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想いの詩(仮題)

流れ星

作者: 浮き雲

しぶんぎ座流星群が見ごろと騒がれた次の夜、北の空と南の空にふたつの流れ星をみました。

北の空の流れ星は、上から下に流れ、二つに割れて消えました。南の空の流れ星は、西から東へと尾を引いて流れました。どちらも、しぶんぎ座流星群とは、時間や流れる方向から、たぶん関係ないのですが幸運でした。

相変わらず願うことは忘れて、ただ見つめていました。なら、横にいてくれれば。そう思って、これを書いたような気がしてきました。




ふたりで(そら)を見上げれば さいわい、いまは月もなく


雲は、幽かに刷き残す 銀砂(ぎんさ)のごとく沈みます




小さな星は、なお細り (そら)に紛れてしまうけど


残った星は、鮮やかな 光で、いまを満たします




夜半を過ぎて、夜空には 春の星座が上がります


巡る星座は、1年の 半ばを夜に描きます




(そら)を駆けゆく星たちの 秘密を(のぞ)く心地して


天動説も、いまならば 信じてみたく思います




いよいよ夜の深まれば さえぎる雲は立ち消えて


きみの吐息も白々と 空に流れて消えました 






しばし過ごせば、流星(りゅうせい)は (そら)を駆けても行くでしょう


願いを忘れ、ふたりして きっと、見惚れているでしょう




短い声を唇に ()らしたきみは、指をさし


並べた肩の重さだけ 僕へあずけて見上げます




北の(そら)から放たれた 火矢のごとくに明々(あかあか)


流れる星は尾を引いて やがて、静かに消えました




星が流れた宙をみて きみは、無言で祈ります


僕は、流れた星よりも きみを見詰めて願います




叶うことなら、この時が この時のまま、この胸に


融けぬ記憶と凍りつき きみを描けと願います





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