深愛 -アリアスside- 4
「…アリアス。一つだけ、クレアの悩みを聞き出せるかもしれない方法がある。」
涙を拭いながらウェルトを見る。悩みを聞き出せる?私達では一切出来なかったことを、どうやって?
「聞き出せるかもしれない方法…?」
あぁ、とウェルトは続ける。
「王家から茶会の招待状が来ている。…今までは色々な手段で断っていたが…もしかしたら、同年代の子なら言ってくれるかもしれない。」
アリアスは暗闇に差し込む一筋の光を見た気がした。だが、それはすぐに自分の中で塞がれる。
アルカート王国は闇の力に対して否定的、嫌悪する人が大多数だ。平民ならまだしも、貴族は王国の考えに感化されやすい。つまりは闇の力は悪と考える親を持つ子は、同じように考えるはず。
そんな中にクレアが行けば、結果は明白である。独りで傷つき、またその傷を隠し離れてゆく。愛おしい我が子のそんな姿など見たくない。
アリアスはウェルトに問う。
「ウェルト。そのような場に行けば、クレアがどんな思いをするか想像に難くないはずでしょう。何故クレアを傷つけてしまうような場所に行かせようと?」
感情的になりそうになるのを堪えながら聞く。きっとウェルトにも考えがあるのだろう。クレアとサイサス、自分の子を守りたいのは同じなのだから。
「もちろん、簡単に考えているわけではない。傷つく可能性もあると分かっている。」
だが、とウェルトは一呼吸置き話す。
「今回の茶会には隣国アーデストの王太子が出席されるとの事だ。アーデストは闇の力に偏見ない国。賭けではあるが機会はこれしかない。」
なるほど、確かにそれならば可能性は僅かながらにある。クレアは公爵家の娘。話す機会はあるだろう、本人が避けなければだが。
ウェルトの言う通り大層な賭けではあるが、それ以外手段がないのは分かっている。
覚悟を決めウェルトに深く頷いた。




