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闇の令嬢、愛を思い出す  作者: 雨音祭
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初めてを繰り返して6

翌日の朝はいつも通り目が覚め、ベッドから降りてカーテンを開く。陽の光が差し込んで空気が澄んでいく気がする。中々寝付けなかったが、エイリーに淹れてもらったハーブティーが安らいだのか、疲れは全くない。今日も長距離の移動になるから楽な服装を、と着替えようとすればドアがノックされる。

昨日のことからエイリーかユニだろうか、と思い返事をするとやはりエイリー達が入ってきた。

「お早うございます、既にお目覚めだったのですね。…クレア様?何をなさろうとされていたのですか?」

エイリーが挨拶とともに私のやろうとしていたことを聞く。声音が少し怖いのは気のせいではないだろう。着替えをしようかと服を出していたところだったのだが…。そこまで考えて、しまったと思った。つい今までの習慣でやってしまったが、これも侍女の仕事だと昨日言われていたのを忘れてしまっていた。

「ごめんなさい…。いつも自分で着替えていたから…決して二人の仕事を奪おうと思ったわけではないのです…。」

エイリーもユニも私の身の回りの世話をすることが仕事。それを主たる者が率先してしまうことは仕事を奪うだけでなく、二人に対して言外に文句を言っているのと同義である。悪意があろうが無かろうが、彼女達にとって気持ちの良いことじゃない。やってしまった…と後悔をしていると。

「お早うございますクレア様!いつもお一人でされていたんですね!習慣を変えるのは簡単じゃないですから、ゆっくり慣れていきましょう!」

落ち込んでしまったのが分かったユニが慰めてくれる。言葉だけじゃなく、彼女の元気さに助けられる。ユニに続いてエイリーも言葉をかけてくれた。

「ふふっ…また敬語に戻ってしまっていますよ。仕事を奪われた、なんて思っていませんし、怒ってもいません。少しずつで大丈夫ですから、慣れていきましょう?」

優しい微笑みとともに私を慮ってくれる。誰かが付き従うことに慣れていない私の思いを汲み取って、優しさをくれるのはきっと、二人の元々持ち合わせる心からなのだろう。だからといって甘えてはいけない、甘えを持ってしまえば自分では何も出来なくなってしまう。頼るのと甘えは違うから、混在しないよう注意しなければ。

また違う方向に考えが向いてしまった、今はそれを考える時間じゃない。

「ありがとう…。あの…今から着替えるから、手伝ってもらえるかしら?」

今更ながらに手伝いを頼む。おそらく言わずとも手伝ってはくれるだろうが、言った方が二人も段取りがとりやすいのでは?と思い伝える。二人ははい、と返事をし、手際良く着替えをさせてくれる。普段ならもう少し時間がかかることもあっという間に終わり、準備は万端になった。

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