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闇の令嬢、愛を思い出す  作者: 雨音祭
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浅く広く、でも確かに4

あれから早いもので一ヶ月が経とうとしていた。マリーナとレゼットからはお茶会の誘いを貰って楽しんだり、庭園など散歩しながら日当たりの良い場所で読書をしたり。未だに陛下達との食事は緊張するものの、大分と和らいでいる。そして今日から講師にアーデスト王国の歴史、アルカートでは教わらなかった魔法のことも教えてもらうことになっている。

新しい知識を付けることは嬉しいはずなのに、今は気持ちが沈んだまま。不安があるわけじゃない、ただ一つ、一つだけ解消されない悩みがあるだけ。…それはアーデストに渡った初日の夕食以来、ユリウスに会えていないということ。チラッと聞いた話では、一週間ほどで体調が回復したすぐに、ならず者達の件で忙しくしていて、食事も別の場所で摂っていると。元気になったことにホッとしながらも、いくら広いといえど同じ王宮内にいるはずなのに、姿が見えないのが少し寂しくて。だからといって、ユリウスの仕事の邪魔をするようなことはしたくない。落ち着いた機会に、と思っていたら一ヶ月経ってしまった。

「どうしたらいいのかしらね…。」

講師が来るまでの間、図書室…というよりは図書館に近いが、ここで予習をしているがそれに意識を持っていかれて、中々手につかない。小さな独り言を呟いても静かな空気に吸い込まれて、答えは返ってこない。このままでは講義すらもちゃんと受けれない、気持ちを切り替えるために、窓を開けて空気を入れ替えようと立ち上がる。その瞬間に、手を引っかけてしまい広げていた本を落としてしまった。慌てて拾い、ページを痛めたりしていないか確認していれば、不意にどこからか声をかけられる。

「なんか物音がしたけど、大丈夫か?」

声のする方を見れば男性が立っていた。彼は私の方へ近づいて、話しかけてくる。

「あぁ、君か。最近よくここを使ってくれてるよな。」

ダークブラウンの長髪を纏めて、前に垂らしている男性…。身長は高く、距離を保ってくれてはいるが見上げる形になる。服装からして貴族そうだが、こんな人をここで見た事がない。私が図書室をよく使っている、というくらいなら面識があってもおかしくはないはずだが。

とにかく話しかけられているのだから、挨拶はしておかねば。

「ご心配いただきありがとうございます。アルカート王国から参りました、クレア・カレンティスと申します。あの…失礼ながら、私と面識が…?」

質問を問い掛ければ、彼は気付いてなかったのか?と言いたげな表情をして、名乗った。

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