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非情

ラバァルたちは、ゴースト・ナンバーズと言う子供達を影から操っていた、アウルの工作員3名を捕獲、

オーメンアジトの地下に監禁する事に成った、目的はアウルに関しての情報奪取だったのだが..。 

  

         その121




オーメンのアジト、地下倉庫



ラバァルとヨーゼフは、意識を失ったアウルの暗殺者三人を、人目につかないよう慎重にオーメンのアジトへと運び込んだ。しかし、アジトに戻ってみると、新たな問題に直面した。このボロ倉庫を改修したアジトには、彼らを安全に拘束し、尋問できるような適切な場所がほとんどないのだ。ボス部屋として使われている執務室か、構成員たちが雑魚寝している部屋くらいしかなく、どちらも秘密を保つのには不向きだった。

「ウィッシュボーン、他にこいつらを隠しておけるような場所はないのか?」ラバァルは、アジトの責任者であるウィッシュボーンに尋ねた。

ウィッシュボーンは少し考え込み、申し訳なさそうに答える。「…ラバァルさん、実は、このアジトの地下に、昔使われていた小さな倉庫があるんですが…もう何年も誰も使っておらず、正直、ひどい状態でして…」

「構わん。案内しろ」ラバァルの命令は簡潔だった。

ウィッシュボーンに先導され、ラバァルとヨーゼフは、アジトの片隅にある、埃まみれで蜘蛛の巣が張った古い扉を開け、地下へと続く急な石段を降りていった。降りるにつれて、空気はどんどん湿っぽくなり、カビ臭さが鼻をつく。

辿り着いたのは、まさに「地下倉庫」と呼ぶにふさわしい、狭く、じめじめした空間だった。壁には緑色の苔が生え、床にはネズミの糞らしきものが散らばっている。空気は澱み、もわっとした湿気と、得体のしれない胞子のようなものが舞っているのが分かる。息をするだけで気分が悪くなりそうだ。

「…こいつは、ひでえな」ヨーゼフも思わず顔をしかめた。

「申し訳ありません…ここくらいしか、人目につかずに彼らを置いておける場所が…」ウィッシュボーンは恐縮する。


「…仕方ないだろう」ラバァルは、この劣悪な環境にも特に表情を変えなかった。「ヨーゼフ、こいつらをここに放り込んでおけ。手足はしっかり縛っておけよ」

「えっ…? こ、ここに、ですか?」ヨーゼフは躊躇した。いくら敵の暗殺者とはいえ、こんな場所に意識のない人間を放置するのは、さすがに気が引けたのだ。

「他に場所がないのだろう。文句があるなら、お前がもっとマシな場所を探してこい」ラバァルは冷ややかに言う。

ヨーゼフは反論できず、無造作に、しかし手際よく、三人の暗殺者たちの手足をさらにきつく縛り上げると、地下倉庫の汚れた床の上へと転がすように置いた。彼らはまだ意識を取り戻していない。


「よし。外からしっかり鍵をかけろ。見張りは…いや、今は必要ないか。この状態じゃ、しばらくは動けんだろう」ラバァルは、暗殺者たちを一瞥すると、踵を返した。「とりあえず、こいつらはここに置いておく。何か他の手段…尋問に適した場所が見つかるまではな」

ラバァルはそう言うと、さっさと石段を上がり始めた。


暗殺者たちを無造作に放置し、地下倉庫に鍵をかけた後、ヨーゼフはラバァルの後を追い、地上へと戻ってきた。そして、意を決したようにラバァルに尋ねる。

「ラバァルさん…本当に、あのままにしておくんですか? あんな場所に放っておいたら、傷が膿んで…下手をすれば死んでしまいますよ?」ヨーゼフの声には、非難というよりは、純粋な懸念と、ラバァルの非情さに対する戸惑いが滲んでいた。


ラバァルは、足を止め、ヨーゼフに振り返る。その目は冷たく、何の感情も映していない。

「死んだら死んだで、それまでのことだ。それに、今は奴らの治療に割けるリソースはない。優先すべきは、生きている奴から情報を引き出すことだ」

ラバァルは、あっさりとそう言い放つ。

「だがな、ヨーゼフ。奴らはアウルの暗殺者だ。ただ痛めつけたところで、簡単に口を割るとは思えん。ジンと同じように、薬を使うしかないだろう」


ラバァルは、懐を探るような仕草をしたが、思い出したように言う。

「…ジンに使った自白剤の残りは、ベルコンスタンに渡してしまったんだったな。ここからシュガーボムに戻るより、闇市の方が近いか…」

ラバァルは、隣にいたウィッシュボーンに向き直った。

「ウィッシュボーン」

「は、はい!」

ラバァルは、懐から小さな革の巾着袋を取り出し、ウィッシュボーンに投げ渡した。中には、十分な額の金貨が入っている。

「闇市へ行き、『ホークアイ』の爺さん…いや、もっと『専門』の店があったな、そこで、強力な『自白剤』を手に入れてこい。多少高くても構わん。効果が確実なものをだ。急げ」

