コント『なろう小説』
『GETUP!GETLIVE!第3回漫才・コント大賞!! 』投稿作品です。
世間一般に思われている(であろう)なろう小説をネタに書いてみました。
前回より更に内輪向けです。
独断と偏見です。
どうぞ広い心でお楽しみください。
ボケ「どうもー」
ツッコミ「どうもー」
ボケ「よろしくお願いしますー」
ツッコミ「お願いしますー」
ボケ「お客様ー! お客様の中に小説がお好きな方はいらっしゃいませんかー?」
ツッコミ「何を聞いとんねん! 急病人が出たスチュワーデスか!」
ボケ「今はCA言うんやで?」
ツッコミ「どうでもえぇわ!」
ボケ「この令和の時代にお前シュ、ス、チュチュ、シチュ、スツ……、ワーデスなんてよう言えたな」
ツッコミ「お前が言えとらんやないか! そこはどうでもえぇねん! 何で急に小説好きな人探したんや!」
ボケ「実は俺な、小説書いとんのや」
ツッコミ「お前、俺に台本書かしといて、そんな事しとったんか」
ボケ「まぁまぁ、何かで賞でも取ってお金入ったら自慢したるから」
ツッコミ「張り倒すぞお前! 何か奢るくらいの気持ちはないんか!」
ボケ「ふぅ、有名な作家になると、さもしい人間が増える。これが有名税……」
ツッコミ「えぇ加減にせぇよ! そこまで言うならもうどこか賞とか出版社に持ち込んどるんか?」
ボケ「いや、投稿サイトで書いとる」
ツッコミ「何てとこや」
ボケ「小説家になろう」
ツッコミ「あ〜、あれか〜」
ボケ「何やその反応」
ツッコミ「いや、俺もちょいちょい本とか漫画とか読むけど、小説家になろう原作のやつってクセが強くてなぁ」
ボケ「そうか?」
ツッコミ「そうやろ。どいつもこいつもトラックに轢かれて異世界転生。チートな力で無双とか、若い奴にしかウケへんやろ」
ボケ「そんな事ないで。なろうによくある内容は、人類の普遍的なテーマやで」
ツッコミ「嘘つけ」
ボケ「ほんまやて。それを証拠に、昔話にもそういうテーマが満載や」
ツッコミ「ほんまか?」
ボケ「せやったらなろうのあるある言うてみ」
ツッコミ「ほんなら異世界転生」
ボケ「かぐや姫」
ツッコミ「あー! 確かにな! 月の世界から子どもになって竹の中。人間の世界で成長して、月に帰る。成程な。せやったらチートで無双は?」
ボケ「桃太郎」
ツッコミ「せやな! 鬼をばったばったとなぎ倒す。これは確かに無双やわ」
ボケ「あとかぐや姫」
ツッコミ「何でやねん!」
ボケ「チート級の美貌で並み居る男をばったばったと切り捨てる」
ツッコミ「言われれば確かにな。女版無双やな。女版と言うたら乙女ゲームは?」
ボケ「シンデレラ」
ツッコミ「あー、確かに不遇な子が王子様に見初められて、なんてのは王道やけど、周りに男がぎょうさんおらんと物足りん気もするな」
ボケ「ならかぐや姫」
ツッコミ「またか! 確かに貴族やら帝やら男ぎょうさん出てくるけど! かぐや姫で三冠王やないか! せやったら異種族との恋愛、これはどうや!」
ボケ「鶴の恩返し」
ツッコミ「確かにな。助けられた鶴が女になって嫁になるんやからな」
ボケ「あとかぐや姫」
ツッコミ「どこが!?」
ボケ「月の世界の住人は、果たして人と言えるだろうか」
ツッコミ「言われるとそうか。なら月のウサギの化身でバニーガールのかぐや姫、なんて……」
ボケ「……」
ツッコミ「無言で引くな! ガチで軽蔑の目ぇやめろ!」
ボケ「俺の小説が当たったら、そういうお店に行った話したるから」
ツッコミ「いらんわボケ!」
ボケ「他にはある?」
ツッコミ「あー、あとは流行りだと追放系か?」
ボケ「白雪姫」
ツッコミ「あー、城を追われてなぁ。小人と楽しく暮らして、確かに追放ものっぽいわ」
ボケ「あとかぐや姫」
ツッコミ「来ると思った! 月からの追放やもんな! あとは追放と来たらざまぁ展開とか?」
ボケ「ウサギとカメ」
ツッコミ「あー、調子こいてたウサギを地道な努力で負かす、ざまぁ展開と言えなくもないな」
ボケ「あとかぐや姫」
ツッコミ「えぇ加減にせぇよ! どこにざまぁ展開があんねん!」
ボケ「振られやせんと 調子こいてた 帝が振られて あらざまぁ」
ツッコミ「そんな見方すんのお前くらいや!」
ボケ「竹取物語はなろう小説だった……?」
ツッコミ「あっちの方が千年単位で先輩や! いっぺん祟られろお前! で? お前は今どんなのを書いとるんや」
ボケ「よう聞いてくれた。空から女の子が落ちてきて始まる話は多いやろ?」
ツッコミ「あー、確かにな」
ボケ「俺はその逆をついて、地面から女の子が現れる」
ツッコミ「地面から? ほー、新しいやないか」
ボケ「地面の下からにょきにょき伸びた、竹の中からこんにちは」
ツッコミ「かぐや姫やないか! いい加減にしろ」
二人「どうもーありがとうございましたー」
読了ありがとうございます。
最初は色々な昔話に当てはめて、最後に全部盛りなどと考えていましたが、書いているうちに「もう全部アイツだけでいいんじゃないかな」となり、かぐや姫推しになりました。
日本人は古来よりなろう小説が好きだったんだよー! な、なんだってー!?(暴論)
竹取物語ファンの方に心よりお詫び申し上げます。