無能とバカの始業式
「ようこそ!日本国立三魔異能学園なんでも解決部に!」
カケルはグッジョブをしてそんなことを言った
「ん?カケル、俺まだ入部してなくないか?」
「なんならまだ入学式したらエンブレム貰えるだろ?でも俺はまだ持ってないから入学してない扱いだと思うぞ」
この学校は入学式で本校の生徒の証としてエンブレムが貰える俺はそれを貰えてないからまだ入学した扱いでは無いのだ
それに気づいたカケルは
「えっ?まだ入学してないのか?」とアホなことを言ってきたそれを聞いたミサと俺は「はぁ、」とそれぞれため息をついたりヤレヤレという仕草をして呆れていた
当の本人は「一緒に部活動したからもう入学扱いでいいんじゃねぇかな、、、」とボヤいてた
ミサはそんな事より!と会話を切って
「早くハヤテ行かなきゃ貴方入学早々遅刻よ?」
ミサは心配そうな顔をしてこちらを見てきた
「そうだな、遅刻するとペナルティとかあるのか?」
学校までの距離をそんなに感じない為俺は落ち着いて聞く
ミサはパンフレット読んだ?と言いたげな顔をしたがそれでも教えてくれた
「入学早々遅刻すると星が1つない状態から始まるのよ?」
「星ってなんだ?」
「俺は入学した時に生徒の証として貰えるエンブレムくらいしか知らないんだ」
「他にあるのか?」
と聞き返すと
ミサはほんとに読んでないはね貴方?と言って
「その説明はするけどとりあえず移動しながら教えるわ」
「カケル、車もってきて」
ミサは俺たちの会話に着いてこれずに瓦礫を積んで遊んでいたカケルに圧をかけながら言う
カケルは「えぇー、やだ、タイン呼ぶ」と言って携帯を取り出すとプルプルプルと電話をかけた
すると直ぐに電話相手はでてくれた
「カケルッ!今忙しいんだ!後にしてくれ!」
「お前いつも暇だろー?なにやってんだよ」
カケルのいつも暇だろ?という言葉に通話越しの相手、タインは反応し
「俺はいつも大忙しだ、世の中の女性の数だけ俺は忙しくなれる、あぁ、女性の為に行動し尽くす俺はなんてイケメンなんだ。」と、気持ち悪い事を自信満々に言ったタインに対してカケルは手馴れてるかのように
「どうせ、女のストーカーか可愛い子がいたからパンツを盗もうとしただけだろ?いつも通り暇じゃねぇか」
と、慣れたふうに返していた
「ん?まてカケルそのタインって男やばいことしてるんじゃないのか?」
俺はさっきのやり取りを聞いてカケルに言った
すると、ミサが教えてくれた
「タイン、弦間タインは女の天敵であり、パンツ泥棒であり、弦間重工の…さっき貴方が助けた弦間 夜緑のお兄さんでもあるのよ」
途中までうんうんと聞いてた俺は最後の言葉に驚く
「ん?!弦間重工って言わなかったか?!」
声を荒らげてる俺に対してミサは軽く「そうよ」と言った
「なんでこんな犯罪者でヤベェやつがそんな大企業の子供なんだよ?!」
「そんなの知らないわよ本人に聞いてみてちょうだい」
ミサは手で俺の質問を払って通話しているカケルとタインの方に催促した
「ハヤテはタインの事が気になるのか?」
カケルはそんなふうに聞いてきた
するとタインはすまないと言い
「俺にそっちの趣味はない。俺が愛するのは女だけだ! 可愛くて、美しくて、華奢で、いい匂いで、ロリで、恥じらう姿が似合う女の子しか愛せない! ハヤテとか言ったな?俺にそっちの趣味はねぇから諦めろ」
と、途中から興奮気味に熱弁していた
「なんだか、カケル俺勘違いされてないか?」
聞いていたカケルはゲラゲラと笑いだし
「違いねぇ! ははっ! 」
「おいっ! 笑い事じゃねぇだろ!」
「今知り合ったド畜生のカス野郎にほも扱いされたんだぞ?!」
「まて、俺はド変態のカス野郎じゃない女尊男卑の紳士だ」