「か、かしこまりました! すぐに!」ウィッシュボーンは、ラバァルの命令の意図を察し、緊張した面持ちで巾着袋を受け取ると、足早にアジトを飛び出していった。


「ヨーゼフ」ラバァルは、再びヨーゼフに向き直った。「お前は、ウィッシュボーンが戻るまで、ここに残って、あの地下の連中を見張っておけ。気を失っているからといって、油断するな。暗殺者という生き物は、しぶとい。どんな状況からでも、隙あらば反撃してくる可能性がある。せいぜい警戒しておくことだ」

「……承知した」ヨーゼフは、複雑な表情ながらも、ラバァルの命令に従った。彼のやり方には同意できない部分もある。だが、今はラバァルの指示に従うしかない。そして、子供たちを守るためには、アウルに関する情報を引き出すことが不可欠なのだと、彼も理解していた。


ラバァルは、その間に少し眠っておこうと、ウィッシュボーンの部屋へと行き少し仮眠したのだ。




オーメンのアジト、ボス部屋~地下倉庫


ヨーゼフに地下倉庫の見張りを命じ、ウィッシュボーンに自白剤の調達を指示した後、ラバァルはオーメンのアジト内にある、執務室へと向かった。そこはアジトの中では比較的マシな部屋で、古びてはいるが大きなソファが置かれている。昨夜から動き詰めだったこともあり、彼は少しばかり休息を取ることにしたのだ。ソファに身を横たえると、彼はすぐに浅い眠りに落ちた。しかし、その意識は常に覚醒しており、周囲の僅かな物音にも反応できる状態を保っていた。アサシンとしての習性は、眠っている時でさえ彼から離れない。

どれくらいの時間が経っただろうか。執務室の扉が静かにノックされ、ウィッシュボーンが息を潜めるように入ってきた。その手には、小さな包みが握られている。

「ラバァルさん…お休み中、申し訳ありません。例の『品』、手に入れてまいりました」

ウィッシュボーンの声に、ラバァルは瞬時に目を覚ました。眠気など微塵も感じさせない、鋭い視線がウィッシュボーンに向けられる。


「…そうか。ご苦労だったな。それで、物は確かか?」

「はい。闇市でも特に『裏』に通じている薬師から、高額でしたが、『効果は保証する』というものを。使い方には注意が必要とのことですが…」ウィッシュボーンは、包みをラバァルに差し出しながら、少し顔を青くしている。その薬がいかに危険なものか、彼にも分かっているのだろう。

ラバァルは包みを受け取り、中身を確認した。それは、粘性の高い、暗緑色の液体が入った小さなガラス瓶だった。見た目からも、その毒性の強さが窺える。

「…よし。これなら使えるだろう」ラバァルは頷くと、立ち上がった。「行くぞ、ウィッシュボーン。地下の連中に、『話』を聞かせてもらう」

「は、はい!」


ラバァルとウィッシュボーンは、再びあのカビ臭く湿った地下倉庫へと向かった。見張りをしていたヨーゼフが、険しい顔で二人を迎える。

「ラバァルさん。ウィッシュボーン」

「変わりはないか?」ラバァルが尋ねる。

「ああ。まだ意識は戻っていないようだ。だが…息が少し弱くなっている奴もいる」ヨーゼフは、床に転がる暗殺者たちを指さした。劣悪な環境と、戦闘で負った傷が、彼らの体力を確実に奪っているようだった。


「好都合だ。抵抗する元気もないだろうからな」ラバァルは冷ややかに言うと、ウィッシュボーンに薬瓶と水差しを渡した。「ウィッシュボーン、こいつらを一人ずつ起こせ。そして、薬を少量ずつ、水に混ぜて飲ませろ。量は加減しろよ。一気に飲ませると、情報を聞く前に死んでしまうかもしれんからな」

「か、かしこまりました…」ウィッシュボーンは、震える手で薬瓶を受け取った。

まず、リーダー格と思われた男から尋問が始まった。ウィッシュボーンが男の体を揺さぶり、頬を叩いて無理やり意識を取り戻させる。男はうめき声を上げ、朦朧とした目でラバァルたちを見た。

「…ぐ…き、さまら…」

「無駄口は叩くな」ラバァルは男の顔のすぐそばにしゃがみ込み、冷たい声で言った。「お前たちがどこから来たのか、誰の指示で動いているのか、アウルの規模、そして基地の正確な場所…知っていることを全て話せ」


