラが噴き出した。それを見たベラクレスは、もはや対話は不可能であり、戦うしかないことを悟る。

「……くっ! やむを得ん……!」

ベラクレスは【パイログレード】を構え直し、戦闘態勢に入った。


そんな二人を、ヴェンデッタは実に楽しそうに、笑みを浮かべながら見物していたのだ。

「あ~~ら? それは……『ゴッズアイテム』じゃないの。へぇ~、人間ごときが、よくそんなものを扱えるわねぇ。……どおりで、私の『お誘い』に、簡単には乗ってこなかったわけだわ」

ヴァンデッタは、ベラクレスが持つ大剣の尋常ならざる力に気づいたようだ。そして、次にシャナが構えている槍に目を向け、つまらなそうに言った。

「あらあら、シャナちゃん。そんな『おもちゃ』じゃあ、あのゴッズアイテム持ちには、ちょっと歯が立たないんじゃないかしら?」

ヴァンデッタはそう言うと、何もない空間から、一本の禍々しい槍を出現させた。それは、まるで血で染められたかのような、暗い赤色の金属でできており、穂先からは絶えず血の雫のようなものが滴り落ちているように見える。

「シャ~ナ~ちゃん♡ これを使いなさ~い♡」

ヴァンデッタは、その槍をシャナに向けて軽く放り投げる。

シャナは、言われるがままに、その槍…【血月の槍】と呼ばれるであろう魔槍を、空中で掴み取った。そして、今まで使っていた自らの槍を無造作に地面に捨てると、新たに手にした魔槍を構え直しベラクレスと対峙した。


シャナと対峙するベラクレスは、その槍から放たれる異様な雰囲気を感じ取り、警戒を強める。

「……ふんっ。ただの槍ではないようだな……!」

ベラクレスは気を引き締め直し、【パイログレード】をしっかりと構え直した。

【血月の槍】を構えたシャナは、以前とは比較にならないほどの速度で、一気にベラクレスとの間合いを詰め、鋭い突きを繰り出してきた!

ベラクレスも即座に反応し、【パイログレード】でその突きを弾き返そうとする。

ガキンッ!

一突き目は、かろうじて弾いた。だが、ベラクレスの予想を遥かに超える速さで、第二の突きが、既に彼の懐へと迫っていた!

(速い……!)

反応しきれない! ベラクレスの左肩を、血月の槍が容赦なく貫く! そして、槍は次の攻撃に移るため、一瞬で引き抜かれる。

だが、その一瞬で、ベラクレスは槍に込められた邪悪な力によって、大量の生命エネルギーを吸い取られたことを感じ取った。

弾くための動作すら間に合わなかった一撃。激痛と共に、全身から力が抜けていくような感覚に襲われる。

「ぬぅぅっ……! なんて突きの速さだ……! 両手剣の間合いでは、捌ききれん……! それに、この感覚……! かなり力を吸い取られたぞ……!」

ベラクレスが体勢を立て直す間もなく、第三の突きが襲い来る!

「ぐぬぅぅ……!」

もはや避けることは不可能。ベラクレスは、相打ち覚悟で、最後の反撃を決意した。片手で【パイログレード】を振り上げ、迫り来る槍を受け止めると同時に、シャナの足を狙って斬りつける! 本当の敵ならば、迷わず胴体を両断するところだ。だが、相手はマルティーナから託されたシャナ。自分が倒れることになったとしても、彼女を殺すわけにはいかない。動きを封じるため、足を破壊するしかないと判断したのだ。

ベラクレスの胴体に、血月の槍が深く突き刺さる。同時に、ベラクレスが振り抜いたオーラブレードが、シャナの足を切断した。両者は、激しい衝撃と共に、同時に地面へと倒れ込んだ。

「ぬぉぉぉぉ……!」

赤い金属でできた血月の槍が胴体を貫いた瞬間、槍の持つ能力が発動した。槍は、まるで生きているかのように、ベラクレスの血液と、それ以上に大量の生命エネルギーを、凄まじい勢いで吸い上げていく!

