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闇の令嬢、愛を思い出す  作者: 雨音祭
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浅く広く、でも確かに3

これがマリーナとレゼット、二人と友人になった経緯である。この始まり方だったから、友人と呼んで果たして良いものかと不安になっている。自分だけが思っていたら悲しいな、と。

多分こんな心配はいらないと思う。その後、よろしくお願いします、と答えてからは、王妃主催のお茶会であるはずなのに、私とマリーナ、レゼットの三人だけのお茶会をしていたくらいだから。年齢も同じで、趣味趣向は違えど終わりまでずっと話していた。後になって妃殿下から聞いたけれど、三人があまりに楽しそうで皆、見守るような雰囲気になっていたと。他の参加者に悪いことをしてしまったと思う反面、ここまで気負わず話せる友人が出来た喜びがある。

もちろん初対面なのだから、探り探りの会話ではあったがそれでも、いつの間にか緊張は解れていた。…素敵な出会い、だと思う、偏見もなく私を見てくれる人がいるのだから。

ふと意識を手紙に戻せば、思っていた以上に書き綴っていた。無事に着いた報告とこれからの抱負を書く程度にしよう、と思っていたのに嬉しかった出会いや悩んでいることが出来て、あれもこれもと書いていたら、便箋六枚ほど書いていた。いくらなんでも多すぎるのではないかと、もっと短めに簡潔に描き直そうと思って、新しい便箋を手に取りかけて…やめた。

母が出発の時に言ったことを思い出したから。

『あなたの言葉であなたの経験したことを書いて』と。

それはきっと、些細なことでも私の今を知りたいと願う言葉だと思える。手紙で書き伝える、というだけで普段の会話と変わらない、やり取りを望んでいるのだ。ならばこのままでいい、いやこのままが良い。私の経験したことを、私なりの言葉と思いを詰めたのだから。

文の締めに一言を添えて、そっと封筒にしまい抱きしめる。私の思いがちゃんと届きますように、と願いを込めて。

『最愛の家族へ』と。

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