表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

もう会えなくなる君に恋をした

作者: 水色桜

斜陽に照らされて彼女、美月の髪がキラキラ輝く。透き通るような白い肌は私の視線をつかんで離さない。彼女と出会ったのは1か月前の音楽室でのことだった。私がヴィオラを練習するために放課後音楽室に向かっていると、音楽室からピアノの演奏が聞こえてきたのだ。端正な顔立ちにすらりとした体型、初めはモデルか何かだと思った。

「いつまでこっちにいられるの?」

私は美月に問いかけた。美月はもうここには長くいられないことは分かっていた。だからこそ残された時間で思い出をたくさん作りたいのだ。

「あと2週間くらいだな。私と過ごしたいなんて本当に物好きだな。君は。」

美月はピアノを弾きながら事も無げに返す。

「あと2週間しかないんだね…。ねえ今度一緒に駅前にスイーツ食べに行こうよ。ポムっていうカフェのアップルパイが絶品らしいの。」

「私と一緒にいたら君がどう思われるかわからないぞ。」

「でも…。」

彼女の言うとおりだった。私が彼女と一緒にいれば必ず白い目で見られることになるだろう。でも、それでもこのまま何もしないままお別れなんて嫌だ。

「私は…。それでもあなたと一緒にいた」

言い終わらないうちに美月が突然立ち上がり、私の唇に美月の唇を重ねる。

「えっなっ」

「これじゃだめか?」

美月の唇はひやりとして冷たかった。

「君の心を奪ったお詫びだ。君と一緒にいることが大切なんじゃなくて、どう過ごすかが大切だと私は思うんだ。二人だけの時間が私はほしい。」

間近でみる美月の顔はあまりに美しく、心臓が飛び出そうな感じがした。幽霊にときめいたなんてきっと誰にも言えないだろう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