男は、最後の力を振り絞るように、ラバァルを睨みつけ、口を固く閉ざした。

「…言わんか。ならば、仕方ない」ラバァルはウィッシュボーンに目配せした。

ウィッシュボーンは、意を決して、薬を数滴混ぜた水を、男の口に無理やり流し込んだ。男は激しくむせ込み、抵抗しようとしたが、もはや力は入らない。

薬の効果はてきめんだった。男の体は激しく痙攣し始め、目が見開かれ、焦点が合わなくなる。うわ言のように、意味のない言葉を呟き始める。ラバァルは、その混乱した意識の中に、的確な質問を投げかけていく。


「アウルの本隊から来たのか? 指示者は誰だ?」

「…あ…う…ム…様…ご、命令…」

「ムーメンか。やはりな。それで、アウルの規模は? 何人いる?」

「…わ、我ら…影…部隊…は…百…いや…」

「基地の場所は? 廃坑の奥の、どこだ?」


「…ひ、秘密の…道…しるべ…は…フクロウの…目…」


男は、薬と衰弱によって錯乱しながらも、断片的な情報を漏らし始めた。ラバァルは、それらの情報を注意深く聞き取り、頭の中で整理していく。

しかし、男の抵抗力はまだ残っていたのか、あるいは薬の効きすぎか、核心的な情報…基地への正確な侵入方法や、アウルの首領に関する情報などを引き出す前に、男の痙攣がひときわ激しくなり、やがて、ぐったりと動かなくなった。


「…ちっ、死んだか」ラバァルは舌打ちした。

「ラ、ラバァルさん…」ウィッシュボーンは顔面蒼白になっている。ヨーゼフも、眉間に深い皺を寄せ、黙ってその光景を見ていた。


「…次だ」ラバァルは、感情を見せずに、次の暗殺者(短剣使い)を指さした。「ウィッシュボーン、同じようにやれ。今度は薬の量をもう少し減らせ」

二人目の尋問が始まった。だが、この男は最初の男よりもさらに衰弱しており、薬を少量投与しただけで、わずかな情報を漏らした後に、すぐに絶命してしまった。得られたのは、「基地には強力な結界が張られている」という曖昧な情報だけだった。


「…くそっ、使えん奴らだ」ラバァルは苛立ちを隠せない。「あと一人か…ヨーゼフ、そいつはどうだ?」

ヨーゼフは、残った一人(ワイヤー使い)の容態を確認した。「…息はある。だが、かなり弱っているな。もつかどうか…」

「やるしかないだろう」ラバァルは、最後の望みを託し、三番目の男への尋問を命じた。ウィッシュボーンは、もはや恐怖で手が震えていたが、ラバァルの命令に逆らうことはできない。彼は、さらに薬の量を減らし、慎重に男に投与した。

幸い、この三番目の男は、前の二人よりもわずかに体力があったのか、あるいは薬の量が適切だったのか、意識を失うことなく、ラバァルの尋問に(錯乱しながらも)いくつかの重要な情報を答えた。


「…入り口…は…滝の…裏……合言葉…は……『夜の…翼』……」

「…幹部…は…『三羽烏』…と……呼ばれ…」

「…首領…は…誰も…顔を…知らぬ……『夜…王』……」


いくつかの断片的な情報――入り口のヒント、合言葉、幹部の呼称、そして首領の謎めいた異名――を引き出したところで、この男もついに限界を迎え、動かなくなった。


地下倉庫には、三つの亡骸と、吐瀉物や薬物の異臭、そして重苦しい沈黙だけが残された。ヨーゼフは壁に寄りかかり、目を閉じていた。ウィッシュボーンは、腰を抜かしたようにその場に座り込んでいる。

ラバァルは、しばし無言で三つの死体を見下ろしていたが、やがて冷徹に命じた。

「ウィッシュボーン。立て。こいつらの後始末をするぞ。秘密裏に、だ。ヨーゼフ、手伝え。火葬場…いや、このアジトの焼却炉を使え。骨の一片も残すな。この部屋も、奴らがここにいた痕跡を完全に消し去るんだ」

「……承知…しました」ウィッシュボーンは、かろうじて立ち上がり、頷いた。

後始末を二人に任せ、ラバァルは一人、地下倉庫を出て、地上へと戻った。手に入れた情報は、断片的ではあるが、極めて重要だ。アウル基地への侵入の糸口が見えた。だが、その代償として、ラバァルの暗殺者としての冷酷な一面をウィッシュボーン及びヨーゼフは直に感じる事と成った、この事が及ぼす影響の事は、あえて考えないでいた。

  

