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『今日も飲み会来ないのかー?』



 あの日から、はや一ヶ月。

 俺は春臣が参加する飲み会には行かなくなった。自分の勘違いに恥ずか死にそうだったのもあるし、何より、事実に対するショックが大きすぎて立ち直れなかった。

 だって、あんな瞳で俺を見つめて、あんな熱をもった手で俺に触れたくせに、彼女ってなんだよ…?

 恥ずかしいよりも悲しくて、悲しくて、ただ悲しくて…。あの後どうやって家に帰ったのかあまり覚えてない。朝までひたすら泣き続けて、殴られたのかってくらい瞼がパンパンに腫れ上がったのだけは覚えてる。

 春臣からも何度か連絡が来たけど、風邪で声が出ないってことにして電話には出なかった。いま、あんな甘い声を聞いたら、また泣いてしまうと思ったから。

 それほど自分が春臣に惚れてたんだってことにも衝撃を受けたし、気付いたところでどうにもならない想いに絶望した。

 だって、春臣には彼女がいる。


『行かない。まだ調子悪いから』

『まじかー、長引いてるな。ゆっくり休めよ!』

『おー、また誘って』


 友人にメールを送って、ベッドに躰を沈める。現実逃避には、眠るのが一番だ。寝てしまえば虚しくすぎる時間もあっという間だし、何も考えなくてすむ。

 願わくは、夢にだけは出てきてくれるなよ、春臣…。









 ――ピンポーン


 ――ピンポーン


 ――ピンポーン



 しつこく鳴らされるインターホンに、深く沈んでいた意識を無理やり引っ張り戻された。



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