「余計ダメじゃねぇか !!!」
意図せずツッコミを入れてしまった
そんな俺を見たカケルは
「ハヤテ、お前、我が部に入ってツッコミ担当をしてくれないか?」と真面目な顔して馬鹿な事を頼んできたのでスルーを決め込み俺は疲れて助け舟を求めてミサの方を見ると
ずっと会話を聞いていてシビレを切らしていたのかひたいの辺りに目に見えるような血管を浮かべ笑顔でブチ切れていた。
え、何この人怖い。
俺に見られたミサは携帯を寄越せというジェスチャーをしてきたので黙って携帯をミサに投げる
投げられた携帯を見たカケルが
「あっ、まずいタイン電話切った方が良いかも…」と言うが
もう手遅れ
タインの
「んぁ?、どしたカケル?」とカケルに言ったタイミングで
ミサが投げられた携帯をキャッチし大きく息を吸ってから大声で
「くだらない ! 話してないで ! いいから ! 早く ! 車を持ってこいっ!!!!!!!!!!!!」と電話越しのタインに怒鳴った
それを聞いたタインは慣れた声色で
「へいへい、わかりやした。ちょっと待ってろすぐ行くからな〜」
と言い残し通話を切った。
ミサは言い足りないという顔をして
バキバキっという音共に
無言で携帯を握り潰していた。
「あれ、カケルのじゃないか?」とまたもや瓦礫遊びをしていたカケルに近づき肩をトントンと叩いてミサの手を見るように指を指す
するとミサの手に握られていた今悲惨な姿になった自分の携帯をみてカケルは
「!?!?! ミサ!!!てめぇ!!何やってくれてんだ!!何台目だコラッ!!!」とプンスカしながらミサに近づいて行くカケルだが
ミサは「ふんっ」とその肩までしかない短い髪をなびかせて近くの瓦礫の上に座り足を組んでカケルの言葉を全スルーしていた。
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しばらくしてタインが迎えに来て俺たちは無事学校に間に合い
カケル達なんでも解決部の御一行は
「俺たちは事後処理済ませてくるわ!」
「事後処理済ませるつってもお前基本俺とミサ任せだろ」
「そういうタイン、あんたも私任せでしょうが」とやれやれ気味のミサに対し2人はゲラゲラ笑いながら俺に「またな!」といいミサも「朝からお疲れ様」と労いの言葉をかけると共に2年の教室がある方向へ歩いていった。
残された俺は1人入学式会場へと足を運ぼうとすると
後ろから凄い音ともに女が走ってきた(?)
「いや、アレは走ると言うよりも魔力放出による高速移動じゃないか、、、」などと考えてると
「そこの君!!どいて!どいて!どいて!」と女が叫びながら突進してきた。
女の顔はとても整っていて
幼い顔立ちに可愛らしく、大粒の宝石を思わせるような蒼い瞳
その蒼い瞳を際立たせるかのように伸びるまつ毛の長さ
純白を思わせる雪の様な肌の真っ白さ
髪は肩より下まで伸ばしていて白と水色が混ざったような色で
光に反射してキラキラして見える。
と女の子の容姿をまじまじと見ていると
ゴンッッと鈍い音ともにお互いの頭が衝突し地面に尻もちを着いてしまった。
「あ痛たた…ごめんね?君大丈夫?怪我、させてない?」
宝石の様な瞳に涙を浮かべながらぶつけた額に手を当てて
俺を心配してきた。
「あぁ、俺は大丈夫だよ」
「君の方こそ大丈夫?」
俺は立ち上がって尻もちを着いてる女にてを伸ばす。
「ありがと〜実は結構大丈夫じゃないかも?」
手を取って立ち上がった女は焦ったような顔をして言った。
「大丈夫じゃないのか? もしやどこか痛めたか? 」
心配だ。という顔で聞くと
「うん、ぶつけた所は大丈夫だよ! ありがと!」ニコっと眩しい笑顔で言われた。