ボス部屋へと戻り、再び横になる、その部屋ではランプの明かりだけが、彼の冷たい横顔を照らし揺らめいていた。




ムーメン家 秘密アジト、地下執務室


モロー・ムーメンは、執務室の重厚な椅子の上で、苛立ちを隠さずに指でテーブルを叩いていた。ここ最近、忌々しい出来事が続きすぎている。ベスウォールの絹織物取引への妨害、インクルシオが運んでいた売上金の強奪、そして極めつけは、密造酒の一大拠点である砦跡の壊滅と、バルガスの右腕ジルコニクスの敗北。これらは偶然ではありえない。明らかに、何者かが計画的にムーメン家に損害を与えようとしている。

(いったいどこのどいつだ…? スタート・ベルグか? それとも、最近力をつけてきたデュオールか? いや、あるいは…)

モローの思考は、疑心暗鬼の迷路をさまよっていた。彼は、腹心の幹部たち――バルガス、ジン、カザン――に、全力で犯人を特定し、報復するよう厳命した。特に、”疾風”のジンの隠密能力と情報収集能力には大きな期待を寄せていた。奴ならば、必ずや敵の尻尾を掴んでくるはずだ、と。


しかし、そのジンからの連絡が、三日前から完全に途絶えている。

最初は、何らかの理由で潜入捜査が長引いているだけかと思っていた。だが、三日も何の音沙汰もないというのは、あのジンに限ってありえないことだ。まさか、奴ほどの男が…?

モローの胸に、これまで感じたことのない種類の焦りと、不吉な予感がこみ上げてきた。これは、単なる妨害工作ではない。ムーメン家そのものを脅かす、本格的な攻撃が始まっているのかもしれない。ジンの身に何かあったとすれば、事態はモローが考えていた以上に深刻だ。

「…おい!」モローは、近くに控えていた側近に怒鳴った。「ジンの直属の部下どもを、今すぐここに呼んでこい! 一体、ジンが最後に何を追っていたのか、根掘り葉掘り聞き出してやる!」

側近は、主のただならぬ剣幕に怯えながらも、慌てて部屋を飛び出していった。


モローは、一人残された執務室で、ギリ、と奥歯を噛みしめた。

(ジン…貴様ほどの男が、しくじるとは思わんが…もし、万が一のことがあったなら…!)

彼の目には、不安と、裏切りへの疑念、そして敵に対する激しい憎悪の炎が燃え盛っていた。

程なくして、ジンの配下である隠密部隊のメンバー三名が、緊張した面持ちで執務室へと入ってきた。彼らは皆、痩身で黒装束に身を包み、感情を表に出さない、ジンの部下らしい冷徹な雰囲気を漂わせている。

「モロー様、お呼びでしょうか」リーダー格と思われる男が、感情を抑えた声で言った。


「ああ」モローは、椅子に座ったまま、鋭い視線で三人を見据えた。「ジンはどうした? なぜ連絡がない? 最後に奴が何を追っていたのか、貴様らが知っていることを全て話せ!」


三人の隠密部隊員は、互いに顔を見合わせた後、リーダー格と思われる男が再び口を開いた。

「…ジン様からは、三日前、『最近、内部の様子がおかしいシュガーボムに潜入し、その背後関係を探る』との指示を受け、単独で向かわれました。その後、連絡が途絶えた次第です。我々も、独自にジン様の行方を追っておりますが、今のところ、何の痕跡も…」

「シュガーボムだと!?」モローは声を荒らげた。「なぜ、あの場所だ? あそこは、エマーヌが失脚してから、ベルコンスタンとかいう奴が仕切っているが、以前ほどの力はないはずだ!」


「…ジン様は、シュガーボム内部で、何らかの権力交代、あるいは外部からの介入があったのではないかと推測しておられました。特に、最近出入りしているという**『謎の客人』**の存在を気にされており…その男が、最近起こっている一連の不可解な事件…例えば、売上金強奪などに関与している可能性を探る、と仰っていました」


「『客人』だと…!?」モローは眉をひそめた。確かに、そんな噂は部下から耳にしていた。ベルコンスタンの後ろ盾のような存在がいる、と。だが、所詮は裏社会のゴロツキだろうと、モローはそれほど重要視していなかった。まさか、ジンが直接その男を探るとは。

「…それで? ジンは、その『客人』と接触できたのか? 何か報告はなかったのか?」

「いえ…潜入以降、一切の連絡はございません。シュガーボム周辺を我々も探りましたが、ジン様の気配は完全に消えておりました。まるで…初めから存在しなかったかのように…」

リーダー格の男の言葉に、モローは背筋に冷たいものが走るのを感じた。ジンほどの達人が、何の痕跡も残さずに消える? 考えられることは一つしかない。


(…やられた、というのか? あのジンが? シュガーボムの連中に? いや、ベルコンスタンやキーウィの残党に、そんな力があるはずがない…! だとしたら、やはり『客人』と呼ばれている者の仕業なのか…!? ジンを上回る手練れだというのか…!? 一体何者なんだ…!)

