表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇の令嬢、愛を思い出す  作者: 雨音祭
31/165

アルストロメリアを心に飾って5

家に着いたのは綺麗な夕日が映える頃。父に起こされ寝惚け眼を擦るサイサスは、寝ちゃってたのか…と寂しそうにしていた。あれだけはしゃいでいたら眠くなるわよね、なんて言って笑えば、次は絶対に寝ないから!と宣言をした。これはきっとサイサスなりの約束なのだろうな、と思い笑顔で頷いた。

それから着替えたり、夕食の時間になって家族と今日の思い出を語りながらいれば、時間はすぐに過ぎ去っていた。気付けばあとはもう寝るだけ、そんな時間になっていた。

「この二週間、一日の流れる時間が早かったわ…。今日なんて特に。…こんなに満ち足りているのが怖くなるくらい…。」

この思いはここ数日、ずっと心の片隅に居座っていたものだった。味気も色味も無い毎日は地獄だったが、あれから変わりすぎてしまった今も怖い。いつかこの幸せに慣れてしまって、当たり前になってしまったら?幸せが突然無くなってしまったら?なんて思いが駆け回る。考えるだけで殻に閉じこもりそうになる、だけど。今その心配をしてどうなるのか、もちろん与えられるものを当たり前だなんて思ってはいけない。でも未来を憂いて逃してしまうのも違う。今日まで過ごして分かったこともある。誰の愛も受け入れられなければ、どこまでも孤独だと。同じように愛を渡せなければ、孤独になることも。

分かったことを思い出せば少しだけ、不安がなくなったように感じた。全てがなくなったわけでは無いけれど。

ふと思いつき、日記を開き書き綴る。今までの日記は嬉しかった出来事がメインで書いていた。でもこのどうしようもない不安も書いておけば、大事なことは忘れずにいられるんじゃないだろうか。思い出と同じように見返した時に、手を差し伸べてくれるような気がする。

思いを全て書き綴り終えた頃、月明かりが差し込む窓を眺めれば、キラッと一筋の光が流れていくのが見えた。願う暇もなかったけれど、不思議と不安は無くなり、心地良い眠気に誘われた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