ベラクレスは、物理的なダメージに加え、生命力の根源まで奪われ、もはや立ち上がることすらできないほどの深刻なダメージを受けてしまった。

一方、シャナの方は、驚くべきことに、ベラクレスから吸い取った大量の生命エネルギーを糧として、切断された足が瞬時に再生し始めていたのだ! 完全に再生を終えたシャナは、何事もなかったかのように立ち上がると、地面に倒れ伏すベラクレスに止めを刺すべく、ゆっくりと近づいてきた。

その姿を見たベラクレスは、もはやこれまでか、と死を覚悟する。

(……ここまで、か……。すまない……マルティーナ様……。シャナ殿を……連れ戻せなかった……)

それまで必死に祈りを捧げ、魅了と戦っていたマルティーナだったが、ベラクレスの絶体絶命の危機を、未知なる感覚で感じ取ると。彼女は、自らの限界を悟りながらも、最後の力を振り絞って祈りを中断して、叫ぶ!

「シャナ! いい加減になさいっ!」

そして、倒れたベラクレスに向けて、彼女が知る限り最高位の回復魔法〖クラーティオ・ポテンス〗(強力なる治癒)の祈りを捧げようとした。

だが――セティアへの祈りを中断し、他者への癒しの祈りに切り替えようとした、その瞬間。かろうじて保っていた精神の防御壁が崩れ、ヴァンデッタの魅惑の力が、一気にマルティーナの意識の奥深くまで浸食してきたのだ! もはや祈ることさえままならない。

「うぅぅ……あ、ああ……! ダメ……ダメよ……! いやぁぁぁぁっ! 入ってこないでぇぇぇーーっ!!」

朦朧とする意識の中、マルティーナは必死に抵抗する。だが、その抵抗も虚しく、ヴァンデッタの力に完全に飲み込まれようとした、まさにその時。

マルティーナの意識の、さらに奥深く……本人すら自覚していなかった場所に隠されていた、ラバァルへの強い想いが、最後の抵抗のように、小さな花火のように弾け、光を放った。そして、彼女は叫んだ。無意識のうちに。

「――ラバァル様ぁぁぁーーっ!!」

マルティーナが、セティアではなく、ラバァルの名を叫んだ、その瞬間。

奇妙なことが起こった。マルティーナの精神を浸食し、支配しようとしていたヴァンデッタの魅惑のオーラが、まるで熱湯に触れたかのように、あるいは絶対的な上位存在を感知したかのように、途端に萎縮し、逃げ出し始めたのだ!

マルティーナの深層意識に存在するラバァルへの想いは、彼と魂を共有する存在…死と破壊の神【アンラ・マンユ】の力と、僅かながら繋がっていた。三神と呼ばれた頃のアンラ・マンユは、かつて物質界を創造した四柱の大神の一柱であり、現在は破壊神ドラウグ、悪神アエーシュマ、そしてアンラ・マンユ自身の三体に分かれているとはいえ、その力は今なお絶大であり、大神に最も近い存在と言える。

たとえ無意識の叫びであったとしても、その根源に触れたことで、同系統ではあるが遥かに下位の存在であるヴァンデッタの魅惑の力は、触れてはならない禁忌に触れたかのように、本能的に逃避する事となっていた。

その異常事態を、ヴァンデッタ自身も鋭敏に感知していた。


(……なっ!? なぜ……なぜなの!? あの娘は、光の女神セティアの写し身のはず……! なのに、なぜ……あのような、禍々しくも強大な……死と破壊の気配が……!?)

最初にマルティーナを見つけた時の、獲物を見つけたかのような喜びと興奮は、今は困惑と、そして僅かな恐怖へと変わりつつあった。

セティアの写し身を見つけ、その魂を喰らえば、自らも神へと昇格できる――その甘美な誘惑に駆られ、主であるテネブレスへの報告もそこそこに、自らこの夜の離宮へと降りてきたのだ。テネブレスからは、「写し身を生け捕りにすれば、自らの片腕に昇格させてやる」という破格の褒美も約束されていた。神への昇格か、主の片腕か。どちらに転んでも、自分にとってこれ以上ない好機のはずだったのだ。

(だが……! あの小娘の内にあるものは、一体……!?)

そんな経緯もあり、ヴァンデッタは簡単には引き下がれなかった。いや、引き下がる気はなかった。

「……ぐぬぬぬぬ……! 死と破壊の神だかなんだか知らないけど……! 私は認めない! 私は、夜の神テネブレス様の先兵ヴァンガード、ヴァンデッタよ! こんな訳の分からないもので、みすみす獲物を逃したりはしない! 食う……! 食ってやるわ! どんな邪魔が入ろうと、先に喰らった方が勝ちなのよぉぉぉぉっ!!」

ヴァンデッタは、自らを奮い立たせるように叫び、再びマルティーナへと狙いを定めた。




最後まで読んでくれありがとう、引き続き続きを見掛けたら読んでみて下さい。

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