「なら、なにが大丈夫じゃないんだ? さっきの魔力放出で手持ちの魔力を全部使い切ったのか?」
さっきの放出が相当のものだったのか
この女からは魔力らしき気配を感じられない。
「魔力ももう枯渇気味でやばいよ〜でも一番ヤバイのは入学式の時間だよ! 急がないと! 」
俺も携帯を開いて時間を見ると
「もう10時か! やばいな! 走るぞ! 走れるか?」
入学式が始まるのは10時半、ここから式会場まではだいぶ遠い
この学校は無駄に広くて困る
「あ、あの走れはするんだけどもまずはそ、その」
と急にモジモジしながら何か話してきた
「ん? どうした? 魔力枯渇で走れないか?」
と顔に?を浮かべて聞くと
女は色白の顔を徐々に赤色に染めて
「手、手を、その、」
「手? 手がどうした? 」
手に疑問があったのか手の事を聞いてきた
「手を離してもらえない、ですか?」
女は顔を下に向け、恥ずかしそうに言ってきた
そういえば女を立たせてからずっと握っていたから
言われて急に恥ずかしくなってきた。
「わ、悪ぃ、ついそのまま握っちまってたすまん」
「ううん、大丈夫だよ! それより学校いそご!」
女は握ってた手を離し式会場のある方へ足を向ける
俺も走ろうとしたら女がこっちを振り向いて
「そういえばあなた名前はなんて言うの?」
「そういや、名乗ってなかったな俺は」
「ハヤテ、夙 ハヤテ」
「そっちは?」
「私は武久 青璃」
「よろしくね! ハヤテ!」
「おう、よろしくな、青璃」
この女との出会いが後の最悪に繋がるなんて俺はまだ知る由もなかったのであった。
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入学式
俺と青璃は走ったおかげで無事間に合いなんとか滑り込みセーフした
「ふぅ、危なかったねハヤテ」
あせあせとした感じをし肩で息をしている
「ギリギリって感じだな、間に合って良かったわ」
青璃は息切れしてない俺を見て
「ハヤテ、あの距離走って疲れてないの?!もう私ヘトヘトだよ〜」
青璃は目をバッテン(✘﹏✘ა)にして地面に倒れ込んでしまった。
もう目の前に会場だというのに
「おい、ここで倒れるな床汚いぞ?」
俺はやれやれとして背中に背負っていた刀を腰にあて倒れている青璃の腕をあげて背負った
「もう少しで式の会場内なんだ、背負ってくぞ」
そういうと青璃は目をバッテンにしたまま
「ごめんね〜 ありがと〜」いいぐったりとして俺の背中に身を預けた
「危機管理能力がないのか?俺は一応男だぞ?」
念の為そう言っておくと青璃は
「ハヤテ見た目がヘタレっぽいから襲わないでしょ? 」
俺の見た目が平凡に見えるせいかヘタレ扱いしてきやがった
「お前に女性としての魅力が無いって可能性も考慮しておけ」
ヘタレ扱いされたので少し俺もバカにしてみると
感に障ったのか
「そうですよー! 私は全体的に小さいから女性としての魅力は欠けてますよー! 」と拗ねてしまった
「悪い、言いすぎた、小さい身体でも一定数の男には需要があると思うぞ?」気分が悪い入学式は嫌なので出来るだけフォローしようとお前の見た目には需要があるぞと言うつもで言ったのだが
「ハヤテのバカー! なんのフォローにもなってない!! その需要があるって言う男たちはロリコンで危ない人達だし!! 」と余計気分を損ねさせてしまった。
式会場の中にたどり着くまで長くやっと中に入れた。会場内は普通の学校の体育館とあまり変わらないが所々に魔術でデコレーションされている道具があったりする。大きさは東京ドーム二個分といった感じでかなり大きい
「青璃、ついたぞ起きろ」
そう言って背中で疲れて寝ていた青璃を揺さぶり起こす
