多分…初めまして?2
そう言った瞬間、道を開いた時のような風が吹く。同時に足を掴むような何かの感触がした。恐らく私が風に乗じて逃げないように。すぐに風は止み、足元の捕まっている感覚も無くなる。振り返れば今度は道は閉ざされ、この場所に囚われたことを知る。依然として彼女はゆっくりと近づいてきて、あと僅か数歩で私に届く、という位置で立ち止まる。先程の足を掴まれた感覚や風で道を閉ざしたことで、彼女が魔法を使ったことは明白だ。何をされるか分からない、この場で自分の身を守れるのは自分だけだ、と言い聞かせ手を翳す。
「―――堅牢!」
「…」
彼女を捕らえるように堅牢が構築されていく。これなら僅かながらも、逃げる時間や足掻く時間は稼げるだろう、と踏んでいれば。
「あら?懐かしいわね、それも使えるようになったのね。偉い子…でも反省点もあるわ。」
そう言って影が伸ばした手の分、大きく伸びる。そして彼女は魔法を放った。
「―――None」
構築されかけていた堅牢は瞬く間に消え、そこにはもう何も無かった。何故、としか出てこない。だって彼女が今使ったのは。
「相手の実力を知らないからこそ、時間を稼ごうとしたのは良い判断。でも同時に対策をされない、と思ったのはマイナスね。」
私は目の前で起きた出来事のせいで、その場にへたり込んでしまった。それを見ていた彼女はまた歩を進め、ついに私の前に立つ。いつの間にか逆光は収まり、彼女の顔が見えた。そして私は再度驚愕する。何故なら。
私と同じドレスで色は黄色を纏い、光をキラキラと反射するストレートの銀髪、瞳の色は深紅に染まり、つり目がちの顔立ちは…余りにも私に似ていたから。歳は二十歳半ば、といった感じを受ける。先程から理解出来ないことばかりが起きたからか、私は素っ頓狂な問いをしてしまう。
「…あ、貴女…は、私…?」
「ふふふっ、良く似ているものね私達。でも半分正解で、半分間違いよ。正しく教えるのはまだ先だけれど。」
彼女はそっと膝を折り、私と目線を合わせて手を伸ばしてきた。反射的にギュッと目を瞑り、この後の起こるかもしれないことに恐怖していると。
頭と背中に優しく手を回された。抱きしめられた。え?っと思い呆けていると、頭を撫でられる。
「落ち着きなさい、敵意はないと言ったでしょう?話を聞かないのは減点よ?」
なんて優しい声…。優しい手つきなのだろうか。まるで母にしてもらっているような、穏やかな気持ちになる。陽の暖かさもあってか、すぐに気持ちは落ち着いて彼女を見つめる。
彼女は落ち着いたのを確認して、怖がらせてごめんなさいね、と言い私から手を離す。少し、ほんの少しだけ寂しい、と思った時、手を差し出される。




