旅立ち前
年末年始は忙しくて投稿が中々出来ません。すいません...
夜、いつものように睡眠を取っているとキアラは夢を見ました。
「あなたは誰なの!キアラは⁉︎キアラはどこに行ったの!」
母であるジェーンに自分の正体がバレ
「貴方を呪ってやる。一生恨んでやる」
今までに見たことないような眼差しを向けられる夢を
「あなたキアラをどこにやったって言うの!」
「我の主君を返せ。貴様だけは許さん!」
「私のお姉ちゃんをどこにやったの。ねぇ、何処にやったの」
「お前!キアラを何処にやったんだ!」
幼馴染の4人に正体がバレ全員から蔑んだ目で見られる夢を
「そんな、私はただみんなの為に」
「あなただけは許さない」
ジェーンが
「殺してやる」
アイシャが
「首をとってくれる」
アルジェが
「殺す殺す殺す」
アーリアが
「お前を殺す。絶対に」
セシルが
みんながキアラを殺しにくる。
そんな夢を
「嫌だ!嫌だぁぁ!」
「お姉ちゃん⁉︎大丈夫⁉︎」
キアラは気づくと目が覚めていました。
体中に汗をかきながら大声で突然叫び出したキアラにアーリアが声をかけます
「ひっ!」
「え、、」
声をかけたアーリアにキアラは恐怖心をいだきます。ついさっき夢とはいえ殺されそうになったのがキアラの頭の中に蘇ったからです。
ドン!
「キアラ、大丈夫⁉︎」
「敵襲か!」
「っ」
そこにアイシャとアルジェが飛び込んできます。その2人にキアラは先ほどのアーリアと同じように悲鳴をあげそうになりますがなんとか堪えます。
「いえ、大丈夫です。少し悪い夢を見てしまって、ご心配をおかけしました」
「お、お姉ちゃん大丈夫なの?」
先ほどキアラに怖がられる素振りを見せられたアーリアは恐る恐る尋ねます。
「はい、大丈夫ですよ。」
「良かった!」
そこにはいつもと同じキアラの笑顔がありました
自分の気のせいだったのだろうと結論づけたアーリアは気にすることなくキアラに抱きつきました
「あの、寝汗をかいているのであまり抱きつかないでもらえますか?」
キアラは自分が汗臭いからとアーリアに離れるように伝えますが
「すぅ〜」
「なんで匂いを嗅ぐんですか!」
キアラはアーリアを引き剥がすとシャワーを浴びに行きました
「怖い...」
キアラはシャワーを浴びながら震えていました。先程まではみんながいたので取り繕っていましたが、未だに恐怖心がぬけませんでした。
しかしこの事は誰にも言えません。キアラは一人で耐えなければならないのです。
なんとか調子をいつもの調子に戻したキアラは服を着替え訓練に出ていきました。
そんなある日、キアラ達は王室に集められました。
「今日君達に集まってもらったのは、そろそろ皆に魔王討伐に向かって欲しいからじゃ」
キアラ達に少なからず驚きました。
「皆、驚くのも無理はないがどうか頼む」
「えっと、何時ごろでしょうか?」
「出来れば皆のものには明日旅立ってもらいたい」
「明日、ですか...」
「皆のものくれぐれも準備を怠るでないぞ」
王にそう言われた後キアラ達は最後の訓練にいきました。
「キアラちゃぁぁん!」
ジャンヌはいつも以上にキアラに抱きついてきます。
「ジャ、ジャンヌ様?」
キアラはいつも以上に抱きついてくるジャンヌに戸惑います。
「だって、キアラちゃんと会えるの今日で最後じゃない!」
どうやらジャンヌはキアラとの訓練が今日で最後ということが寂しいようです。
「そんな、永遠の別れではないんですから」
「うぅ〜」
キアラが宥めますがジャンヌは未だに凹んでいます
「あ、そうだ!」
ジャンヌは何かを思いついたのかキアラの胸から顔をあげます
「キアラに私の加護をつけてあげる!」
「ジャンヌ様の加護、ですか?」
「そうよ、私の加護!遠慮しないで!」
「えっと、では、お願いします」
キアラはジャンヌに押され思わず承認してしまいました
「じゃあちょっと失礼して」
チュ、チュ〜
するとジャンヌはキアラに抱きついたまま顔を首元に持っていき首にキスをし、その場所を吸い出しました
「え、ちょっと、ジャンヌ様何をしてるんですか!」
キアラはジャンヌの行動に驚き体から離そうとしますが、ジャンヌは力一杯抱きついており話すことができません
その間もジャンヌはキアラの首を吸い続けています。
しばらくしてから、ジャンヌはキアラから離れました。
「ぷはぁ!ふふふ、これで私の加護がついたわよ!」
「はぁはぁ、それならそうと言って欲しかったです」
「まぁまぁ、それにしても綺麗についたわね〜」
「えっと何がですか?」
ジャンヌはキアラの首元もマジマジと見てそう言います。キアラは嫌な予感がしつつも質問します。
「え〜っと、首元にキスマーク付いちゃった」
ジャンヌはそう言いキアラにウィンクしました。
「な、な、なんて事するんですか!!」
「え〜、良いじゃない」
「ダメです!どうするんですか!こんな目立つ所に、見られたら何を言われるか」
「そこらへんはちゃんと考えてあるわよ。はいこれ!」
ジャンヌはキアラにチョーカーを差し出しました
「このチョーカーをつければ大丈夫よ!」
「だからって!」
「いらないの?」
「いります!」
キアラはジャンヌに抗議しようとしましたがチョーカーをしまわれそうになり急いでチョーカーを受け取りすぐに装着します。
「いいじゃん!似合ってるよ」
「良くありません!」
「さて、そろそろ時間だね。じゃあ、魔王討伐しっかりね!」
「はい!」
勘違いは加速していく(多分)