不穏は未だⅡ 7
「ノイル様、では私は何故その無属性を使えているのでしょうか?確かに魔力量は桁違い、と言われますがそれだけです。それに私は無属性と認識していなかったのに、どこで違和感を感じられたのですか?」
聞きたいことが尽きなくて、矢継ぎ早に問う。ノイルは落ち着け、と言わんばかりに手をかざし、もう一度お茶を勧める。そんなに興奮しているように見えただろうか、確かに少しばかり好奇心が逸っているのは間違いないが。自分のことだから、ではなくただ純粋に知らないことを知りたい、単純な好奇心。憶測でもなんでも構わない、自分の世界を広げられるのなら。
…やはり興奮しているらしい、純粋な動機ほど感情を強く突き動かす。先程と同様に口を潤し、一つ深呼吸をして整える。幾分か逸った思いは落ち着いたように感じられる、あくまで私にはそう感じるだけだが。
そんな私の行動を見て、ノイルは軽く笑いながら話を再開する。
「まず違和感から話すか。クレアの魔法を師事してるのは皆知っているだろ?その時に堅牢のやり方を教えてたんだ。魔法を使用する際、自分に一番適性のある属性の色が出るよな、クレアにはそれが二色あった。一色は闇を表す紫、もう一色が黒だったんだ。」
そんな色があっただろうか、自分では見慣れたものだから気付かないのか。そんなことを思っていた時、ユリウスが加わった。
「叔父上、私もクレアの魔法を見たことはありますが、黒を発しているのは見た記憶がありません。光の加減などでの見間違いなのでは?」
光の加減、とユリウスは言ったがそれはあまり無いような気がする。魔法は自然の中で発生するものなんかじゃない。見え方で変わることはまずないだろうし、そもそもそれが有り得たとしたら、勘違いから話題には上っていただろう。かと言って、自分ではよく分からない所ではあるから、完全に否定は出来ないが。
有り得ない可能性として一つか、と思っていればノイルは軽く首を横に振り否定した。
「それが一回きりだったら、まぁ光の加減はどうか怪しいが有り得たろうな。でも一回だけじゃない、それに天候が違ったり、立ち位置も変えてるから間違いない。」
確かにノイルは師事する際に多方面から見ていた。天候だって常に晴れているわけでもなく、曇っていたりもする。見間違いとして片付けるには、否定する要素が無さすぎた。
…つまり、私は物心ついた頃から闇と無を使えていたということ。それも極めてなどいないのにも関わらず。
余計に分からない、何故私が過去に消え去ったであろう属性を、魔法を使えるのか。そして…闇属性を持って生まれたのか。




