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闇の令嬢、愛を思い出す  作者: 雨音祭
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不穏は未だ2

与えられた自室で三人仲良く、小さなテーブルを囲んで談笑をしている。時刻は昼前で、予定していた時間より大分早い開催になっている。本当はティータイムを取る十五時頃だったが、朝食が終わる頃にユリウスから話があると言われ、それを二人に伝えれば時間をずらしましょう、となり今している。

話している内容は本当に他愛のない、こんなことがあったとか誰が格好良いとか、そんなことばかりだ。でもそれが気を張り続けていた最近にとっては、安らぐ瞬間であり大切であると再認識した。

「そういえばクレア様は今ノイル様からどんな魔法を教わっているんですか?」

お菓子をつまみながらユニが問いかけてきた。ユニは騎士を多く輩出している家柄故か、自衛手段になり得る魔法にも興味を持っている。ただ魔力量が少なく、試すことが出来ない!と嘆いていたが。

「今は転移魔法を教わっているわ。…といっても自分を、じゃなくて物を、なんだけど。」

堅牢はあれから三ヶ月ほどで使えるようになった。その次のステップとして、移動時の危険性を減らせるようにと転移を教わっている。いきなり自分を転移させても、転移地点がちゃんと定められない内はダメだと言われ、石や木箱を使っての練習をしている。これが思った以上に大変である。

「凄いですね!転移魔法って転移地点を明確にするのが難しいって聞きました!」

「ええ、だから私もそこで躓いちゃって…。ノイル様が言うにはイメージが大事だ、と。それがまだ良く分からなくて。」

ノイル曰く、転移地点の地形をイメージすれば上手くいく、と言われ試しているが、想像していた場所より離れてしまい上手くいっていない。地形をイメージし過ぎるあまりに、意識が散らかってしまっているのでは、と指摘を受けてはいるが。Noneみたく自然と使えたら良かったのに、と思ってしまう自分がいる。

…そういえばNoneはどうやって魔法や使い方を覚えたのだろう、自然に使えていると思っていたが、魔法書などには載っていなかったはず。使用出来るのが私だけであるから、おそらくは闇属性だと思うが、それを知る術が思い出せない。それにならず者と戦った際、頭に直接聞こえたあの声の主がNoneを知っていたのは何故?そもそもだが、あの声は一体誰なのだろうか。ユリウスのことや魔法で忘れていたが、湧き出てきた疑問が溢れ返る。

急に黙り込んでしまった私を心配して、エイリーが声を掛けてくれた。

「大丈夫ですか?最近お疲れのご様子でしたから、お茶会は終わりにして、少しお休みをなされた方が良いのでは。」

聞こえた声に顔を上げ、エイリーの心配そうな顔を見て微笑む。

「大丈夫よ、少し考え事をしてしまっただけ。まだ時間はあるのだし、この時間が好きだからもう少し付き合ってくれる?」

エイリーもユニも頷いたあとに、無理は禁物ですよと言い、お茶会は続いた。

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