実施訓練
今日キアラは訓練を受けずにシスター服に着替えていました
「今日はこれで来るようにって何ででしょう?」
実は先程ジャンヌ本人キアラに今日はシスター服で来るように言いにきたのです
キアラはそう言ったジャンヌに困惑しながらも着替えていました
着替えてキアラがジャンヌの元に向かうと
「今日は実施訓練に向かいます!」
「実施訓練、ですか?」
「そう!今日ねゴアっいう村の近くに住み着いたゴブリン達を討伐するために騎士達が向かそうだからそれに同行してほしいの!」
「も、もちろんジャンヌ様も同行するんですよね?」
キアラは少し焦りながらジャンヌに問いかけます
「ごめん、本当は同行してあげたいんだけど、今日はどうしても外せない用事があってね...」
「そ、そんな...」
「大丈夫よ!騎士達はある程度強いし、ゴブリンも弱いし!」
「ですけど...」
「何事も経験が大事なの!」
「う、分かりました」
キアラはジャンヌの正論に言葉を失いしぶしぶ頷きました。
「あ、そうそう!これ貴方のだから!」
ジャンヌはそう言い高価な装飾がついた杖を取り出しました
「はい!」
「こんな高価そうな物受け取っていいんですか?」
「いいに決まってるじゃない!はいどうぞ!」
「ありがとうございます」
ジャンヌは押しつけるように杖をキアラに渡し、キアラはそれをすこし戸惑いながらも受けとりました
「じゃあ、行ってらっしゃい!」
「わ!」
ジャンヌはキアラを押し出すように外に出しました
「あとはそこにいる騎士がやってくれるからじゃあね!」
ジャンヌは走りさっていきました。
「では、キアラ様こちらの馬車にお乗りください。ゴア村に参ります」
外に待機していた騎士達がキアラにそう伝えます
「はい、分かりました」
キアラはもう諦めたのか素直にしたがいました
馬車は乗馬した騎士達に囲まれるようにして村へ進んでいきます。
コンコン ガチャ
「キアラ様到着いたしました」
騎士達がノックをして馬車に入ってきました。どうやら村に到着したようです。
「はい、今おりますね」
「早速ですが、これからこの村の村長に話を聞いてからゴブリン討伐に向かおうと思います。よろしいですか?」
「はい、もちろんです。一刻も早くゴブリンを倒さなければ」
「では、参りましょう」
キアラは騎士達に連れられ村長宅に向かいました。
その村長宅に向かう途中にすれ違った村の人達が何やら騒いでいます。
「ねぇ、お母さん、あのお姉ちゃんとっても綺麗!」
「なんだ、あの天使は...」
「踏んで欲しい...」
...騒いでいました
その中をキアラは顔を赤くしながら歩いていました。
(綺麗とか言われると恥ずかしいですね)
とても恥ずかしがっているようです
そんなこんなで村長宅に到着しました。
「騎士様方来てくださってありがとうございます。」
村長はそう言い頭を下げました。
「いえ、まだ何もしていませんよ。詳しい話をお聞かせ願えますか?」
「はい、以前からこの村周辺には時々魔物が現れることは良くあるのですが、我々に被害を及ぼすほど凶暴な魔物は現れませんでしたが、先日からいきなり村の近くで、ゴブリンがよく見られるようになり、ついには私の娘の一人がゴブリンに襲われたのです。」
村長は涙ながらにそれを話しました
「そうですか。話は分かりました。この件はお任せください」
「はい、お願いします。」
「今日はもう日が沈んでしまうので今日はこの村でお休みください」
「はい、ではお言葉に甘えさせていただきます」
村長のはからいで今日は村に滞在することになりました。
「村長、その襲われたという娘さんは何処に?」
キアラは不意にそんな事を聞きました
「この家の寝室で寝かせていますが、それがどうかしましたか?」
村長はキアラのいきなりの質問に疑問を抱きながらも答えました
「その娘さんを治して差し上げてもいいですか?」
「本当ですか!?ぜひ、お願いします」
「これぐらいはいいですよね?」
「えぇ、構いませんよ。ただし、護衛の騎士を一人残させていただきますよ?」
「はい、ありがとうございます。村長さん案内してもらってもいいですか?」
「はい、こちらです」
キアラは騎士の人に許可をもらい村長の娘さんの治療をするため案内を求めました
「ここです。ハナ、入るよ」
「うん」
村長が部屋をノックすると中から少し弱々しい声が聞こえてきました。
「失礼します」
キアラが部屋の中に入るとベッドの上で横になり眠っている、女の子がいました。
その隣では少しやつれた小さな女の子が椅子に座ってこちらを見つめています
「そこのベッドで横になっているのが姉のナタリーで、その横の椅子に座っているのが妹のハナです」
村長が紹介をするとハナが問いかけてきます
「お姉ちゃん誰?」
「私の名前はキアラと申します」
キアラはそれにニコッと笑顔を浮かべながら答えます
「すいません。私は村の民達に騎士様達の事を知らせなければいけないので、これで失礼します。ナタリーの事をお願いします」
村長は頭を下げてから部屋を出ていきました。
キアラはまずハナの近くに行き、目線を合わせるようにかがみます。
「ハナちゃん、これからハナちゃんのお姉ちゃんを、治してあげるから安心して」
「お姉ちゃん治るの?」
ハナと呼ばれた少女はずっと泣いてしまっていたのか目元が赤く晴れてしまっています
「そうだよ、少し待っていてね」
キアラはそう言うと、ナタリーの体の上に両手をおきます
「ヒール」
キアラが呪文を唱えるとナタリーの体が緑の光に包まれます。光が消えると心なしがナタリーの顔が穏やかなものになりました
「ふぅ、これで後は時間が経てば目を覚ますはずだよ」
「キアラさん!」
ハナは姉の傷が治り感極まったのかキアラに抱きつきました
「ありあとう、ぐす、本当にありあとう」
泣きながらもお礼を言っています。
「よしよし、よく一人で頑張りましたね」
キアラはそんなハナの頭を優しく撫でながら抱きしめました
しばらくしてナタリーが目を覚ましました
「うぅん、ここは?」
「あ、お姉ちゃん目が覚めたの!」
「え、えぇ、あ、そうだ私魔物に襲われて...」
「大丈夫ですか?傷は癒えていますが精神的にはまだ辛いでしょうから無理をなさらないように」
「あなたは?」
「私はキアラと申します。あなたの治療をさせていただきました。」
「すごいんだよ!キアラさんが呪文を唱えるとすぐ治っちゃったんだ!」
「それは、ありがとうございます。」
ナタリーは頭を下げます
「いえ、当然のことをしただけですよ。お粥がありますのでめしあがりください」
「ありがとうございます」
ナタリーはお粥を食べるとすぐに寝てしまいました。
その後キアラも夕食を食べるとすぐに寝てしまいました。初めての治療で少し疲れたからかもしれません。
戦闘描写かけるかな...