乙女の悩み。
ケーキは食べたい。
でもカロリーがきになる。
幼馴染がケーキをおごってくれる。
そんな今日は私の誕生日。
「うーん・・・」
チョコクリームか、生クリームか。
はたまたモンブランか。ティラミスなんてどうだろう。
ロールケーキも捨てがたい。
ホールで食べるわけじゃないけれど、どれも美味しそうで全部食べてしまいたい。
ケーキ屋さんの子になりたい。
「どれがいい?」
「・・・・全部いい」
「え゛」
「でも、強いて言うならチョコ」
このお店は初来店。ならば私の選択は一つ。
チョコケーキが食べたい。
普通は生クリームといった素朴なものでケーキ力を知るべきなのだろう。
しかし、私はチョコが好きだ。
チョコでお店を決めたい。
「カットされたのの一個でいいの?」
「うん」
「誕生日なんじゃないの?」
「ホールは女子としてどうかと思うから!」
「いや、ひとりで食べるわけじゃないよ」
「二等分でもやばいもん」
スカートが穿けなくなる悲しみ、味わったことあるのか。
短パンだって急に穿けなくなっちゃうんだぞ!
女子なら死ぬまでおしゃれして生きていたい。
「それに、」
好きな人にだけお祝いして欲しいから。
大きいと人を呼んじゃうでしょう?
「な、なにいって・・・!」
「なんてね。ばっかじゃないの」
嘘を一つついて、私は一年分大人になった。