「もう少しだけ寝かせて」とむにゃむにゃしながら背中からおりまだ寝足りないという様な感じをした目をこすっている
「ほらここ座るぞ」
「ん、ここでいいの?」
「周りを見ろ、座る場所なんて特に決まってないだろ?」
周りは椅子にちゃんと座っているものや壁にもたれかけている人地面に座り込んでいる人等でごっちゃになっていた
「こんなけごたごたしていたらどこ座ってもよさそうね」
そう言うと青璃はちょこんと座り込んだ俺もその隣に静かに座る
「ハヤテ、今何時」
「ちょっと待ってな」
ポケットにある携帯をつついて時間を確認する。
「ハヤテ?その、さっきから気になっていたのだけど」
俺が手にしている物をなにこれ?と言いたげな目で指をさす
「これか?これは携帯って言いってなどんな距離でも人とやり取りができたりこれ一つでゲームができたりするんだぜすごいだろ?」
現代科学を誇らしげにふふんと見せていると
「でもそれって魔術思念で会話した方が早いんじゃないのハヤテ?」
「逆にその魔術思念ってなんだ?」
逆に俺が知らないものが出てき目を丸くして言うと
「魔術思念っていうのはねーーーー」
青璃は驚いたといいたい顔をしつつ説明しようとするとさっきまで明るかった部屋のライトが消え一点だけが照らされた俺たちは光の指している場所の方を向き青璃は「また今度話すね」と言ってくれた
「もうそろ式が始まりそうだな」
「この話はまた今度してあげるね」
1人のおじさんが歩いてきて壇上に上がり話し始めた
「皆さん!おはよう!そしてようこそ!!!この日本国立三魔異能学園に!!!」
その声で会場はおおおおお!!!!!!!と言った歓声で沸き上がった
「申し遅れました、私はこの学園の教頭バイス・プリンシパルです
担当学科は魔術科の対戦闘学を受け持っています」
「どうぞお見知りおきを」
バイス教頭が名乗るとそれを聞いた生徒が「バイスってあの『血濡れのバイス』?」
「『血濡れのバイス』って世界大戦で生きた数少ない生き残りの?バイスなのか?」
俺でも聞いたことがある異名に再びバイスを見入る
「青璃はバイスのこと知ってるか?」そなりでのほほんとしている青璃に聞くと
「わたしもしってるよ!『血濡れのバイス』!別名紅灼卿大戦時代に外国の兵士を魔術『血』で一掃してたっていうあのバイスでしょ?!」
青璃は宝石の様な瞳をより一層輝かせて俺に話した。
「お、おちつけ」
俺はあまりの熱に若干引きつつ近づいていた青璃の顔を肩を持って引き離す
「皆さん、静粛に私のお話はまだ終わっていませんよ」
バイスが口元に人差し指をあてシーとと囁くそのしぐさで会場が一瞬で静まった
「恐るべし、『血濡れのバイス』だな」関心してしまった。
「次に皆さんには学校についておおまかな説明をします!」
「この学校は名前の通り『三つの魔種』があります!」
「1つ目は『魔術』! 2つ目は『魔導』! そして3つ目は『魔法』!主にこの3つです」
「例外として『異能』というものもあります」
俺は疑問に思ったので青璃に聞いてみた
「『魔術』『魔導』『魔法』って何が違うんだ?」
青璃は特に驚いたと顔をしつつも教えてくれた
「まず、『魔術』を簡単に言うと」
「一般家庭でも使われるマナを使った力かな」
マナって何だと言いそうになったがここは何とか押えた
「そんな一般家庭あるのか? うちはHIHだぞ? 」
「ハヤテの方こそなによその『えいちあいえいち』って?何かの詠唱?」
魔術社会だとこれは普及してないものなのか
魔術社会というのはマナを使用することが出来、自然の力と共存して行ける人達の周りの社会のことを言うぞ
俺がいる社会は魔術が使えず、自然から拒まれるもの達の集まり化学社会だぞ