モローの頭の中は混乱していた。ジンの失踪は、ムーメン家にとって計り知れない損失だ。戦力的な意味合いだけでなく、彼が握っていた情報網や裏の繋がりも失われることになる。そして何より、自分たちが侮っていたシュガーボム、そしてその裏にいるかもしれない『客人』が、想像以上に危険な存在である可能性が浮上した。


「…くそっ…!」モローは、怒りと焦りで拳を強く握りしめた。「いいか、貴様ら! 全力でジンの行方を追え! 生きているなら探し出し、死んでいるなら…死んでいるなら、誰がやったのか、その証拠を掴んでこい! あのシュガーボム、そして**『客人』とやら**…徹底的に調べ上げろ! 必要なら、力ずくでも情報を引きずり出せ!」


「しかし、モロー様、シュガーボムに手を出すのは…」リーダー格の男が躊躇うように言った。

「うるさい!! やれと言ったらやるんだ!」モローは怒鳴りつけた。「ジンをやったかもしれない奴らを、このまま野放しにしておけるか! 我々ムーメン家を舐めるなと、思い知らせてやるんだ! 行け!!」


「「「はっ!!」」」

三人の隠密部隊員は、主の命令に、恐怖と決意を滲ませながら応じ、音もなく執務室を後にした。

一人残されたモローは、荒い息をつきながら、窓の外の暗いロットノットの空を睨みつけた。ジンの失踪。そして、その背後にちらつく『謎の客人』の影。それは、これまで順調に進んできた彼の野望に、初めて大きな影を落とす出来事だった。得体の知れない敵の存在。その敵が、自分たちの想像以上に強力で、狡猾である可能性。

(…誰だ…一体、誰が俺の邪魔をする…? 必ず見つけ出して、八つ裂きにしてやる…!)

モロー・ムーメンの心は、猜疑心と、復讐心、そして底知れぬ不安によって、ますます深く、暗い闇へと沈んでいくのだった。



ムーメン家、ジン失踪後の状況とアウルの動き


ムーメン家の秘密アジトでは、”疾風”のジンがシュガーボム潜入後に消息を絶ったことで、当主モロー・ムーメンの苛立ちと猜疑心は頂点に達していた。彼は、アウルとの繋がりを使い、ジンの直属の部下である隠密部隊――チャド、レイヴン、サイレントの三名――に、シュガーボムへの潜入と真相究明を厳命した。彼らにとっても、直接のボスの失踪は大きな衝撃であり、必ず詳細を掴むと言う強い決意を胸に、任務を開始した。



アウル暗殺者・チャドの視点


シュガーボムの床は、安酒と汗と、時折混じる血の匂いで湿っていた。俺、チャドは、モップを手に、客が残した汚物を黙々と拭き取りながら、周囲の気配を探る。掃除係。これほど内部に入り込み、かつ誰からも注意を払われない立場はない。ラウンジの喧騒、賭場の熱気、そして幹部たちが使うであろう奥の通路。全てが俺の観察対象だ。


レイヴンは、愛想笑いを浮かべながらバーカウンターの内側に立ち、客の注文を聞きながら、耳は構成員たちの無駄話や酔っ払いの愚痴に向けられている。奴の口のうまさは、こういう場面で生きる。サイレントは、持ち前の腕っぷしでキーウィの末端に潜り込み、訓練やチンピラ同士の縄張り争いに参加しながら、力で情報を引き出そうとしている。荒っぽいが、時にはそれが一番早いこともある。


我々三名は、互いに目立たないよう合図を送り合い、情報を共有しながら、この腐臭漂うアジトの核心に迫ろうとしていた。”疾風”のジン様が、なぜここで消息を絶たねばならなかったのか。その答えを求めて。

ボスであるベルコンスタン。奴は奇妙な男だ。昼間は精力的に指示を飛ばし、帳簿を睨み、時には部下を厳しく叱責する。だが、夜になると、一人執務室で酒を煽り、何かに怯えるような、あるいは何かを画策するような、不安定な表情を見せることもあった。エマーヌ・デュオールという後ろ盾を失い、組織の弱体化に苦悩しているのか? それとも、新たな野心を抱いているのか? その両方かもしれん。


そして、噂に聞く『謎の客人』。その姿を見た者は、ごく一部の幹部だけのようだ。我々もまだ接触できていない。ベルコンスタンの最近の妙な自信は、この客人の存在によるものなのか? だが、それにしては、その客人の具体的な動きや影響力が、末端までは全く伝わってこない。まるで、存在しないかのような…、巧みに隠蔽されているのか?


