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闇の令嬢、愛を思い出す  作者: 雨音祭
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目覚め始める欠片4

「国境へ着く前にお話しした際に、わずかに違和感を感じたのです。あの時は胸騒ぎに気を取られ、良く分かりませんでしたが…『何があっても守る』と言った意味が分かりました。」

あの時には既にユリウスは知っていたのだ、この出来事も私が感じていたものも。でなければあんな言葉は出てこない。いくらユリウスが人の機微に敏くとも、あの時の私の心の中を知るには情報が足りなさすぎる。

「…あぁ、知っていた。いや知らされた、と言った方が正確か。そして君が感じていたことに対しても知っている。…心配でうっかり言ってしまうとは、もっと成長しなければいけないな。」

そう言ってフッと笑うユリウスを見て、初めて少し怖いと思う。何故そこまで分かっているのか、どうやって知ったのか。王族には影といわれる、表には出てこない護衛がいるのは知っている。だがそれで知ることが出来るのは、起きた事実だけ。この胸騒ぎは誰にも打ち明けていない、いわば無いものに等しいことも知っている。そんなことを知れるとなれば、それは魔法で聞き出すしかない。ただその魔法は精神干渉になるから、ユリウスの光属性では出来ないはず。

「聞きたいことは山程あるのは分かっている、不気味に思えるのも。それはアーデストに着いたら、包み隠さず話すと約束しよう。」

ユリウスが言い切ると同時に馬車が動き出す。不安と疑問、疑念を残したまま、国境を出た。

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