幼馴染のうち一人は...
ある村にとても仲良しな幼馴染五人組がいました。
男の子一人と女の子四人、側から見るとハーレム のように見えます。
「よし!今日も何かして遊ぼうぜ!」
この元気のいい子は、セシル・クロード。この中で唯一の男の子です。
「私はなんでも大丈夫ですよ」
この敬語を使って喋っているのが、キアラ・キャンベル。女の子のうちの一人です
「あんた、もうちょっとボリューム下げなさいよ。うるさいわね」
このツンツンした子がアイシャ・クーパー。女の子のうちの一人です。
「ならば、チャンバラはどうだろうか!」
この独特の喋り方をしている子は、アルジェ・クルス。女の子のうちの一人です
「私は鬼ごっこがいい〜!」
このセシルと似たような性格の子がセシルの妹である、アーリア・クロードです。
この4人は幼少期毎日一緒に遊んでいました。
しかし、クロード達が15歳を迎えた時に時間は起こりました。
それは、クロード達が15歳で成人をむかえ、教会で役職を授かる儀式の時です。
その儀式は四人一斉に行われました。
結果は
「おぉ!これは凄いぞ!」
アイシャ 賢者
アルジェ 剣聖
アーリア 精霊使い
キアラ 聖女
セシル ⁇⁇
「これはまさしく悪魔を打倒する勇者と共に旅をするにふさわしい役職ですな。しかし、セシル様は...」
「なんで、俺だけ、」
「ふん!あんたにお似合いじゃない」
「アイシャ!」
一人だけ役職が分からず落ち込んでいるセシルに、とどめを指すかのように言うアイシャにキアラが注意をします
「セシル、気にする事ないよ!」
「そうだぞ、セシル!」
「お兄ちゃん気にしちゃダメだよ!」
それをカバーするかのようにアイシャ、アルジェ、アーリアがセシルを励まします。
「お取り込み中のところ申し訳ありません。キアラ様、アイシャ様、アンジェ様、アーリア様、奥の部屋に来ていただいてもよろしいでしょうか?」
「え、でもセシルは?」
キアラはセシルだけ呼ばれていないことに疑問を持ち神官に問いかけました
「セシル様はここでお待ちください」
「あ、はい。キアラ俺のことは気にしなくていいから。みんなと行ってきてくれ。俺は一足先に帰ってる」
セシルは落ち込みながらもキアラにそう言い教会を出て行きました。
「あ、はい。分かりました」
セシルはどう言ったらいいのから分からずそう言いました
「セシル...」
「ん...」
「ぐぅ...」
「お兄ちゃん...」
みんなそれぞれが気まずそうにセシルの後ろ姿を見ていました。
「では、みさなんこちらへどうぞ」
一同は神官に促され奥の部屋に入っていきました
「それで、何故私たちはここに呼ばれたのでしょうか?」
全員を代表して、キアラが問いかけました
「はい。皆さんにはこれから召喚される勇者と共に魔王討伐をしていただきたいのです」
「ま、魔王討伐⁉︎」
アイシャが驚きの声を上げました。それは当然ですが。魔王といえばその名の通り魔の王なのですから。
「なぜ、それが私たちに?」
アルジェがそう質問しました
「実は今回皆さんが授けられた役職が神託でくだった魔王討伐に向かうパーティーに必要なものなのです。」
「で、では、他にもこの役職の者はいないのですか?」
アルジェが動揺しながらもそう言いました
「いえ、そればごさいません。この役職につけるのはお一方のみ。よって、他の方というのはありえません」
その言葉に全員が驚愕しました。つい先日まで、村でのんびり友達と遊んだり、親の手伝いをしていた自分たちが魔王討伐をしなければならないということに
「あ、あの代わりの人とかはいないんですか」
四人の中で最年少のアーリアがすがるおもいでそう聞きました
「お気の毒ですが、いらっしゃいません」
「私たちがやらなければ魔王は倒せないのですか?」
キアラは覚悟を決めたような目で神官を見つめました
「はい。そして、魔王が倒されなければいずれ魔族が人間の国を侵略するでしょう」
「これは王命ですので、皆さんには今すぐに王都に向かってもらいます」
「そ、そんな!」
「それは、あんまりではないか!」
神官の言葉を聞きアイシャとアルジェが批判の声を上げました
「王命に背かれると罪にとわれますよ」
神官は少し脅すように二人に言います
「せ、せめて、お兄ちゃん達にお別れを言ったからでもいいですか?」
キアラはせめてもと神官に問いかけます
「...それくらいは大丈夫でしょう。明日には王都へ行く馬車を手配出来ますので、それまでは大丈夫でしょう」
神官は少し考えてからそう言いました
「皆さん、これで家族と永遠の別れというわけではないのです、それにみんなと一緒に旅ができると思うとワクワクしませんか?」
教会からでて、全員がしずんでいるなか少しでも気を紛らわせようとキアラが元気よくそう言いました
それにつられてみんなも少し笑顔になります
「そうよね。あんた達と旅するのも楽しそうよね!」
「あぁ、実は色んなところを旅するのは少し夢だったのだ」
「そうだね。お兄ちゃんに旅の話をいっぱい話してあげなくちゃ!」
みんながそんな事を言いだしました。先ほどまで立ち込めていた空気はどこかに消え去ったかのようでした。
「さてと」
キアラは家に帰宅してから、服を着替えようと服を脱ぎました。しかし、その体にはあるはずの膨らみがなく、そして、女性にはないはずのものがはえていました。
「どうしよう...」
そう、キアラは男だったのです。