真夜中、店の営業が終わり、ほとんどの者が寝静まった頃、我々の本当の仕事が始まる。俺は物音一つ立てずに廊下を移動し、幹部たちの部屋や執務室の鍵を特殊な道具で開け、内部を探索する。レイヴンは、まだ残っている酔客や夜勤の見張りに酒を振る舞いながら、情報を引き出そうとする。サイレントは、力ずくで金庫をこじ開けようとしたり(これは一度見つかりそうになり、すぐに中止した)、あるいは眠っている構成員の懐を探ったりしていた。


しかし、ジン様の痕跡は、どこにも見当たらなかった。血痕一つ、争った形跡一つない。まるで、神隠しにでもあったかのようだ。だが、アウルの暗殺者が、何の痕跡も残さずに消えるなどありえない。これは、極めて周到な後始末が行われた証拠だ。誰かが、ジン様の存在を完全に消し去ろうとしたのだ。


調査を進めるうちに、奇妙な金の流れが浮かび上がってきた。エマーヌ失脚後、明らかに減少していたはずの組織の収入が、ここ最近、回復傾向にあるのだ。それも、賭場や売春といった表向きのシノギからではない。外部から、まとまった金が定期的にベルコンスタンの元へ入ってきている形跡があった。

(新しいスポンサー…? 一体誰が、この落ち目のキーウィに肩入れするというのだ…?)

我々は、その金の流れを追った。そして、ついに核心に繋がるであろう連絡役の男を特定した。


キーウィの中でも古参で、ベルコンスタンの信頼が厚いとされる男だ。サイレントが、奴が一人になった瞬間を狙い、音もなく襲いかかり、アジトの外れにある物置へと引きずり込んだ。

物置の中は、血と嘔吐物の匂いが充満していた。アウルに伝わる尋問術は、肉体的な苦痛だけでなく、精神的な恐怖と薬物をも利用する。連絡役の男は、最初は頑なに口を閉ざしていたが、サイレントの容赦ない責め苦と、俺が投与した特殊な薬物の効果によって、ついに意識が混濁し、秘密を漏らし始めた。


「…ヒッ…や、やめ…てくれ…は、話す…から…」

「相手は誰だ? ベルコンスタンに金を渡し、指示を与えているのは誰なんだ?」俺は、男の耳元で冷たく問い詰めた。

「…ゾ…ゾン…ハー…グ……」

「ゾンハーグだと!?」レイヴンが思わず声を上げる。

「…エ、エリサ…様…の…使い…が…定期的に…ベルコンスタン様に…密かに…」

エリサ・ゾンハーグ。評議会第二位、名門ゾンハーグ家の女当主。あの女狐が、ベルコンスタンの背後にいたというのか…!?

(…まさか…! ゾンハーグ家が、キーウィのようなチンピラ組織と手を組むとは…! 何のために? ムーメン家への牽制か? それとも、デュオール家の利権を乗っ取るため…? ジン様は、この繋がりに気づき、それをモロー様に報告しようとした…だから、消された…!?)


全てのピースが、恐ろしい形で繋がった気がした。ゾンハーグ家ほどの力があれば、ジン様を消し去り、その痕跡を完全に消すことも可能だろう。ベルコンスタンの妙な自信も、ゾンハーグ家という強大な後ろ盾を得たからだと考えれば納得がいく。

この情報は、あまりにも重大すぎる。我々だけで抱え込めるものではない。俺は、口封じのために連絡役の男を始末するようサイレントに命じると、レイヴンと共に潜伏場所へと戻った。そして、掴んだ情報を整理し、モロー様へと至急報告を送る。

「ベルコンスタン、エリサ・ゾンハーグと密かに通じ、ジン様失踪に深く関与した可能性極めて高し」と。

これで、モロー様も迂闊には動けまい。相手がゾンハーグ家となれば、全面戦争も覚悟せねばならない。我々は、モロー様からの次の指示を待つことになるだろう。だが、シュガーボムに残り、さらに証拠を探るよう命じられた俺の心には、一抹の疑念が残っていた。本当に、全てがゾンハーグ家の仕業なのか? あの『謎の客人』の噂は、ただの幻だったのか…? 何か、見落としているような、腑に落ちない感覚が、胸の奥で燻り続けていた。



ムーメン家の反応と一時的な膠着


ムーメン家の秘密アジト。シャドからの報告を受けたモロー・ムーメンは、苦々しい表情で考え込んでいた。

「…ゾンハーグ、だと? あの女狐め…ベルコンスタンを操り、ジンを消したというのか…!?」

予想外の、そして最も厄介な相手の浮上だった。

「モロー様、いかがなさいますか? ゾンハーグ家と事を構えますか?」バルガスが尋ねる。

「…いや、待て」モローは手を上げた。「相手がゾンハーグとなれば、話は別だ。今はまだ、あの女狐と全面対決する時ではない。宰相とも繋がっているあの女を敵に回すのは、得策ではない」

モローは、悔しさを滲ませながらも、冷静に判断を下した。ベルコンスタンやシュガーボムへの直接的な武力行使は、ゾンハーグ家への宣戦布告と受け取られかねない。それは避けたかった。


