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目覚め始める欠片9
(あれを受け止めようなんて無謀だわ…!)
先程の想像が頭をよぎる。でも…ここで動かなければ、命は無い。それはユリウスも私も。エイリーやユニだって。この恐怖よりも、その方が怖い。どうせ恐怖が付き纏うのなら、後悔してしまうくらいならば。
漸く決まった気持ちが揺るがぬよう、ネックレスを無意識に握っていた。すると、何故かネックレスが熱を帯び始める。熱いわけじゃない、じんわりと温かい、そんな程度だ。
不思議に思い、ネックレスを見ると頭の中に声が聞こえた。その声は、聞いたことがあるような、初めて聞くのに懐かしいような、そんな声が言う。
『怯えないで。大丈夫、貴女なら出来るわ。私も力を貸すから、いけるわね?』
姿は見えないが、その言葉に安心して強く頷く。
『良い子ね。あいつを無力化するのなら、Noneを使いなさい。私の力も相まって、上手くいくわ。』
その言葉に再び頷き、右手をならず者へ向ける。あそこまでの魔法に対して使ったことがないから、本当に上手くいくか分からない。狙いが逸れてしまったえあ、とも思ってしまう。だけど今はやらなければ、未来が消え去ってしまうかもしれない。ならば無謀だとしても…ユリウスのように、立ち向かわねば。
そして、心で祈りながら魔法を発動する。
「ーーーNone!」




