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闇の令嬢、愛を思い出す  作者: 雨音祭
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目覚め始める欠片10

発動と同時に幻影が解ける。突如現れた存在に、ユリウスもならず者も驚き、隙が生まれたおかげで魔法が当たった。火の塊はたちまちに勢いを失くし、消滅する。ホッとしながらも、次の動向を探ろうとすれば、違和感が生まれる。それは私が使う時と大きな差があったから。その違和感は、ならず者が握っていた剣で感じる。私が知るNoneは、対象の魔法を消し去るもの。なのに、今放ったものは剣をも消し去った。魔力の通っていない、ただ普通の剣を。この事象を驚きながら見ていれば、更に驚く事が起きる。

ならず者が喉を押さえながら、もがき始めた。何か叫んでいるようだが、その声すらも聞こえない。不思議に思いながら、考えると一つの答えが見つかる。声が聞こえず、喉を押さえている…。

(まさか…空気さえも無くなっている…!?)

いつか読んだ本に書いてあった。真空、という空気の全く無い状態だと音さえもしない、と。興味本位で読んでいた風魔法の中に書いてあったものだったはず。それもⅤクラスのものだったはずで、つまりは風魔法の奥義ともいえるもの。それが闇魔法で…しかもⅡクラスのNoneで出来てしまうなんて。

そもそも今放ったNone自体が、私の知っているものじゃない。私の知っているのは、あくまで魔力を打ち消すもの。剣や空気に作用するなんて知らない。だってもし、これが本来の力だとするなら…人を簡単に殺せてしまう、Ⅴクラスのものだ。

目の前で起こった出来事が受け入れられずにいると、ならず者の動きが段々と鈍くなっていくのが見えた。

(はっ!いけない、このままでは死んでしまう!)

生かして捕まえねば、聞かなくてはいけないことがある。そう思って魔法を止めようとすると。

『まだ止めないで。大丈夫、命までは取らないわ。気失うまでに加減はしてあるから。』

頭の中の声がそう話す。それから一分も掛からず、ならず者は気を失い、ドサッと地面に倒れ込んだ。声が言う通り、既に魔法は止まったようで、魔力が減る感覚が無くなる。

『ごめんなさいね、手荒な真似をして。でもこれが確実に無力感出来た方法なの。』

「いえ…むしろ力を貸していただけて、ありがとうございます。あのままだときっと反撃を受けていました。」

お礼を告げると、フフッと優しく笑う声が聞こえる。

「良い子ね。本当は姿を見せてあげたいけれど…まだ出来ないから。次はゆっくり顔を合わせて話しましょう?』

コクリと頷くと声が消えたのを感じた。なんとも不思議だが、怖いとかは全くなく、声の主に会って話してみたいと思えるほどだった。

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