犬猿?
ある日の鬼灯神社の縁側で
親父と風見のおじさんがお茶をすすりながら、話しをしていた
一体何が起こっているというのだろうか
鬼灯と風見は犬猿の中で
くだらないことで、もめているのに
今日に限っては、何かが違っていた…
「お前の所も、自分の娘を巫女にしたらしな」
「貴さんの所こそイグチ君を祓い人にしたらしいが、よくあの奥さんが了承したものだな…」
「俺が強制してなれと言ったんじゃない」
イグチの方から「祓い人になる」と言ってきたんだ…
その時の親父は、巣立ちする鳥を見ている悲しそうな表情を浮かべていた…
「俺が昔、ドジ踏んだせいでイグチとキリコにトラウマを作ったことを後悔しても仕切れない…」
「アムは、元気か?」
「ああ…元気だ、目が見えていないのにも関係無しに、お前んとこのハルトと3人で遊んでいたな、最近よくイグチと組み手をやっているのを見かけるが、負けっぱなしなんだよイグチが」
「そうかいそれは、ご愁傷様で、
君はあの時、ひとつの命を救ったんだ自分の怪我より優先してな」
「…………」
「君は昔から全然変わらないよそういうところ」
「テメーも、合理的な考え方が変わってなくてほっとした」
「僕たちも、歳をとったそろそろ若い世代に時代を託す頃合いだろう」
「まあ~、俺もテメーも老けたからな~」
「君よりは、老けてないと思うけどな~」
二人が向かい合い満面の笑みで…
「「アハハハハハハハハ!!!!」」
それは、雑談が終わった合図であった