中間くらいに魔術兵器があったりなかったりするがそこはまあおいおいとして改めて自分は無能である事をしみじみと思っていると青璃が
「ハヤテー? 起きてるー? 」とひょこっと体を曲げ俺の顔を覗き込んでいた
「起きてる、ちょっと世知辛い世の中だと思っただけだ」
本当にこの世界俺みたいな無能には辛いんだよな
「何それーハヤテも魔術使えるんでしょ? 」
青璃が笑いながら当たり前のように地雷を踏んできた
「俺魔術使えないぞ? 」
慣れてるので普通に返すと青璃は今日1番驚いた顔をして
「え? ほんと?」
「え、ほんと」
「嘘じゃなくて? ほんと?」
「嘘じゃなくてほんと」
「さっきから魔力を感じれないのは意図的に気配を消してるとかじゃなく?」
「意図的も何も生まれつき何も無い無能」だぞ?」
青璃のうそぉぉぉぉぉ!!!!!!!という声が会場に響き渡り全生徒が何事か?とこっちを向いてきた
「ホントなの?! ハヤテ?! 魔術なしでその速さしてたの?!?! えっ?!」
すごく驚いた顔をして聞いてきた
「まあな、無いもの埋めるためには鍛えるのみだろ」
「ハヤテ凄いわ、私なら秒で人生リセットしてる」
「俺も投げ出したかったよ」はははとかわいた笑みを浮かべると
バイスのいる方向からコホンと大きな咳払いの音がした
「君たち入学式早々楽しそうじゃないか私の魔術の説明をほったらかしてイチャイチャかい?」バイスがニコニコしながら言ってきた
青璃はバッとその場で立ち上がり
「イチャっ?! 私たちイチャイチャしてませんよ! 」
青璃は顔を真っ赤にしてバイスに反論した
「いや、青璃さん? 反論しずにすいませんで済ませた方が楽かと、」面倒事になって欲しくないので青璃に耳打ちで伝えると
「はっ! たしかに、ごめんなさい バイス先生!」
そう言って青璃はちょこんと再びその場に座った
周りからは笑い声や冷やかしの声が聞こえてくる
「うぅ、恥ずかしいよぉハヤテぇ」
色白で綺麗な肌は今にも噴火しそうな火山のような色をして両の手で顔を抑えている
「まあまあ、ドンマイ」
俺はかける言葉が見つからなかったからとりあえずドンマイといい背中をさすった
会場がゴタゴタしてるのをバイスはいつの間にか出した杖でその場をコンッと叩き静かにすると「次に魔導の説明をいたします」と魔導の説明に入った。血
「魔術が万人魔術にあるようなものなら魔導は万人魔術に無いものもしくはなさそうなものを指すただし、魔術の定義として万人魔術とは一般の人、100人中100人が真似できる事を指すので魔導の幅は狭かったりする」
そして最後にと言いまた杖をコンッと鳴らす
「魔法とは、万人魔術にも万人魔術外にも当てはまらない未知の領域、100人中100人が真似出来ない力を魔法と言います。」
「簡単に言うと誰にも真似出来ない魔種です。」
「この学校に新しく入る生徒諸君らにはこれから友と切磋琢磨し時に喧嘩し笑い合い技術を競い合ってこの学園のキャンバスライフを楽しんで貰いたい」そう言うとバイスは自分の魔術『血』を使い、派手な演出と共に紙をばら撒き姿を消した。
「、、、説明これだけか?」
色々大切な説明が抜けてる気がして思わず口に出してしまった
「ハヤテ、さっきバイス先生が撒き散らした紙拾って見てみなよ」
青璃に言われ紙を見ると
「魔 13A? なんだこれ」
「多分これ教室の場所なんじゃないかな」
「なんかどっかに書いてあったけか?」
俺は身に覚えがないので青璃に聞いた
「ううん! ただの勘よ! 」
ニコッと笑い感と言った
「勘かよ」
「うん、勘よ」
青璃の勘は置いといて気になったので俺は青璃のクラスを聞く
「青璃はどこなんだよ?」