「…シャドに伝えろ。潜入捜査は継続。これ以上、危険な動きはせず、ベルコンスタンとゾンハーグ家の繋がりの決定的な証拠を掴むことに専念させろ。我々が動くのは、それからだ。時が来るまで、雌伏(しふく)の時だ」

モローの命令を受け、シュガーボムに残ったシャドは、さらに深く潜行し、長期的な情報収集任務へと移行した。


ベルコンスタンの安堵とラバァルへの報告


シュガーボムの執務室。ベルコンスタンは、ムーメン家の動きが一時的に停止したという情報(シャドの動きの変化や、外部からの圧力の低下などから察知)を受け、安堵の息をついていた。以前ラバァルが仄めかしたヒントを得て、ベルコンスタンが一番よさそうな偽情報を作りあげ、口の軽そうな手下に流していた、それが、見事に功を奏したのだ。


ベルコンスタンは、この状況を、ラバァルに報告する必要があると感じた。ラバァルは現在、旧市街スラムに滞在し、子供たちやヨーゼフの訓練に集中している。直接会うことは難しいが、信頼できる連絡員(キーウィの幹部)を派遣し、「ムーメン家の動きは沈静化。計画は順調に進行中」との報告を届けさせることにした。彼は、ラバァルの不在時にも、その意図を汲み取り、着実に計画を進める有能な(そして恐怖によって忠実な)手下として機能し始めていた。スラムにいるラバァルも、この報告を受け、策略が成功したこと、そして自分が期待通りに動いていることを確認できれば、取り合えず合格点は貰えることになるだろう、そうベルコンスタンは考えていた。




スラムの訓練場~アントマーズとの合流


スラムの訓練場では、子供たちとヨーゼフの特訓が熱を帯びていた。ラバァルは、彼らの成長を見守りつつ、自身の計画の次の段階について思考を巡らせていた。そこへ、シュガーボムからベルコンスタンの使いであるキーウィの連絡員が、密書を携えて現れた。


ラバァルは訓練場から少し離れた場所で密書を受け取り、素早く目を通した。内容は、ベルコンスタンが仕掛けた偽情報工作が成功し、ムーメンアウルの目をゾンハーグ家へと向けさせることに成功したこと、そして潜入していたスパイの一人シャドが監視役としてシュガーボムに残っていることなどが記されていた。


(ふん、ベルコンスタンも、なかなか上手くやりやがっな。これで少しは時間を稼げるだろう)

ラバァルは密書を燃やしながら、折り返し連絡員に指示を出す。

「ベルコンスタンには、引き続きアウルへの警戒と調査を怠るな、と伝えろ。それと、シュガーボムに残ったネズミ(シャド)の動きも監視させろ。泳がせておくのは構わんが、妙な動きを見せればすぐに始末しろ、ともな。俺は、しばらくこっち(スラム)で用事を済ませる。緊急の連絡以外は不要だ。何かあれば、ウィッシュボーンを通せ」

「はっ! 承知いたしました!」連絡員は一礼し、すぐにシュガーボムへと戻っていった。




新市街、高級賭博サロンのVIPルーム、数日後


ラバァルは、数日ぶりに再びあの高級賭博サロンのVIPルームを訪れていた。前回、コリンズに5万ゴールドの借金を負わせてから、敢えて少し時間を置いたのだ。焦り、金策に走り、そして「次こそは取り返せる」というギャンブラー特有の根拠のない自信が膨らむ頃合いを見計らって。今回は、アントマーズも「友人として様子を見に行く」という名目で同行させている。

VIPルームの扉を開けると、案の定、コリンズは取り巻きたちとカードゲームに興じていた。しかし、その表情は以前にも増して焦燥感に満ち、賭け方もさらに荒っぽくなっている。明らかに、ラバァルへの借金返済のプレッシャーと、ギャンブルで一発逆転を狙う焦りが、彼の判断力を鈍らせていた。

「やあ、コリンズ君、調子はどうかな?」アントマーズが、貴族らしい穏やかな口調で声をかける。

「…アントマーズか。それに…!」コリンズは、アントマーズの後ろに立つラバァルの姿を認め、顔を引きつらせた。「て、てめぇ…何の用だ! まさか、借金の取り立てに来たのか!?」

彼の声には、明らかな動揺と敵意が混じっている。取り巻きたちも、ラバァルを見て警戒するような素振りを見せる。

「まあ、落ち着けよ、コリンズ」ラバァルは、肩をすくめて応じた。「取り立てに来たわけじゃない。ただ、あんたが元気にしているか、様子を見に来ただけさ。それに…」ラバァルは、テーブルの上のチップをちらりと見た。「どうやら、今日もあまりツキがないようだな。俺が少し、運を分けてやろうか?」


