強さとは優しさを知ること2
家族とのすれ違いが解消してから数刻すぎ、湯浴みも済ませあとは寝るだけ。
談話室から出るとき母が「明日はとびっきりお洒落しましょうね!そのためにゆっくり休みなさい。」と言ってきたのを思い出しながらベッドの中にいる。
しかし色んな思いがあって寝付けない。悲しさもあり嬉しさもあり、本当にあの数時間で家族との距離も心も変わった。
こんなに簡単なことだったのかと呆気なさもありながら、満たされた気持ちがある。
でもきっと、これからの方が大きな変化がある。まだ来てもいない未来のことだけれど確信出来る。
「…殿下が変えてくれた。殿下が未来を変える術をくれた。」
ユリウスにあの日会わなければ、今もずっと独りよがりを繰り返しては諦めたに違いない。
ふとこの事を書き記しておきたくなった。何か理由があったわけでもないが残しておきたい、そんな気持ちになったから。
すぐにベッドから降りて机へ向かう。引き出しの中に使っていない手帳があったはず、と引き出しを開ければ出てきた。
メモをすることがあるかもしれないと、余分に買って使わずじまいだった手帳を使う時がきた。
「…なんて書こうかしら?読み返すのは私だけだし…。日記みたく書いてみようかしら。」
日記、そう決めたらなんだかワクワクする。諦めた日常を送っていたから特別なことを書ける今日が嬉しい。
「何から書くべきかしら!あぁ、書きたいことがいっぱいだわ!」
一人であれこれ悩みながら書き終え、幸福の中眠りに就いた。