青璃はまだ空に舞っている紙を取れておらず低いジャンプでおりゃっとりゃっと言いながら一生懸命に紙を握ろうとしている
「取ろうか? 」
可哀想に思えたので取ろうかと言うと
「大丈夫ー! あと少しっ」そう言って最後にジャンプすると
バシッと紙を握り
「GETだぜ! ハヤテ」とどこぞのトレーナーみたいな事を言い出しやがった
「お前は小さいモンスター捕獲するトレーナーかよ」
姿が似ていたのでつい突っ込んでしまう
「なんのツッコミよそれ」と笑いながら紙を開いていた
開いた青璃は番号を見てハッと驚いた顔をしたかと思えば泣き出しそうな目で俺を見てきた
「なんだ? クラス違ったか」正直仲良くなったやつとクラスが違うのは寂しいがこんなけ人数が多いので仕方ないだろうと思い俺は先にクラス移動をしようとしたら
「違うのっクラス同じで感動しちゃってー」
違くて泣いてるんじゃなくて感動して涙目になっているパターンだった
「良かったな、時間があるうちに移動するか」そう声をかけると青璃は嬉しそうに「うんっ!!」と頷き笑顔で俺の隣に駆け足でよってきて2人で式会場を出た。
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俺たちは会場をでて『魔 13A』クラスに移動した
「なぁ、青璃」俺は隣に立つ青璃に声をかける
「なあに?ハヤテ」青璃は覗き込むように俺の顔を見る
「初めてのクラスの扉開けるのって緊張するよな」
「あっそれわかるかも」青璃は笑いながらそれな!言ったきた
俺たちは今『魔 13A』クラスの前で立ち尽くしている。
あまりにもの緊張とこれから1年共に過ごすであろう仲間たちとの初顔合わせの場というだけあってどうしても踏み込むのに勇気が必要だからだ
「青璃変わりに開けてくれないか?」
男のくせに我ながら情けないと思いつつ隣の青璃を頼ると
「は、ハヤテが開けてよ」と青璃も緊張した声で俺に言ってきた
「青璃お前のコミュニケーション能力ならいけるっ開けてくれ」
「ハヤテの方こそ初めてあった女の子の手をずっと繋いでたから開けれるでしょ!」と二人で睨みあいながらうぬぬぬどうなっていると後ろから
「あんさぁ、そこ邪魔だからどいてくんない?」と後ろから声をかけられた俺たちは振り向く
そこには身長170くらいで髪の毛を後ろでまとめた男が立っていた。
「そこどいてくんね?俺の教室なんですけど」
男はどけかすと今にも口から出そうな顔をして俺たちを睨む。
「あ、わりい」そう言って俺はドアの前からどく
青璃も「ごめんなさい」と言ってどいた
男はドアを開け去り際に「これだから目立ちたがりのイきり陰キャはよお」とバカにして教室へと入っていった。
「あの子なんで怒ってるんだろう」青璃が疑問そうに呟いた
「怒ってる理由なんて知らないがとりあえずドアあいたぞ」
俺達はあけられたドアの中に入った
中に入ると教室内は少しざわざわしていてもう大体の人が集まっていて指定された席に座っている
座席表が前の黒板に貼られている
「俺の場所はどこだー?」自分の席を探し見つけた
「後ろの窓際か、いい席だな」おれは後ろのほうが好きだから幸運な席に一日がんばれそうな気がしてきた
青璃の席も気になったので席を探すと
「うげ、お前俺の隣かよ」青璃の席は俺の右となりの席だった
「これから一年間よろしくね!ハヤテ」青璃は嬉しそうにニコっと笑いかけてきた
「改めてよろしくだな」
席を見つけた俺達は自分の席に着く。
さっき嫌みを言ってきた男は右の列の前から三番目に座っていた。その隣に見慣れた顔が座っていたので目を凝らして見てみると
「あれって夜緑くんか?」そうつぶやく俺の声を聞いて青璃は目を大きくさせて