再び、ギャンブルへの誘い。それは、コリンズにとって悪魔の囁きそのものだった。

「…ふ、ふざけるな! お前となんか、二度とやるか!」コリンズは強がって見せるが、その目には「ラバァルから負けた分を取り返したい」という強い欲求が揺らめいていた。アントマーズは、そんなコリンズの様子と、ラバァルの挑発的な態度を、少し心配そうに、しかし何も言えずに見守っている。彼は根っからの人の好さから、ラバァルの本当の目的には気づいていないようだ。

「そうか? 残念だな」ラバァルは、わざとらしく立ち上がり、帰ろうとする素振りを見せた。「まあ、いいさ。あんたが負けを取り返すチャンスを、自分からフイにするというなら、俺は止めんよ。アントマーズ、行くぞ」


「えっ、もう行っちゃうの…」


「ま、待て!」

ラバァルが部屋を出ようとした瞬間、コリンズが叫んだ。彼は、ラバァルに背を向けられること、そして「負け犬」のままでいることに耐えられなかったのだ。ギャンブラーとしての、歪んだプライドが彼を突き動かす。

「…い、一回だけだ! 一回だけなら、相手になってやる! それで、借りを返させてもらう!」

コリンズは、震える声でそう言った。もはや、罠だと分かっていながら、自分から飛び込まずにはいられない状態だ。

「ほう? 気が変わったか。いいだろう」ラバァルは、計画通りに事が進んでいることに内心満足しながら、再びテーブルについた。「ただし、やるならそれなりのレートでやらないと面白くないだろう? 前回の負け分もあることだしな」

ラバァルは、さらにコリンズを煽る。アントマーズは、「ラ、ラバァル殿、コリンズ君もあまりお金がないようなので、ほどほどに…」と止めようとするが、ラバァルは「これは男同士の勝負だ。口出しは無用だ、アントマーズ」と一蹴する。


そして、再びラバァルとコリンズのカードゲームが始まった。今回は、最初から高いレートでの勝負だ。コリンズは、借金を取り返そうと必死になり、さらに無謀な賭けに出る。一方のラバァルは、冷静に、しかし確実に、コリンズを追い詰めていく。時には大胆にブラフをかけ、時には相手の心理を巧みに読み、着実にチップを積み上げていく。アントマーズは、隣で繰り広げられる、友人の破滅へと向かうギャンブルを、ただ青い顔で見守るしかない。

勝負は、前回よりも早く決着がついた。コリンズは、再びラバァルに完敗。新たに負った借金は、約25万ゴールド。前回の負け分と合わせると、総額30万ゴールドという、まさに彼にとっても商会を正式に引き継げなければ一生返せないだろう額に膨らんでしまっていた。


「…う…ああ…」コリンズは、テーブルに突っ伏し、もはや言葉も出ない。顔面は蒼白で、全身が小刻みに震えている。完全な破産だ。ゴールデン・グレイン商会の跡継ぎという立場をもってしても、これは致命的な額だ。

「…どうした、コリンズ君!? しっかりしたまえ!」アントマーズが慌てて駆け寄る。

ラバァルは、そんな二人を冷ややかに見下ろしながら、借用書(今度は30万ゴールド分)をコリンズの目の前に置いた。

「…さて、コリンズ。これで、俺とお前の間の『貸し借り』は、随分と大きくなったな」

その声は、地獄の底から響く宣告のように、コリンズの耳に届いた。

「どうする? この借金。まさか、踏み倒そうなんて考えないだろうな? 俺は、取り立てに関しては、少々『手荒い』ことで知られていてな」

ラバァルは、暗に脅しをかける。

「ひ…! そ、そんなつもりは…! だ、だが、これだけの額…! す、すぐには…!」コリンズは、必死に弁解しようとする。

「まあ、そうだろう」ラバァルも頷く。「そこで、提案がある。この借金をチャラにする…いや、それ以上の儲けを手にするチャンスを、お前にやろうと考えているんだが...」


ラバァルは、ここで初めて、前回は伏せていた「食料供給ビジネス」の話を切り出そうか、別の「協力」を強要しようか…そんな事を考えていた、いずれにせよ、彼は完全にコリンズの生殺与奪の権利を握った。ギャンブルという手段で相手を精神的に追い込み、莫大な借金を負わせることで、逃れられない支配関係を築き上げたのだ。アントマーズは、ラバァルの恐ろしさと、友人の哀れな末路を目の当たりにし、ただ震えているしかなかった。この経験は、彼にとっても大きな転機となるのかもしれない。ラバァルの真の目的と、ロット・ノットの闇の深さを、彼はこれから思い知ることになるだろう。






最後まで読んで下さりありがとう、またつづきを見掛けたら読んでみて下さい。

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