「ハヤテ夜緑くん知ってるの?」青璃がちょっと驚きと言いたげな顔をして聞いてきた
「朝ここに来る途中でな、ひと悶着あって助けたんだよ」朝起きた事件を頭によみがえらせつつ言葉を返した。
「そうだったの、、、ありがとね助けてくれて」何故か青璃が感謝してきた
「なんでお前が感謝してんだよ」疑問だったのでそう返すと
「私、夜緑くんとは幼馴染で昔っからの付き合いなんだよね」
「そうだったのか」まさか夜緑の顔見知りと朝から知り合っていたとは驚いた
「なんであさ一緒に来なかったんだ?」昔からの付き合いなら一緒に来てもいいはずなのに別々に来ていた事が疑問で聞いてしまった
「それはね、私が寝坊しちゃったからかな」情けないと言い微笑した
「それは夜緑くんドンマイだな」
「後でちゃんと謝るよお」青璃はううと頭を抑えて目をばってんにしていた
それをみて笑っているとさっきの嫌な男が立ち上がり
こちらに近づいてきた
「さっきからイチャイチャしてんじゃねえよ、むかつくな」
いやな気分といった様子で文句を言ってきた
「別にイチャイチャしてるつもりはないんだが」弁解しようとくちを開こうとすると
「うるせえよ、凍れ」そう言うと同時に俺の口に冷気が発生し氷の膜が形成されてきた
「!?」驚いた俺は咄嗟に仕込み刀を抜き嫌な男の首を切り離そうと刀を降った
嫌な男はその刀さばきの速さに驚き紙一重で回避する。
男の気がそれてくれたおかげで形成されつつあった氷の膜は溶けていった。
「おいお前あぶねえじゃねえか」男は敵意の籠った目を向けて言った。
「先に仕掛けてきたのはそっちだ仕方ねえだろ」俺も殺意の籠った目を向ける
この一瞬で何が起こったかわからない青璃はひたすら頭に???浮かべてクラスメイトは叫びだすものもいれば「おっ?早速イベント発生か?」と楽しそうな目を向ける奴や興味深々といった目を向けるやつがいた
お互いに仕掛けようと足を前に踏み込むと扉のほうから「止まれ」と声が聞こえお互いに身体が止まった。
「何、始まってから早々におっぱじめようとしてんだよ」頭をかきながらだらしなさそうなおっさんが教室に入ってきた
「殺るならここじゃなく外でやってくれ」男は淡々とめんどくさそうにあるいて教員様の椅子に腰を下ろした
嫌な男は敵意の籠った目をおっさんに向けて
「何しやがったじじい!!!」怒気のある声で言い放った。
「何もしてない、ただ止めただけだ」脈絡のない声で淡々と言った
一人の生徒がおじさんのほうを見て「あー!!!」と大きくさけんだ
「もしかして、もしかすると『言霊魔術使い』の懈異 会さんですか?!?!」
叫んだ生徒がそう言うと教室にいた生徒が驚き全体がざわつきはじめた
「おい、懈異ってあの『西ノ都』出身の神桜皇天子様率いる守護派の守り大臣か?!?!」
「なんでそんな奴がこんなとこにいるんだよ」教室が一気にざわつきを増した。
それを目をつむり黙って聞いていた懈異はまためんどくさそうに口を開き「うるせえ」といい教室の生徒を一瞬で黙らせた。
俺は黙って懈異を観察した。
ほとんど無敵といえる魔術を使っていながらも全く隙がないそれどころか誘い込んでいるようにさえ見える身のこなし
(こいつっ、、、強い、、!)
そう確信すると懈異は俺を見て口を開いた
「ん?なんだ?お前もそんなにやりたいのか?」
「だったらやるかあ、どっちみちやらなきゃだしな」
何のことかさっぱり分からず俺達は喋れず無言のまま聞いていた
「なにをかって顔するなよ」
「決まってんだろこの学校名物『始業試合』」
そう言って懈異は邪悪な笑みを向けて俺たちを見た。
最近さぼってごめんなさい、これからかいてくのでお許しください